以前から何度か紹介しているジミー・ファロンの深夜トーク番組「Late Night with Jimmy Fallon」にマイクロソフト会長のビル・ゲイツがゲスト出演し、世界の貧困撲滅などに取り組む自らの財団(Bill & Melinda Gates Foundation:以下、BMG財団)の活動などいろいろな話をしていたようだ(米国時間21日のこと)。同財団で毎年発行している活動報告書の今年度版リリースに併せての登場、ということらしい。「この活動報告書を視聴者にぜひ読んでもらいたい」と思ったのだろう、下掲のなんともお茶目な(自称)「バイラル・ビデオ」まで制作・公開している。


[Bill Gates' Viral Video: GatesLetter.com]
(GatesLetter.comにアクセスすると活動報告書のページにリダイレクトされる)



[Bill Gates Debunks Myths About Poverty]
(「『世界から貧困はなくならない』というのは誤った俗説(myth)」などと語るゲイツ)



[Bill Gates Talks the Next Big Thing]
(話の途中でジミーがAppleの「Mac Book」をデスクの下にしまい込み、観客に大受け、ゲイツも思わず苦笑い、といったシーンが1分40秒あたりにある)


BMG財団は、ゲイツがマイクロソフトのCEOを退任してから「本業」として運営に取り組んでいる慈善活動団体。Wikipediaのページには「2013年6月末時点の資金が383億ドルもあり、民間の財団としては世界最大」などといった説明がある。またゲイツの親友・ポーカー仲間でもあり、米国の億万長者番付で毎年ゲイツにつづく2位につけているウォーレン・バフェット(バークシャー・ハザウェイCEO。「伝説の投資家」「オマハの賢人」といった形容句がついてまわる人物)が再三にわたって巨額の寄付をしていることでも知られている。下記のForbesの記事には、「バフェットがこれまでにBMG財団に寄付したバークシャー・ハザウェイ株の価値は推定115億ドル」といった記述もみられる(残りの280億ドルが、ゲイツが提供したマイクロソフト株式、ということだろう)。


[Buffett & Gates on Success]
(いつごろ制作されたものだろうか、2人ともーーとくにゲイツがとても若い)


BMG財団の今年の報告書のなかで、ゲイツは「貧困撲滅を妨げる3つの俗説」についてかなり詳しく述べている。具体的には「貧困国はこの先もずっと残り続ける」「貧困国への資金援助は大きな金の無駄遣い」「乳幼児の死亡率低下や医療環境の改善が世界の人口増大につながる」の3つである(内容についての説明は割愛させていただく。残念ながら当方の力量をはるかに超えてしまっているため)。

Re/codeというテクノロジー系ブログ(昨年までAllThingsDと称していた)に今月初めに出てきた記事によると、BMG財団の報告書はビル・ゲイツにとってたいそう重要なものらしい。この発表準備と、それからダボス会議(World Economic Forum)への出席予定があって、1月中はゲイツの身体が空かないため、(ゲイツの意向が大きな影響力を持つとされる)マイクロソフトの次期CEO選びの結果発表は「早くても来月以降になる公算が高い」といった見方も出ているという。

Late Nightには、以前にオバマ大統領さえ出演したこともあったから、世界一の大金持ち(ゲイツのこと)が登場したからといって、それほど驚くべきことではないかもしれない。ただし、この番組が若年層にも支持されていることや、ジミー・ファロンがいまちょっとした「時の人」であることなども考えあわせると、ゲイツに出演を進言したブレーンはなかなかの切れ者といえるかもしれない。

情報参照元

Buffett Donates $2.6 Billion In Berkshire Hathaway Shares to Gates Foundation, Other Charities - Forbes

Microsoft CEO Selection Unlikely to Come in January, as Candidate List Contracts and Expands - Re/code