女優のジェシカ・アルバが共同創業者として関わるThe Honest Compnayとベンチャー企業が、シリコンバレーなどのベンチャーキャピタル4社から2500万ドルの資金を調達した、というニュースが出ていた。
ここ数年は、芸能人がベンチャー企業に投資するのはそれほどめずらしくもない。最近もジャスティン・ビーバーがShots Of Meという若者向けモバイルSNS/写真共有サービスのベンチャーに出資したり、レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア、プロテニスプレイヤーのセレナ・ウィリアムズ、自転車の元世界王者ランス・アームストロングらが出資するMobliというやはり画像共有系のネットサービス企業にビル・ゲイツと「世界一の大富豪」の座を争うカルロス・スリム(アメリカ・モビルという大手携帯通信会社のオーナー)が6000万ドルを出資したことなどがニュースになっていた。ただし、逆のケースというのはあまり耳にしないので、気になって少し調べてみた。
Honest Companyは、身体に優しい(有害物質を使わない)乳幼児向け製品やボディケア製品などを開発・販売する2011年創業のeコマース会社。もともとはアルバが第一子を妊娠した際に気づいた問題ーー紙おむつやベビーオイルの類いでも有害物質を含まないものがほとんど見つからないという不満を解決・解消するために自ら立ち上げた事業だという。
そのあたりの事情についてアルバが語ったビデオも公開されている。子供のアトピーに悩まされた経験を持つ親には説得力のある主張ではないだろうか。
さて。このHonest CompnayでCEO(最高経営責任者)を努めているのが、共同創業者のひとりであるブライアン・リーという連続起業家(シリアル・アントレプレナー)で、そのインタビュービデオがBloombergに出ていた。
動画中に出ているように、リーはこのHonest Companyの前に、靴やアクセサリーを扱うeコマース「ShoeDazzle」を立ち上げていた。キム・カーダシアンを「チーフ・ファッション・スタイリスト」に起用して話題を呼んでいたベンチャーらしい。
ShoeDazzleは今年8月にJustFabというライバル企業に買収されている。「実質的な身売り」という話も散見されるところから察すると、リーとしては「Honest Companyで今度こそ起業家として大成功を収めたい」といったところだろうか。
今回発表した調達資金の使途について Honest Companyは米国外への事業拡大や、製品開発、リアルな流通網への展開(Costcoや小規模な小売店での商品取り扱いについても準備を進めているという)などが挙がっているが、増資のニュースに付き物の評価額などの数字があまり出ておらず、また投資したVCも前回2700万ドルを集めていた時とほぼ同じ顔ぶれ。少なくとも「成長著しく、誰もが投資したがるような会社・事業」というわけではないのかもしれない。
情報参照元
・Jessica Alba’s Subscription Ecommerce Startup, The Honest Company, Closes $25M Round, Led By IVP - TechCrunch
・Jessica Alba's startup, Honest Company, adds $25 million - Fortune
・Honest Co. enters the ecommerce big leagues with a $25M round. Here’s how it got there - Pando Daily