1914年に軽井沢で温泉旅館を開業し、2022年で108年の歴史を数える星野リゾート。「旅を楽しくする」をテーマに、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」のサブブランドを展開し、2022年11月以降は新たに7施設をオープン予定です。今回はそんな新しいワクワクを生み出し続ける星野リゾートに注目! 今こそチェックしたい話題の施設を深掘りしていきます。
第11回目は、2022年1月にオープンした「OMO5小樽(おも)by 星野リゾート 」。実はここ、星野リゾートの中でも、ひときわノスタルジックな魅力にあふれた施設。客室もダイニングもアクティビティも……。女子のハートをがっちりキャッチする、非日常の連続です。いざ、映えておいしいディープな小樽旅へ!
■レトロで新鮮な輝きを放つ南館
「OMO5小樽」へは、小樽駅から歩いて約9分(タクシーなら約3分)。小樽運河にも徒歩4分と近く、観光客でにぎわう色内大通り沿いにあります。
注目すべきは、"古き良き"魅力が詰まった建物。「OMO5小樽」は南館と北館、2つの棟で構成されており、北館は新築ですが、南館は小樽市指定の歴史的建造物「旧小樽商工会議所」をリノベーションしました。外観は「旧小樽商工会議所」そのもの。建築好きにはたまらない、話題のホテルとしても注目を集めています。
南館は、1Fと2Fが宿泊エリア。3Fがレストランになっています。
歩いていると、「あっ、ここで写真を撮ってみたい!」と感じるスポットがいっぱい。特に南館1Fの手すり階段は、立っているだけで非日常トリップできます。レトロな雰囲気にすっ……と溶け込み、まるで異世界へ来たみたい。
自撮り写真が撮れるように三脚も用意されているので、ぜひ利用してくださいね。
どっぷりノスタルジーに浸るなら、南館1Fの廊下も外せません。天井の照明は、「旧小樽商工会議所」で実際に使われていたもの。温かみだけでなく重厚感があり、さらには落ち着いた輝きを放つ、ドラマチックな雰囲気です。
そして、南館廊下に置かれた古いオルゴールは、なんと今も現役だというから驚きです……!
これは、18世紀のドイツで作られた、ジュークボックス式型オルゴール。実は時々スタッフさんが来て、曲を奏でてくれるんです。気になる人はフロントに立ち寄って、いつ頃聞けるのか尋ねてみてくださいね。
客室は全部で92室。北館が78室あるのに対して、南館は14室と少ない設定になっていますが、南館はなんといっても天井が高い! 天井高が約3mもあるため、開放感は抜群。日差しをたっぷり受けた室内で、ゆったりと過ごせます。
中でも最上級のデラックスルームは、これまでの「OMO」とは一線を画す優雅な佇まい。「OMO」に泊まったことがある方なら、「えっ、ここがOMOなの…!?」と驚かれるはず。
ちなみに、ベッド前の壁掛けTVは、大型65インチのビッグサイズ。TVっ子なら、好きな番組を大いに楽しんではいかがでしょうか。
■フロントやOMOベースがある北館
さてお次は、北館にフォーカス!こちらは、入ってすぐ右手にフロントがあり、奥に「OMOベース」があります。
「OMOベース」とは、小樽さんぽを楽しむのに欠かせないパブリックスペースのこと。巨大な扉型のマップには、OMOレンジャーが実際に足を運んで集めた、ご近所の見どころがたっぷりのっています。
のぞいてみると、周辺の飲食店情報に加えて、OMOレンジャーが選ぶ「ソフトクリームTOP5」も!さすが乳製品がおいしい北海道ですよね。
またOMOベースのあちらこちらに、「旧小樽商工会議所」時代に使われていた昔の分電盤や、消火栓、ハンガーラックなど、時代を感じさせるインテリアがちりばめられています。
北館は新築ですが、"昭和レトロ"も詰め込んだオシャレ空間。アンティーク好きなら、夢中になれるスポットです。
もうひとつ、北館の推しポイントが「オルゴールライブラリー」。ここには、色やカタチ、音色が違う様々なオルゴールがずらり。ゲストはお気に入りを見つけて、客室で聞くことができます。滞在中、何度でもオルゴールをチェンジできるのも嬉しいですね!
