映画館やコンサートホール、舞台公演など、静かな環境で楽しむ“娯楽の場”は、非日常を味わえる場所でもある。そうした時間を楽しみに足を運ぶ人も多い一方で、同じ空間を共有するからこそ、ちょっとしたマナーの違いが周囲の体験に影響してしまう場面も少なくない。
一般社団法コンサートプロモーターズ協会の調査では、近年ライブの動員数や市場規模が拡大し、ぴあ総研のレポートでも、体験型消費や推し活の広がりが背景にあるといわれている。こうした中で、空間の過ごし方や距離感に対する意識の違いが、SNSなどでも話題になることが増えているようだ。
そこで本連載『さすがに無理だった娯楽マナー違反』では、マイナビニュース会員を対象に、「これまで体験、あるいは目撃して“さすがに無理”と感じたマナー違反・迷惑行為”」についてアンケートを実施。その実体験をもとに、漫画化兼イラストレーターの菅原県さんが4コマ漫画として再構成する。思わず「それは困る……」「自分も経験がある」と感じてしまうような違和感を通して、“気持ちよく楽しむための距離感”について、あらためて考えていく。
どうしても許せなかった…ライブ後の“放置”
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今回取り上げたのは、ライブやイベント終了後に見られる“ゴミ放置”の光景だ。多くの人が集まるイベントでは、飲食物の容器やペットボトル、紙類などのゴミが発生するのは避けられない。しかし本来、それらは各自で持ち帰るか、指定された場所に廃棄するのが基本的なルールとされている。それにもかかわらず、会場の床や座席周辺にゴミが残されたままの状態が問題になるケースは少なくない。
近年では大型フェスやスポーツイベントを中心に、来場者自身が清掃に参加する取り組みや、持ち帰りを促す呼びかけも広がっている。一方で、SNSでは落胆の声も多く見られ、マナーに対する意識の差が可視化される場面も増えている。
大勢が同時に動く空間では、「自分一人くらいなら」という意識が生まれやすい。さらに、非日常の高揚感の中では、普段よりも行動への注意が薄れてしまうこともある。しかし、その場を共有していたのは自分だけではない。ほんの一つのゴミでも、それが積み重なれば景色を変え、次に訪れる人の体験を損なってしまう。
ライブやイベントは、出演者だけでなく、観る側も含めて作り上げるものだと言われる。だからこそ、最後まで気持ちよく終えるための行動が、その体験の一部になっているのかもしれない。
娯楽の楽しみ方が多様化する現代において、マナーのあり方もまた一様ではなくなりつつある。配信や個人視聴が広がる一方で、劇場や会場といった“共有空間での体験”は、今も多くの人にとって特別な時間であり続けている。そうした場では、ルールだけでは捉えきれない距離感や受け取り方の違いが、思わぬすれ違いにつながることもあるのかもしれない。ほんの少しの想像や配慮が、誰かの大切な時間につながっていると感じる場面も、少なくないのではないだろうか。こうした一つひとつの感覚の積み重ねが、それぞれにとって心地よい娯楽の時間を形づくっていく――そんな見方もできそうだ。
調査時期: 2026年2月2日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 308人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
