連載『保険なう』では、保険の世界における旬のトピックスをとりあげて、読者の皆さんに知っていただきたい保険の知識を提供します。

芸能人の方のがんによる急逝やがん告白。高まる「がん保険」の必要性とは?

昨今、女優さんやタレントさんなど、芸能人の方の「がん」による急逝や告白が世間に衝撃を与えるケースが目立ちます。

今や2人に1人が、がんになると言われる時代。

今まで「自分は大丈夫だろう」と考えていた人も、影響力のある人たちのがん告白によって、今一度、自身の健康はもちろん「保険」についての見直しや必要性について考え始めている人が増えているように思います。

特に20~30代の女性からのご相談が増えました。

保険見直し本舗へご相談に来る方だけをみても、9月~10月の期間はその前の期間に比べ、全体の相談件数が約26%、がん保険の契約数については16%ほど増えている状況です。

「がん保険、今のうちに入っておいた方がいいのでしょうか?」

このように、何となく昨今のニュースを見て、「がん保険に加入した方が良いのでは」と思ってご相談に来られる方が多くいます。

がんという病気は、いつ自分に降りかかってくるかわかりません。

"今"というよりは、この先長く生きていれば、病気になるリスクも高まります。

そのため、健康なうちに加入しておくことを勧めますし、健康なうちでないと保険に加入できない、なんてこともあるからです。

そもそも、「医療保険」と「がん保険」の保障範囲はどのように違うのか?

医療保険とがん保険、もちろん保障範囲が重複している部分もありますが、実際にがんになったときに、がんの種類や治療法によっては、医療保険で保障されないということもあるのです。

また、多くの医療保険はそもそも入院しないと給付金が出ない場合がありますが、がん保険の場合は「がん」と診断された時点で給付金を受け取ることができます。

それを、治療費に充てることもできますし、生活費に充てることもできます。

今のがん治療の中には、入院や手術をせずに通院のみで治療を行うこともあります。

このような場合、前述のような医療保険だけだと給付金が受け取れない、ということが起きてしまうのです。

また、先進医療を受けたり、長期治療によって自由診療などを受けるとなると医療費が高額になることもあります。

抗がん剤治療などが始まると、働くことが困難になることもありますし、そういった場合は、治療費だけでなく、ご自身の生活費のことも考えなくてはならないのです。

このように、がんになると起こり得る様々なことを考えれば、がん保険は心強いお守りになるのではないでしょうか。

加入しておいた方が良い「がん保険」。ネット加入の際にはご注意を…

がん保険をはじめ、近頃はネットで保険加入が手軽にできるようになりましたが、実は注意すべき点があります。

例えば、保障内容を細かく把握しないまま、保険料だけを見て契約してしまいがちなケース。その場合、実際にがんになったときに、保障範囲内だと思っていたものが実は保障外だった、ということが起こり得るのです。

また、実際に加入している保険から請求しても範囲外で出なかったというお客様は少なくありませんし、保険に加入するにあたっての自身の"告知"をおろそかにしてしまっていたために、そもそも給付金が受け取れない、ということも過去に事例としてありました。

「がん保険」見直しのタイミングは?

よく言われるのは、家族構成が変わったタイミングです。

男性も女性も、ご結婚されて守るべきものができたときは、特に見直しに良いタイミングだと思います。

あとは、単純に、"気づいたとき"も見直しのタイミングですね。

保険に加入されてから数年経過している方は今一度、保障範囲や内容を確かめる意味でもご相談に来ていただきたいと思います。

まとめ

今や保険は以前のように一方的に勧められて加入するのではなく、スマホや家電などと同じく「そのときの自分に一番合ったもの」をお客様自身が選んでいただく時代なのです。

保険会社の企業努力によって保険商品も次々と新しいものが出てきます。医療の発達や時代のニーズに合わせて、保険も変化するのです。お客様の置かれている状況(生活環境、家族構成、年齢や収入など)も昔に加入したときの状況とは異なっているはず。必要な保障を整理し、内容を見直すことはとても大切なのではないでしょうか?

スマホや家電など新しいものが出ると買い換えを検討される方も多いですよね? 保険もそれと似たような感覚で気軽に相談されることをおすすめします。

<著者プロフィール>

八田ゆみ子

保険見直し本舗 第一事業部 コンサルティングアドバイザー。2013年度、2014年度、2015年度、3年連続MDRT成績資格会員。国内生保で生保営業、支部長業務経験を積み2008年保険見直し本舗に入社。入社後は中部地方の新店舗立ち上げを経て現在は神奈川県を中心に活動。これまで保険相談を行ってきた世帯数は約1,800件以上。