■無料の街歩きツアーでディープな小樽を知る
「OMO」に泊まる楽しみといえば、「ご近所ガイドOMOレンジャー」による街歩きのツアー。これは普段、素通りしてしまうディープなあれこれをOMOレンジャー(星野リゾートのスタッフさん)がレクチャーしてくれるというもの。嬉しいことに参加料金は無料です!
「小樽に来るのは初めて」「もっと小樽を知りたい」そんな小樽初心者さんにおすすめしたいのが「朝の堺町通りさんぽ」。このツアーは、まだ観光客が少ない朝の時間帯にスタートします。人混みを気にせず、ゆっくりのんびりOMOレンジャーさんとお散歩しながら、小樽の人気観光エリア通称「メルヘン交差点」までお散歩します。帰りはフリータイムなので、気に入ったお店があればオープン後に立ち寄れる点も有り難い!
ツアー中、最も楽しかったのがここ。昭和初期創業の元金物店「奥野商店」を活用した、レトロかわいい雑貨店。店内に、懐かしさで胸がいっぱいになる雑貨を中心としたアイテムが所狭しと並びます。今では見かけなくなったデッドストック品もあり、まるで宝探しをするよう! アンティーク好きの胸に刺さりまくり、ワクワクが止まりません。
「朝の堺町通りさんぽ」は、新しい気づきをもらえて小樽がもっと好きになれるツアー。小樽リピーターの筆者も、「えっ、そうだったの!?」の連続でした。
■スペイン料理の朝夕食が最高だった
ここに泊まるなら、夕食も朝食も付けなきゃもったいない! これまでとは大きく違う「OMO5小樽」は、「OMOカフェ&ダイニング」もひと味違います。
場所は南館3F。元「旧小樽商工会議所」の大会議室だったスペースで、天井高は驚きの5m! 異国情緒漂う、ロマンチックな映え空間にうっとりです。思わず筆者も「まるでお城に来たみたい……!!」とぽろり。
夕食は、星野リゾートで唯一のスパニッシュディナー。ビュッフェ台にはスペインの小皿料理「タパス」9品を提供。それを好きなだけ、ビュッフェ形式で食べられます。
驚いたのは、美しくて手の混んだ料理ばかりだったこと……!
例えば、どんぐりを食べて育った「イベリコ・ベジョータ」を薄くスライスして、高温の油で揚げたブタの皮にのせ、スナック感覚でいただいたり、ほうれん草のすじを1枚1枚とって、丁寧に作られたカタルーニャ地方の郷土料理を味わえたり。
「わぁ~、何てきれいなの!おいしい!」と一人、歓声を上げてしまいました。
メインティッシュは、食いしん坊の食欲をしっかり満たすダブルメイン。
豚肉のグリルは、こんなに分厚いのに、中は驚くほどしっとり柔らか。聞けば、低い温度からじわじわ時間をかけて火入れをすることで、おいしくジューシーに仕上げているのだとか。
最も印象的だったのは、メインの2品目。昔ニシン漁で栄えた小樽らしい「ニシンのミックスパエリア」です。
料理で使うのは、まるっと大きなニシンのみ。ニシンが旬の時期に一番大きいサイズを取り寄せ、スチーム加工をした後で骨を粉砕。その後、素揚げをしてハーブとともにオーブンで焼き上げるのだとか。さらに、ニシンとお米との一体感をだすため、パエリアを海老の濃厚なブイヨンで炊き上げているそうです。
メニューごとに製法にこだわり、ひとつひとつ手間暇かけて作るクオリティーの高さに脱帽!
料理のすばらしさもさることながら、驚いたのは、スペイン産のワインも飲み放題で楽しめること…!!
アルコールのメニューは、なめらかな渋みの辛口「赤ワイン」、バランスの良い辛口「白ワイン」、シュワシュワさわやかな微炭酸ワイン「チャコリ」の3つ。ノンアルコールだと、サングリアも飲み放題になります。おいしいワインをたくさん飲みたい! そんな願望を満たしてくれますよ。