人気タレントのジャスティン・ティンバーレイクが、今シーズンからNBAメンフィス・グリズリーズのマイノリティ・オーナーになることがほぼ決まったらしい。

Timberlake joins bid to buy Grizzlies - AP(Yahoo! News)

ジャスティン・ティンバーレイク Greg Harbaugh / (C)A.M.P.A.S.

芸能・スポーツ界とテクノロジー業界の接近というのは、本連載のテーマのひとつだが、これにピッタリと当てはまるような話が、米国時間7日に伝えられていた。上記見出しの記事がそれで、ティンバーレイクは、6月にグリズリーズを買うことがほぼ決まっていたロバート・ペラ(Robert J. Pera)らの投資家グループに参加することが確実になったという(当事者間では条件合意、あとはNBA理事会等の承認待ち)。ティンバーレイクはメンフィス郊外のミリントンという街の出身とのことで、おそらくブルックリン・ネッツにとってのジェイ・Zと同様の「地元向けの親善大使」みたいな役回りを演じることになるのかもしれない。ティンバーレイクが「いくらくらい投資するか?」といった情報はまだ見当たらない。

この話に関連するいくつかの記事を読んで初めて知ったのだが、グリズリーの事実上の新オーナーになるペラという人物、まだ弱冠34歳(1978年生まれ)ながら一時は10億ドルを超える資産を手にしたシリコンバレーの起業家らしい。大学を出て、アップルで2年ほどハードウェア・エンジニアとして働いた後(WiーFiアクセスポイントのAirMac Stationの開発をしていたとか)、自らユビキティ・ネットワークス(Ubiquiti Networks)という無線通信機器メーカーを立ち上げ、昨年にはこの会社を見事に株式公開させて、一時は推定15億ドルもの資産家になったという。

その後自分の会社の株価が下がり、それにつられる形で資産額も10億ドルの線を割り込んだというが、30歳代でビリオネア、しかも遺産相続などではなく、自分の才覚で(むかしの言葉でいうと)「裸一貫で」というのは世界でも相当珍しいらしく、一部では大きな注目を集めていたようだ(起業家で若いうちにビリオネアになった例というと、最近ではFacebookの立ち上げメンバーの連中……それにグリーの田中氏あたりしか、さっとは思い付かない)。なお、この会社名、ふだんあまりお目にかからないのは、ユビキティの製品がブラジルやインドネシア、それに東欧諸国などの主に新興国市場(電話回線が完備されていない場所)で売られていることと関係があるのかもしれない。

ちなみにメンフィス・グリズリーズの「お値段」は推定3億5000万ドル。大のバスケット・ボール好きで週に4~5回は自分でも練習するというペラにとっては初めての大きな買い物になるようだ。

なお、NBAチームのマイノリティ・オーナーになっているスターには、我らがジェイ・Z(実は全体の1500分の1しか所有していないことが8月半ばに出ていたNYTimesの記事で明らかにされた)のほか、俳優のウィル・スミス(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)がいる。