二つ返事で引き受けた

――プロデューサーは「将軍の役はオファーが難しかった。裸になるし、器の大きい人じゃないと」ということをおっしゃってました。

そう思ってもらえたらありがたいですけど、僕は実は役のことをあまり知らない状態で受けたんです。福田さんからオファーがきて、『銀魂』だと思って、「やります」と、二つ返事で受けました。撮影ギリギリだったので「難航したんだろうな」と思いつつ(笑)。後々、ブリーフ姿のシーンなどを知って「なるほど」と思いましたが、僕は全然大丈夫です。前作の『銀魂』も面白かったですし、本気でふざけている映画で好きだなあと思っていました。

――話が来た時点でどんな役でも受けるつもりだったんですか?

連絡があったのが年末で、12月26日くらいだったと思います。「師走〜!!」と思いました。正月旅行の買い物をしていた時で「こんな時期に!? 新年に持ち越したくないんだろうな」と思い、福田さんにもお世話になってますし、出て欲しいと言っていただけるならぜひ、という気持ちでした。

――では、それから将軍という役の深さを知って行ったのですか。

ただ恥ずかしい格好をするということではなく、あくまでも将軍は「民のことをちゃんと考えていて、世の中を知りたい」と思っているんです。だから、ピュアな部分が愛される、好きなキャラクターです。今回も松平片栗虎(堤真一)から言われた通りにしか動いてないし、何が起こってるかわかってないと思います。そこがかわいいな、と思いながら演じました。ただ、自分が狙われる立場にいて周囲に申し訳ないと思っているところもあるし、素敵な将軍です。

  • 徳川茂茂 (C)空知英秋/集英社 (C)2018 映画「銀魂2」製作委員会

    徳川茂茂 (C)空知英秋/集英社 (C)2018 映画「銀魂2」製作委員会

「面白い」をやりすぎない

――勝地さんは、コメディでキャラクターが強い役が多いのかなと思いましたが、何か意識されていることなどはありますか?

コメディをやるときにいつも考えるのは、そのキャラクターがどういう人間なのかということです。コメディが難しいのは、自分が「面白い」ということをやりすぎると、結局面白いこととずれていってしまうと感じています。だから、あくまでも普段のお芝居をする時と変わらないよう、心がけています。要素として、ポップな部分を足してくこともあるけど、「面白いことをやるのではない」と思って演じています。

――今回もそこは意識されていたんですか?

そうですね、あくまでも将軍はピュアに「世にこういう場所があるのか」と思いながら行動するだけで。福田監督からも「ぶれずにいて欲しい」と言われました。

――大河ドラマや時代劇でなく「将軍」を演じるのは珍しいですね。

将軍役は今まで演じたことがないです。原作では後々のシリアスな展開もありますが、今回はそこを出す必要はなかったですが、映画『銀魂』がこの後も続いていって、いつか演じられたら嬉しいです。

――福田監督のここがすごい、と思うのはどのようなところですか?

福田さん自身が原作を愛してることが伝わってくるところが、すごいと思います。前作の『銀魂』の撮影準備中にちょうど福田さん演出の舞台に出演していたのですが、楽屋で「こういうことがやりたくて、こういう役があって」と、本当に楽しそうに話していたことを覚えています。今も、LINEでのやりとりに『銀魂』のスタンプを送ってきてくれるんです。監督のそういうところが、僕はすごく好きですし、だからこそ実写『銀魂』の世界を作り出せるのかなと思いました。

――前作のときも、お話は聞いてたんですか?

「やってほしい役がある」という構想はきいていたんですけど、旬くんが「『銀魂』の撮影に入る」と聞いて、「ふ〜ん、呼ばれてないけど……?」という思いはありました(笑)。少し残念な思いはありつつ、今回やっと参加できたので良かったです(笑)。