九州新幹線の終点であり、在来線では鹿児島本線と指宿枕崎線が接続する鹿児島中央駅。2004年の九州新幹線開業に合わせ、西鹿児島駅から駅名が改称された。西鹿児島駅と聞くと、かつての寝台列車の終点というイメージだろうか。現在、新大阪~鹿児島中央間は山陽・九州新幹線「さくら」で4時間強といったところだ。
その新幹線改札内にある「パティオ」は、駅弁店と焼酎バー、そしてうどん・そば店が連なる店舗。麺類を注文する際は券売機でチケットを購入し、カウンターに手渡すスタイルとなっている。
気になるメニューは「豚軟骨うどん・そば」(540円)と「つけあげうどん・そば」(490円)だろう。とろとろに煮込まれた豚軟骨も気になるが、今回はつけあげそばを注文した。
出汁(だし)は透き通った関西風で、あっさりしている。そばにトッピングされている「つけあげ」は、関東で言う「さつま揚げ」で、魚の風味が強くしっかりとした味わい。薄味の出汁によく合っている。
ちなみに、つけあげのルーツは、中国から琉球に伝わったという魚のすり身を揚げた料理「チキアギ」だそう。江戸時代に薩摩にもたらされ、それがなまって「つけあげ」になったといわれている。さらに全国に広がり、関西では「てんぷら」、関東では「さつま揚げ」と呼ばれるようになった。
券売機のメニューに、追加の「つけあげ」(120円)と、それとは別に「おつまみ さつま揚げ」(260円)とあり、別物なのかと聞いてみると「同じもの」だという。新幹線改札内という場所柄、遠方の利用客にわかりやすくするための配慮なのだろうか。
ところで、鹿児島県ではうどん・そばのどちらが主流なのだろうか。店の人に聞いてみると、「とくに、どちらかを意識して多く食べている感じはしない」という。県内の店舗数では、うどん店・そば店はほぼ同数となっているとのことで、おそらくは同じ位置づけなのだろう。
うどんでもそばでも、つけあげはおいしく食べられるし、お土産としても人気。「つけあげうどん・そば」をぜひご賞味いただきたい。