「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第38回のテーマは「子どもと一緒にインスタント麺食べる母」です。

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  • たまにはインスタント麺でもいいんじゃない?

我が家は、お父さんが炊事係です。

私は初婚のときに元夫の好きなものばかり作り続けた結果、離婚後自分のために炊事をすることがまったくできなくなってしまい、ずーっとカップ麺で過ごしていた時期があります。

つきあい始めのころにそれを見た現パートナーが、「それじゃ体を壊すよ!」とゴハンを作ってくれるようになり、それがいまだに続いています。

というわけで、現在は私はまったく炊事をしていません。我が家はパートナーが食材の管理から、家電・道具まですべての管理をしています。

でも昔はしっかり炊事していたので、私も「子どもが生まれたらまた、料理するかなあ」なんて思っていたんですけど……。これがもうキッチンが自分のテリトリーじゃなくなって、冷蔵庫の中に何が入ってるかもよくわからないし、自分が好んで使う食材はほぼないし……全然やらない

別にアレが食べたいとか、作りたいとか、そういう気持ちもそこまでないので、本当に全然やってません。

そして我が家は夫婦そろってフリーランスなので、パートナーが在宅で仕事をしているときは、お昼ご飯も彼が用意してくれます。

家にいるだけで、ゴハンが出てくる生活……素晴らしい! ということは、パートナーがいないお昼ご飯はどうしているかというと……カップ麺を食べています。

別に料理したくないんじゃないんですよ。「何を食べたらいいか、わからない」んです!

コンビニに行っても、何を食べたいのか全然わからないし、仕事をしているとメニューを考えるのさえめんどくさくなる。でもお腹は減る……じゃあいいや、カップ麺で、となるのです。しかも、銘柄を選ぶことすらめんどうで、いつも同じのを食べています。

カロリーがそれほど高くなくて、値段も安くて、そしておいしい、という条件をクリアしたカップ麺をいつも食べています。

そういうのは、大人はいいんです。だって自分のことだから。でも、子どもはそうはいかないですよね。栄養バランスとか、考えてあげないと健康や発育に影響してしまうので。

だがしかし、我が子は甘えん坊の偏食タイプで、更に食への意欲が薄いタイプなのでした。そもそも、食べさせるの自体が大変なタイプ。夫婦であーでもこーでもと頑張って食べさせてきたのですが、もちろん炊事係のお父さんのほうが「息子の食」に関しては責任を感じています。

なので、私よりもずっと「どうやったら息子が野菜を食べてくれるか」とか、「もっとたくさん食べてくれるか」とか考えているんですよね。

ところが私は……あんまり考えていません。ま、そのうち成長に合わせて食べられるものも、量も増えるでしょーと、かなりお気楽に考えています。これ、絶対炊事やってないからだな……というのは、自分が「やらない」側になって実感していることです。

毎日メニューを考えてたら、そんなにお気楽にはなれないですよね。

ちなみに、夜お父さんのいない日は「子どもの食べるもの」は冷蔵庫にちゃんとストックがあるんですが、私の分は自分でどうにかする方向なので、私のゴハンはありません。

ってことは……子どものゴハンを用意しつつ、自分のゴハンも。ああ、めんどう……いいか、私はカップ麺で。となってしまうのです……。

とくに私は在宅デスクワークでまったく動いてなくて、3食しっかり食べるとカロリーオーバーなので、夜は小食にしています。ああ、ますます作るモチベーションがない……。

カップ麺さえ多いなーと思って、おやつ用のマグヌードル(マグカップに入れて食べる、小さいインスタント麺)で終わりにしてしまうのです……。

そして、それを見た息子が「僕も食べたい」と……。そして私は「いいよ!」と。

息子は自分から「食べたい」と言ったものはよく食べるので、むしろポジティブな気持ちで食べさせたのですが、初めて食べさせたときは、パートナーに「人が色々頑張っているのに、ジャンクなものを食べさせて!」と怒られました……。

でも、まあ毎日じゃなければいいじゃない? みんなが楽しく食事できたらいいじゃない? と、どちらかといえば責任を感じて追い詰められがちなパートナーに「大丈夫だよ~」と言うのも、やってない側の私の仕事かなと思っています。

パートナーも「まあ、そうかもね……。高いレベルを求め始めるとそうできないときにイライラしちゃうし」と、お気楽派の意見も聞いてくれるので、うちはバランスが取れていると思います。

最近は、息子が「カップヌードル」に目覚めてしまい、週末のお昼ご飯に食べたがるようになってしまい、「これをどこまで『たまに』として許容するか」というのが目下の悩みです……。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。