「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第98回のテーマは「3食作るの辛いお父さん」です。

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我が家では炊事がパートナー、それ以外の家事は私が担当しています。

緊急事態宣言が出て、保育園が休園になってからずっと家に息子がいます。しかし、この息子が偏食ボーイなんです。1歳半くらいからずっと偏食気味で、その頃よりはだいぶ食べられるものが増えてはいるのですが、未だに食べるものはある程度限られています。

乳児のころから悪戦苦闘しながら、なんとかごはんを食べさせてきていますが、そもそも、息子は食に全然意欲がないのです! なので「お腹が空いたから仕方なく食べる」という選択肢がありません。つまり「栄養バランス」以前に「食べさせる」ほうが大事になってきます。4歳頃の息子はかなり痩せていました…。我が家のスローガンは「食育より発育」です。何でもいいから食べるならOKってことになってます。

その状態でもいいかと思った理由の一つに「保育園だと頑張ってなんでも食べる」からというのがあります。息子は保育園だと頑張ってお野菜でもなんでも食べるんです……。

しかし、家では全然食べない。まず「知らないもの」を食べない。新しいものを出しても9割くらいの確率で食べません。自分が育った昭和スタイルだと「食べない」とか本当に嫌いなもの以外は許されなかったんですけど、息子は私が子どものときに「本当に嫌いだったもの」を食べたくないテンションで拒否して食べないので、「イヤなんだな~」と思って無理強いするのはやめました。お腹が空いていても気に入らないものは、絶対に食べない……そんな息子に無理やり食べさせようとすると、食卓が本当に殺伐とするのでつらくてやめました。

前に見た子育てノウハウに「家の外で頑張っている子は、家の中では甘えん坊」というのがありました。実際、保育園という「家の外」で頑張ってるなら、家の中では好きにさせたらいいかな~と思っています。家の外で食べられるということは、社会性はあって「やらなきゃいけない時はやる」ということ。家の中でどうせ無理して食べさせても、大人になって自分で選択できるようになったら食べないんだし……。よっぽど偏っていない限りいいということにしてます。

息子は「米、麺、パン」などの主食は食べます。お肉もお魚も食べます。ただし、見て「魚」「肉」とわかる料理だけ。ちょっと変わった形状になると食べないので、我が家の料理はシンプルになりがちです。そして、お野菜は家ではトマトかキュウリしか食べません(トウモロコシとポテトサラダは食べる……けど)。気まぐれにキノコは食べます。豆腐と納豆は食べます。なので、困ったときは納豆ご飯を食べさせています。まあ、これでもわりと食べるものが増えたほうなのでよしとしています。

そんなわけで、5歳まで「家の中では本人が食べたいものを食べさせる」方針でした。しかし!! 保育園が休園! それも未だ経験したことのない長さの休園……。それはさすがに栄養バランスが気になります。ところが、何度もさまざまな方法を試して挫折した我が家……。保育園が無くなったからと、すんなり青菜などのお野菜を食べてくれるわけがありません。

息子が保育園でなんでも食べてくれている間、親は「今日はラーメンでも食べに言っちゃおうか~」とランチの選択肢は自由でした。ところが、息子が1人いるだけで突然選択肢は狭まります。外出自粛なので、外でランチもしにくいです。まあ、そもそも平日ランチは子ども向けじゃないので食べに行くのは難しいのですが……。

このハードルの上がった食事事情に、炊事担当のパートナーは日々悩まされています。

私は本当に食への意識が低くて、1人だったら平気でカップ麺で過ごしちゃうタイプです。そして息子は、カップ麺もコンビニの冷凍食品のピラフとかチャーハンとかも好き。なので……パートナーが「お昼どうしよう」と言うと、つい「コンビニで買えばいいよ~」と言ってしまうのです……。だ、ダメですかね……。すみません。「栄養バランスのことを考えてるのは自分だけなのか~!」と、パートナーに怒られがちです。

でも「こうあるべき」という意識が高すぎると疲れちゃうというのは、私が初婚で失敗したときに得た教訓なので、なるべく「意識の低いことを言う」ようにしています。朝ごはんと夜ごはんは、保育園があるときと変わらず「息子が無理なく食べる範囲」の中で栄養バランスのある食事をパートナーは出しています。だから、毎日お昼ごはんが完璧じゃなくてもいいじゃな~い。みたいな……感じで、パートナーが思い詰めないようにしている……つもりです。

実際、その意見を取り入れて「作るのがつらいなら、買おう!」とコンビニごはんや、レトルトカレー、カップ麺も選択肢に入っています。ごはんの用意で疲れきるくらいなら、楽したほうがいいというのが私の考え方です。

ちなみに、私が代わりにごはんを作るという選択肢。こちらから提示したんですけども「キッチンを使われるストレスと天秤にかけると、まだ作ってもらうほどは疲れてない」と言われました……!どんだけイヤなの! 同居して炊事を担当するようになってから8年以上……。人って役割でこだわりとかが変わるんだな~と実感しております。

……にしても「何を食べればいいか思いつかない」ような私には、日々ごはんを用意してくれるパートナーに感謝しかありません! ありがたや~。作ってもらう側として、ねぎらいと感謝と忘れないようにしています!

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。