連載『保険なう』では、保険の世界における旬のトピックスをとりあげて、読者の皆さんに知っていただきたい保険の知識を提供します。

家族構成によって、リスクや入るべき保険が違う!

家族構成には、2~3世帯家族のような大家族と核家族があります。

それぞれの家族構成や、家族の年齢によって、実は抱える経済的リスクが違っています。 リスクが違えば、目的も変わってくるので、その目的に合った保険を選ぶ必要があるのです。

今回は日本を代表する3つの家族構成をモデルに、それぞれの家族が抱えるリスクと保険見直しのポイントをお話します。

3世帯家族のケース(1)(ややピンチ家族)

3世帯家族のケース(1)

こちらの家族は、世帯主(54歳)とその妻(50歳)、そして子どもが3人(長女:24歳、長男:11歳、次女:9歳)。長女は結婚しており、夫(28歳)は婿養子。2人の間には子どもが1人(3歳)いるので7人構成の3世帯家族です。

このような家族は下記のようなリスクが考えられます。

  • 世帯主定年後の収入大幅ダウン

  • 退職金の支給可否

  • 長男、次女の教育資金

  • 介護のリスク

場合によっては高収入がリスクとなる場合もあります。

例えば、児童手当の支給制限や医療費の高額療養費の自己負担額が大きいなどのケースです。

ここでまず考えるべきは長男と次女の教育資金です。

介護はまだ50代のため、すぐには必要なさそうですし、長女夫婦が同居しているのでいざというときも見てくれる人はいます。

教育資金なら「学資保険」と思うかもしれませんが、親と子どもの年齢の差で、学資保険に加入できない場合があります。まさに今回の世帯主と子どもの年齢だと加入できない保険商品も出てきます。つまり自由に商品を選ぶことができなくなるのです。だいたいの学資保険は18歳で満期になります。長男11歳、次女9歳なので、どちらも満期まで10年ありません。かなりの額の保険料になり、家計を圧迫させてしまうという理由でリスクが大きくなってしまいます。

そこで見直すべきポイントは、今後収入が大幅ダウンするなかで、子どもの学費、さらには自身の病気のリスクも保障できるような保険を考えることです。

しかし、被保険者が健康であることが前提です。以前病気をしていたりすると、かなり厳しくなってしまうので、そうなる前に見直しをしましょう。

3世帯家族のケース(2)(超ピンチ家族)

3世帯家族のケース(2)

こちらの家族は世帯主(40歳)とその妻(40歳)、世帯主の両親(父:76歳、母:70歳)、そして世帯主の子どもが2人(長女:11歳、次女:8歳)という6人構成の3世帯家族です。

収入が世帯主の自営業分しかない中で抱えるリスクはかなり大きいものがあります。

  • 自営業のリスク

  • 子どもの教育資金

  • 介護のリスク

この家族の収入は世帯主の自営業収入のみ。

自営業の方だと、一般的なサラリーマンが受けられる社会保障が少ないというリスクがあります。

仮に世帯主が病気になってしまい、就労不能になってしまったら…。

普通の会社員なら有給などが使えますが、自営業だと自分が働けないと収入がありません。

2人の子どもはまだ11歳と8歳。これから教育を受けていく年齢です。

また、世帯主の両親は2人とも70歳を超え、高齢。つまり、いつ介護が必要になってもおかしくない状況です。

このようにリスクがかなり大きい場合、支払い能力の問題もあるかもしれませんが、保険料が少しばかり高くても生活費、医療費、教育新など十分な保障の保険に入ることをおすすめします。

このような状態になる前に、やはり保険の見直しは大切ですね。

核家族のケース(普通の家族)

核家族のケース

こちらの家族は世帯主(35歳)とその妻(29歳)、そして2人の間に生まれた子どもが2人(長男:5歳、長女:0歳)の4人構成の核家族です。

年収も安定しており、持ち家生活、子どももまだ小さいので、「これから、より幸せに生きていくためのリスク」を考えれば良いわけです。

  • 病気などのリスク

  • 貯蓄(教育資金・老後生活)

  • 万が一のことが起こっても、幸せな教育が受けられる資金

  • 余生を楽しむためのお金

子どももまだ小さいので、学資保険も余裕を持って入れるでしょう。

また、いつか子どもが成人し、結婚、そして孫ができたときには意外とお金がかかるものです。

老後の夫婦の旅行資金や孫へのお小遣いなど。

そんなときのために、貯蓄型の終身保険に加入するのは良い選択かもしれませんね。

お子さんが生まれたときなど、家族に変化があったときは、保険見直しの良いタイミングです。

年末は保険の見直し時期

いかがでしたか?

家族構成や、そのときのそれぞれの年齢によって、経済的リスクは変わってきます。

年末になると、「年末調整書類」が届くかと思いますが、その書類にご自身が今どんな保険に入っているのかが記載されているはずです。

また、昨今の消費税の値上がりや社会保険の引き上げで家計が厳しいと感じている方も多いと思います。

  • 本当に必要な「保険」を見つけるための見直し

  • 家計を節約するための「保険」の見直し

どちらもこの季節に取り組むと良いかもしれません。

ぜひこの機会にご自身の保険を見直してみてはいかがでしょうか。

<著者プロフィール>

井福竜也

保険見直し本舗 対面第二事業部 CRM担当。1969年長崎生まれ。1992年、明治学院大学文学部英文学科卒業。国内生命保険会社で5年間の生保営業経験を積み、保険業界特化型コールセンターベンダーで企画立案・運用・業務改善を行う。ほか人材ビジネス、テレマーケティング、大手ECモールの事務局代行などの多数の新規事業の立ち上げに携わる。