「AneCan」8月号

今月から、女性雑誌の中のトピックから、「女子はこんなことを考えているんですよ!」ということをピックアップして書いていくことになりました。

私自身が男女のいろんなことがそこまでわかっているわけではないのですが、多少人から聞いたり、周りを見たりしてきた経験から、さまざまな心理を男女がわかっていたら、無駄にプンプンしたりしないでいいんじゃないかなと思うようなことを見つけていきたいと思います。とはいえ、どっちが悪いとかいうのは苦手なので、こういう考え方もあるんですよ! くらいに聞いていただきたいなと思っております。

男性は賞味期限にうるさい!?

今月は、「AneCan」8月号掲載の「男はなぜ賞味期限にうるさいのか!?」というページをとりあげてみましょう。AneCanによると、「この弁当、賞味期限から1時間過ぎたから食べられないよね」なんていう男子をよく見かけるそうです。

食べていたご飯に期限切れの食材が使われると知ったとたんに具合悪そうになったり、「俺は君と違ってナイーブだから、期限の切れたものなんて食べられないよ」と言われたりとか、けっこうリアルなエピソードもあり、そんなところを想像するとちょっとほほ笑ましく思えました。

実際にこういう男性が多いかどうかはわかりませんが、そういえば男性ってどこかからやってきた謎な食べ物に対する抵抗感がある人けっこういますよね。ハーブティーの匂いが苦手とか、パクチーが嫌いとか、アボカドを喜んで食べている横で、何がいいの? みたいな顔をしたり。あれって、定番以外のものを食べることに危機感を感じているのか、それとも、「あんなもん食べるなんて"女子か!"」と思っていたりするのでしょうか。

逆に女子はそういう新しい食べ物に抵抗が少ないことが多い。それは、流行のアイテムに飛びつくように、食べ物も新しい潮流にのっかることがおしゃれ! みたいなところがあるからかもしれません。そういう態度をスイーツ(笑)などと言われる可能性もありそうです。

根拠のない言葉に耳を傾ける柔軟さも必要

さて、AneCanの特集の中では、心理カウンセラーの方に、なぜ男性は賞味期限にうるさいのかという理由を聞いています。その答えは「男性は数字で示された客観的事実を信頼する傾向が強い」からとのこと。

確かにあいまいな話をしていたときに、「その話に根拠は?」とか「エビデンス(証拠)は?」などと聞いてくる人はけっこういますが、何か数字を入れたりすると、途端に納得して大人しくなったりするのを見たことがあります。それって自分の周りだけでしょうか……。

その心理カウンセラーさんは、女性は「物事を感覚で捉えることが多い」とも答えています。女性の中に、数字が苦手な人もいるかもしれませんが、「数字なんてただの指標だよ!」という人は多いのではないでしょうか。

また、女性で「私は勘がきくから」と豪語したり、「ほら、言ったじゃない!」などとしたり顔をする瞬間を見たことのある男性もいるかと思いますが、あれはけっこう適当に言ってるんではないことが多いんですよ。

数値的な説明はできなくても、いろんな情報を集めて、それがなんとなくまとまって得られる結果だったりするものなのです。だから、「こいつ、いい加減なこと言って……」と思わずに、ちょっとは耳を傾けてみると、意外と当たっていることもあるかもしれません。

というか、そういう根拠のない言葉に耳を傾けるその柔軟さは、女性からのポイントも高いはずです。逆に、男性が数字でもって説明するときも、女性も同じように耳を傾けてみるのもいいのかもしれません。

というか、このコラム自体が、そこに「エビデンスはあるのか?」と言われそうでちょっと心配です……。いや、いいんです。男女の関係にエビデンスなどないのです。

(C)小学館 AneCan2013年8月号 撮影/倉本GORI

<著者プロフィール>
西森路代
ライター。地方のOLを経て上京。派遣社員、編集プロダクション勤務を経てフリーに。香港、台湾、韓国、日本などアジアのエンターテイメントと、女性の生き方について執筆中。現在、TBS RADIO「文化系トーラジオLIFE」にも出演中。著書に『K-POPがアジアを制覇する』(原書房)、共著に『女子会2.0』(NHK出版)などがある。