入社1年目で知っておきたい「ビジネススキル」とはどのようなものでしょうか? 時間管理やコミュニケーション、PCスキルなど、会社や業界を問わず、身に着けておくと役立つスキルをチェックしていきましょう。
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 ディレクターであり、社内外でビジネススキルに関する研修やセミナーを行う木部智之氏の著書『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)より、一部を紹介します。
第7回は、「100点をめざすより80点で早いほうがいい」です。
100点をめざすより80点で早いほうがいい
学校教育を受けてきた私たちは、高い点数を取ることがいいことで、1点でも高い点数を取るようにと努力を重ねてきました。 しかし、ビジネスの世界では必ずしもそれが正解とは限りません。むしろ、100点をめざしてはいけない場合がほとんどです。80点でいい仕事であれば、80点で終わらせましょう。
80点の仕事を100点にするには、60点の仕事を80点にする10倍の労力と時間がかかるといわれています。
仕事はより早く、より多くがベスト
例えば、先輩に頼まれた「○○を調査して、結果をまとめる」という仕事。パワーポイントで10ページにしっかりとまとめたとしても、先輩にとっては簡単なメモ程度でよかったのだとしたら、その労力と時間は完全にムダです。その時間をほかの仕事に回したほうがいいのです。
同じ仕事であれば早く終わるほうがよく、同じ時間であれば多くの仕事ができるほうがいいのです。そのためには、60点でいい仕事は60点で仕上げて、次の仕事に移るようにしましょう。
ただし注意点は、その点数は相手が決める、ということです。自分で60点でいいだろう、と思っても実は80点を求められていた、ということもあり得ます。逆のケースもあるでしょう。
そのようなギャップがないようにするためには、最初に点数を確認しておくのです。点数を確認するといっても、「何点の資料でいいですか?」と聞いても意味のない会話になります。アウトプットのレベルをすり合わせるような、具体的な質問をしましょう。
例えば、次のように質問するのです。
- メモレベルの報告で大丈夫ですか?
- 3ページくらいでまとめるイメージで合っていますか?
- 社内向けの資料ですか?お客様への説明資料ですか?
このように、アウトプットのレベル感を最初に確認しておけば、不必要な時間を費やすことは少なくなります。
最初から手を抜くのはNG
ただし、100点をめざさないというアプローチには前提があります。それはあなた自身が100点を取れるスキルを備えていることです。第2回「初めての仕事は手を抜かない」でも触れたように、まずは自分の仕事で100点を取れるようになっていることが必須です。
新人のうちは、わからないことは徹底的に調べ、細部にもこだわり100点を取れるように努力をしておきましょう。
最初から手を抜いた仕事をしていた人は、何年たっても中途半端でそれ以上成長することがありません。
上をめざすならば、妥協しない仕事ができるようになった上で、状況に応じて力加減を調整するようにしましょう。
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- 資料作成…読み手に負担をかけず、一発で伝わる資料の作り方
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著者:木部智之
発売日:2022年5月11日
ISBN:9784837928904
価格:1760円