「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第122回のテーマは「タイムリープを妄想してやる気を出す方法」です。
最近、花柄のワンピースとかをよく着ています。って、街中を見るとわりとみんな着ているので、「あ、流行ってたの……? 」という感じなのですが、私が気になるようになって目に付くだけでしょうか。ファッションの流行りに疎い私です。でもいつもあまり気にせず好きな服を着ています。
子どもが赤ちゃんや幼児だったころは、とてもじゃないですがワンピースを着る気になりませんでした。フェミニンなものなどもってのほか。赤ちゃん、幼児連れはとにかく肉体労働なので、「動きやすさ」を重視していたのですが、その当時の自分はワークキャップ、モッズコート、ブーツ……みたいな格好でした。ある日、鏡に映った自分を見たときに「あれ? どっかの戦闘員かな? 」と思いました。なんだかユニセックスでミリタリーっぽい格好だな~と思ったんですよね。
今振り返ると、たぶん「武装」みたいな気持ちもあったんだと思います。小さい子を連れて「母親っぽい格好」をしすぎると、加害的な行動を取りたいタイプの人に舐められるのでは……みたいな。
息子も6才になり、最近は抱っこやおんぶの回数も減って、それなりに言うことも聞いてくれるので、出かけるときの肉体労働感が減ってきました。息子も大きくなって、気持ち的に「武装解除」しても大丈夫かなと感じたのか、服装の路線を変えてみようかなと思い始めました。
そしてうちの息子は母親のファッションに敏感なタイプで、母親がフェミニンな服を着るとすごく褒めてくれるのです……。「お母さん、今日の服は色がキレイだね」とか「スカートかわいいね」とか言ってくれるんです。え~そんな褒めてくれるの……喜ばれるならもっと着ようかな~って、なりますね。息子はドラえもんが好きなので、ドラえもんグッズを買ってあげようかなと思うくらいのテンションで、「息子が好きなら着ようかな」みたいな感じです。
それと別に、ちょっと前に人から「人前に出るときはフェミニンな格好がいいですよ」とオススメされたことがありました。私はあまり花柄とかに興味がなかったのですが、「それもいいのかな」と思い、気に入ったものを探してチャレンジするようにしています。
ですが、いざ着てみると、それなりに大人っぽいと思われるものは選んでいるものの、「40過ぎて花柄か~」みたいな気持ちがむくむくと湧いてきます。そもそも40代ってどんな格好したらイイ感じなのか……というのも悩みではありますが、フェミニンな服というのもどの辺までアリなの? ナシなの? とか考えちゃうんですよね。この問題は昔からずっとあって、10代のときは「ハイティーンでツインテールはもうダメなんじゃないか」とか考えてたことを思い出します。
でも、そんなときは「10年後の私が今の私を見てどう思うかな? 」と考えます。
10年後の50代の私から見たら、40代の私は全然若いんですよね。そう考えると、なんでも挑戦したらいいし、なんでもやったほうがいいんじゃないかと思うのです。以前、年上の人に「いつだって、先の自分からみれば今が一番若い」と言われて、それはそうだなあと思ったことがあります。過去の自分から見たら今の自分は一番歳を取っているのですが、未来の自分からみたら今が一番若い。未来の自分のためにも、なんでもできるうちにやりたいことをやったほうがいいんじゃないかと思うのです。
40代の今、10年前の自分を見ると「若いっ! 」と思います。でも当時は「もう30代だし」って思ってたんですよね。とくにアラサーは悩みがちな頃。人生の選択を迫られがちで、自分は若いのか若くないのかなどと考えてモンモンとしていたと思います。でも、今振り返ると「何言ってるんだ~全然若い! 」と思うわけです。
だったら、今の自分も50代の自分が見たら「まだまだ若いぞ! 」って言うと思うんですよね。だから、できるだけ「過去の私から見て、一番を歳を取っている」とは思わず、「先を考えれば今が一番若いんだし」と思うようにして生きようと思っています。
パートナーも、出会ったころはわりと年相応の服を着るようにしていたそうです。でも私は、「おじさんだからこそ明るい、カワイイ色の服や靴を選んだほうがいい」と言っています。むっつり黙り込む年配の男性が、くら~い色の服を着ていると、より印象が暗くなるじゃないか……と思ってしまうんですよね。
そういう話をしていたら、もともとそんなに明るい色の服は嫌いじゃなかったというパートナーは、今は明るい色の服を着ています。オレンジ色が好きなので、フリースとかダウンジャケットをオレンジにしてここ最近は「オレンジおじさん」と呼ばれています(笑)
ちなみに私の花柄ワンピ路線ですが、言われてみれば、たしかに私はわりと口が立つタイプ。下手するとわりと「強い」とか「怖い」と思われることもあるので、フェミニンな服を着てるほうが柔らかい印象になるのかも……と思うようになり、積極的に着ています。
なのですが……息子からは評判のいいフェミニンな花柄ワンピース。実はパートナーはそんなに好きじゃないらしいのです。そうか~パートナーは別に好きじゃないのか~と思ったのですが、「だからって、別に人が何を着てもいいと思ってる」と言うので、着ています。いくつになっても自分の気分があがる、気に入ったものを着ていけたらいいなと思います。
新刊『骨髄ドナーやりました!』
(少年画報社刊/税別950円)
初代骨髄バンクアンバサダーの俳優・木下ほうかさんも「『ちょっと人の命を助けて来るから!』。こんなカッコいいことを言い放つお母さん。私はこんな最強マンガを待っていました」と絶賛する書籍が発売!! 日本骨髄バンク完全監修の爆笑必至の骨髄ドナー体験マンガです!
夫婦揃って献血が好きで、骨髄ドナーに登録しているさるころとノダD。2人は事実婚・共働きで息子を育てています。夫のノダDは今までに3回骨髄ドナーにマッチングをしていて、3回目で骨髄提供をしました。そんなある日、骨髄バンクから届いた書類をよく見ると、なんと今度は妻のさるころが骨髄ドナーにマッチングしたお知らせでした……! 非血縁ドナーのマッチング確率は数百~数万分の1とも言われており、骨髄ドナーは登録してもマッチングするとは限りません。そんな中、なんと夫婦で2年連続ドナーを体験。そんな激レアなn=2のリアルガチな体験談をあますことなくお届けします! 詳しくはコチラ
著書『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』
(幻冬舎/税込1,100円)
全編書き下ろしエッセイマンガ!
バツイチ同士の事実婚夫婦にめでたく子ども誕生! ここから「家事と育児をどうフェアにシェアしていくか」を描いたコミックエッセイです。家事分担の具体的な方法から、揉めごとあるある、男の高下駄問題、育児はどうしても母親に負担がいってしまうのか、夫のキレにどう対処する? などなど、夫婦関係をぶつかりつつもアップデートしてきた様子を赤裸々に描きます。くわしくはコチラ
著者プロフィール:水谷さるころ
女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。