独立・開業には勇気がいります。そして人それぞれの理由があります。もちろん稼ぐことを目的に開業する人もいるでしょう。しかし、それ以上に「思い」を持ってビジネスに取り組まれている人が大勢おられます。ここではそんな人々にスポットを当てて、独立・開業への思いや、新しい人生の価値観などを伺っていきます。
第29回は、学習塾を経営、『瞬読』と呼ばれる独自の読書法を開発し、関連書籍が累計26万部を超えるベストセラー作家、山中恵美子さんに、このたび開校されたメタバース空間も活用することで話題の「EMI高等学院」(通信制高等学校)についてお話を伺いました。
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山中恵美子さん
――「瞬読」のベストセラーで山中さんのことをご存知の方も多いと思うのですが、簡単な自己紹介をお願いします。
山中さん:ありがとうございます。2009年に学習塾を開校しまして、グループ30校で送り出した生徒さんは2万人になります。その塾の中で「今の時代に必要な能力を子どもたちに」という想いから、『瞬読』という独自の読書法が生まれたのですが、その効果が保護者からビジネスパーソンにまで広まって話題になりまして、おかげさまでその『瞬読』関連の著書もベストセラーになりました。
今年の4月には長年の夢だった「EMI高等学院」(通信制高等学院)を開校、小中学生向けのオンラインフリースクールも同時に開校して、その学院長を務めています。
「我が子の塾を作ってしまおう」から始まり、7年間で30校に
――始まりは、塾を開講されたことだと伺いました。始まりは、塾を開講されたことだと伺いました。
山中さん:はい、15年前のリーマンショックの時ですね。生活が苦しい時期がありまして、ちょうどその頃、長男が塾に行きたいと言い出したのですが、とても通わせる余裕がなかったんです。でも、親としてはやっぱり塾に通わせてあげたい。そこで「自分で塾を作ってしまえば通わせてやることもできるし、収入が生活の足しにもなるのではないか?」と考えて、自宅のあった西宮に個別指導塾を作ったんです。これがそもそもの起業のきっかけで、教室は7年間で30にまでなりました。
――通わせる余裕がないなら、自分で作ってしまうという発想がすごいですね。そこからどのようにして、今回のEMI高等学院(通信制高等学院)につながっていくのでしょうか?
山中さん:山中さん：まず「我が子を通わせるならこんな塾」をコンセプトに、親として本気で子どもを通わせたくなる塾をつくることに取り組みました。その中で、学校に行けない子どもがあまりに多いこと、そしてその子どもたちはみんな“可能性のかたまり”だということに気がついたのです。本来、勉強というものは、将来社会に出たとき役に立つ、生きる力を身につけるためのもののはずです。それなら嫌々学校に行かなくても、得意や個性を伸ばし、社会で必要とされる力を身につける方法もあるのではないか? そんな思いから創設したのがEMI高等学院なんです。
学校に行かない子はITスキルが高い-得意を極めるカリキュラムを
――学校に行かなくていい、個性を伸ばす、社会で必要とされる力……たくさんのキーワードが出てきました。そうした通信制高等学院を作るのは大変だったのではないでしょうか。
山中さん:ほぼ日本初の、オンラインでメタバースエンジニアを在学中に目指すカリキュラムになっています。モデルケースがありませんので、これから様々な壁にぶつかるかもしれません。ただ世界的にみても需要のあるメタバースエンジニアとして活躍する若者が育てば、日本の、世界の、そして地球の役に立てるはず、と確信しています。
実は学校に行かない子は総じてITスキルが高いんです。この得意を活かして社会に必要とされる人材になって欲しいと思っています。ですのでこの通信制高校はドロップアウトした子が通う学校というコンセプトではなく、得意を極める、ナンバーワンを目指すため選ばれる学校にしていきます。
――なるほど、この先にもまだ壁があるかもしれないのですね。ここにたどり着かれるまでの思いや、やりがいをお聞かせください。
山中さん:私は教育こそが今の社会を、日本を救う唯一の方法だと考えています。何を学ぶか、いつ学ぶかというのはとても重要。ビジネスと同じで、他の人と同じことをしていては、この先の活路は見出せません。メタバースの世界はこれからどんどん伸びるでしょうし、そのための人材はまだまだ足りていません。そして、学校に行かない選択をした子どもたちにメタバース空間は最適です。自宅にいながら年齢、性別、人種を超え世界と繋がることができますから。不登校は才能です。未来の宝。それを証明してみせます。
果たして不登校児は不幸な子なのか?
――メタバース、私ももっと勉強したくなってきました。山中さんの今後の展望を教えていただけますか。
山中さん:年齢に関係なく、日本の国力をあげるためにも多くの人にメタバースの世界を学んで欲しいですね! そして日本だけでなく、世界で活躍するエンジニアになってもらいたいです。通信制の高等学院、フリースクールですがその特性を最大限に活かし40万人の不登校児と家庭を救います! 高卒資格ももちろん取れますよ。
不登校は未来の宝、不登校は才能です。生きる力を身に付けるのが勉強。学校に行かない選択をしてもいつでもどこからでも生きる力を身につけることはできるのです。
