コロナ禍で自宅のテレビで国会中継を見る機会が増えた人も多いかもしれません。国会中継では質疑・答弁者だけでなく、着席している出席議員の姿勢やしぐさが、予期せず映り込むことがあります。これは、オンライン会議や商談でミュート時の発言していない参加者にも同じことが言えます。

中継に映り込んだ国会議員の聞く姿勢から、皆さんのオンラインに活かせること、NGな姿勢やしぐさを考えてみたいと思います。

居眠りは論外としても、姿勢一つが強い印象として残り、意図せぬメッセージを発してしまうものです。まずは聞いている時の姿勢から見てみましょう。

足を開いて、投げ出して、お腹を突き出し背もたれにのけぞるように座っている議員がいます。この状態では、決して発言に関心を持っているとは思えません。皆さんも、そのように受け取られないように注意しましょう。

一方、そろそろ終わりにしたいという時には、この「疲れた」態度を「成し遂げた」という意味合いでクロージングに使うこともできます。本当に疲れているから出てしまう姿勢ながら、相手や場面に応じて使い分けてみましょう。

また、脚を組み直すことで、居心地の悪さや退屈である感じが伝わります。そして、人は静止しているもの以上に、動くものに気を取られます。

オンラインでは下半身は見えないものの、下半身の動きが、肩の動きやシャツの揺れなど上半身にも反映されるので、この上半身の動きは「居心地が悪いのか?」と違和感を残します。脚を組み直すならタイミングを見計らう工夫をしましょう。

机上の小物が気になることもあります。スマホや携帯電話にさわっていると、資料をチェックしたり、メモを取ったりしているにもかかわらず、関係ないことをしているようにも見えがちです。事実に反するメッセージが発信されてしまうのは非常に残念なことです。

無言であっても、姿勢やしぐさ、服装のノンバーバル(非言語)コミュニケーションによって、思わぬ強いメッセージを発信してしまいます。

では、オンラインで意図せぬメッセージを発信しないように、交渉や会話の邪魔になる違和感を生じさせないためにどうすればよいか、それはご自身が他者の印象に敏感になって、感じがいいと思うもの、どうも違和感を感じて相手の話が入ってこないという時にはそれはなぜか……ということを見極めてみてください。ご自身の感性を研ぎすますことが最強の手段です。

自分が違和感を抱いたことはしない、自分がされて嫌なことはしない、相手の立ち場を尊重するということが円滑なコミュニケーションの秘訣です。