夏に向けて様々な大作ソフトがリリースされます。でも、そんな世間の流れとは関係なく、この連載ではちょっと変わっていて、本当に面白い作品をどんどん紹介し続けていきます。どうか、ついて来てくださいね。

究極のR作品が登場です

テレビドラマの『R15』からでしょうか? それともR指定というレイティングに関する言葉が、世間に認知された頃からでしょうか? とにかく、「Rプラス数字」というタイトルの商品が流行っています。フリーペーパーのR25は大ヒット。懐かしのヒット曲を収録したアルバム『R35』も話題になっています。深夜番組のR30も長く続いていますね。そんなR関連商品の最終兵器とも言えるのが、この『R65』です。

「これって内容よりも、まずタイトルから先に決めたのでは?」という疑惑を感じつつも鑑賞。65歳以上の老人ばかりが活躍するフェイクドキュメンタリー作品です。R65世代の漫画家、カリスマデザイナー、ロックバンド、テクノアーティストなどが多数登場します。年寄りというワンアイデアのみで、全編押し通す強引さが凄い。ド田舎でシンセサイザーを駆使し、テクノミュージックを世界に発信するおじいさんなんて発言がいちいち最高! 「いつも頭の中で音が鳴っていたけど、それを表現する方法を知らなかった」、「共感するアーティストはエイフェックス・ツインさん」とか。ミュージシャンなら普通に言いそうな発言も、おじいさんが言うだけで笑えるというのは、新しい発見でした。

恋愛マニュアル本200冊に勝る恋愛必勝学

『R65』や『温厚な上司の怒らせ方』といった不思議なバラエティDVDを多数企画している企画チーム・ライス。そのライスの中心メンバーで、『ウケる技術』などの著者としても知られる水野敬也が恋愛体育教師・水野愛也として、恋愛必勝法を講義形式で伝授します。慶応大学在学中から、都内各所の路上で「ホメ殺し屋」として話題を集めていた水野氏。彼には、恋愛マニュアル本200冊を読破して参考にするも、まったく役に立たず玉砕し続けた過去があったといいます。そんな彼が独自に生み出した恋愛必勝法は、とにかく無茶で面白いんです。

「ひとりに思い入れを持ちすぎると振られた時のダメージが大きい。常に数人の女性を口説いて思いを分散しろ」、「女性が欲しいのは、本当の優しさじゃなくて、目に見える表面上の優しさ」、「もてない男の勝機は酒の席だけ」、「それ、大変じゃねえ? という言葉を多様して、存分に女に愚痴らせろ」、「合コンでは監督(幹事)の意のままに動く選手であれ」など、無茶な発言連発ですが、実は当たっている事も多く、笑ってばかりもいられません。おまけに、彼の巧みな講義と共に聞くと、ほとんど全て納得できてしまうから不思議です。

予備校の人気講師の授業とか、高級羽毛布団の即売会って、こんな感じなんだろうなあと思わせます。続編の『ディープ編』も8月に発売になるそうで、楽しみです。

恋愛体育教師 水野愛也のスパルタ恋愛塾 ソフト編
ポニーキャニオン
7月18日発売 3,000円

逃げるだけで、ここまで魅せる

深夜枠で不定期放送されていたサスペンス・バラエティがDVDで登場。"サスペンス・バラエティ"というジャンル名は釈然としませんが、内容は豪華で見ごたえのある鬼ごっこです。追う側は、ヘリコプターまで飛ばして、逃げる芸能人たちを追い詰めます。

限られたエリア内を、複数の芸能人たちがただ逃げるというシンプルなルール。1秒逃げ延びるごとに100円単位でどんどん加算されていく賞金。ルールも設定もシンプルなのに、とても面白いです。ただの鬼ごっこでなく、自首する事により最後まで逃げ切らなくてもお金をゲットできたり、携帯電話をツールとして、様々な指令や情報が逃走者たちに発信されたりと、"殺人のない『バトル・ロワイヤル』"的な側面もあります。

ただ、ハンターたちが、あまりにも映画『マトリックス』のエージェントを意識しすぎているのが、ちょっとどうかと思いました。音楽も映画『ラン・ローラ・ラン』ですし。第1回大会に参加した保坂尚輝が、逃げずにジッと木の上に潜んでいるという奇策で勝利した姿には、後の出家宣言に繋がる何かが感じられました。

逃走中 run for money
発売フジテレビ映像事業本部ポニーキャニオン 7月18日発売 3,990円

やっぱり、みんなキスしたいんですね

深夜バラエティー『ゴッドタン』の人気企画をDVD化したのがこの作品。内容は、「キスしたいのを、必死で我慢する」というだけ。老人、恋愛、鬼ごっこと来てお次はキス。今回はあきれるほどにワンアイデアのみで全編突き進む作品が多いです。

ルールは本当にシンプル。キスを迫ってくるセクシー美女の誘惑を、おぎやはぎ、バナナマン、劇団ひとりといった芸人たちが必死でかわすというもの。こう書くとシンプルですが、本当にそれだけの作品です。

芸人たちにキスを迫ってくるのは、現役の美しいAV女優たち。セクシーな表情や声で、芸人を惑わせます。キスしたい欲望を我慢しきれずに、涙や鼻水を垂れ流す芸人たち。それを指ですくい取り舐めさせるAV女優。この無意味にセクシーな攻防に、こちらも意味なく手に汗握ります。服を脱がず、肌も見せずに、観る側にここまでエロを感じさせ、なおかつ笑わせるなんて素敵です。

おまけ映像の「口ゲンカドライブ」も見ごたえあります。おぎやはぎの小木とグラビアアイドルたちが、ひたすら罵り合いながらドライブするという、タイトル通りの内容です。

ゴッドタン キス我慢選手権
発売テレビ東京・販売ポニーキャニオン
7月18日発売 3,990円

やっぱり最強のU15アイドルです

最後は、可愛く締めましょう。「U-15アイドル」という言葉をご存知ですか? 2005年ぐらいから、アイドルの低年齢化が急速に進み、様々な15歳以下のセクシーアイドルがメディアに登場しました。その中でも注目を集めていたのが「Fカップ小学生」という肩書きでブレイクした入江紗綾ちゃん。史上最年少で週刊プレイボーイの表紙を飾るなど、様々な偉業は成し遂げた紗綾ちゃんも、もう14歳。もうすぐ大人です。

つい胸ばかりが話題になりがちな紗綾ちゃんですが、アイドルとしてかなりの素材です。顔、かなり可愛いです。この作品での立ち位置も、完全に正統派アイドルなので、エッチ過ぎる視点では入り込めません。タイトル通りのピュア・スマイルを、邪念なしに楽しめました。でも、何回も50メートル走や反復横飛びをやらされる紗綾ちゃんの映像を見ていると、どうしても豊か過ぎる胸に目が行ってしまいます。本当に申し訳ない。反省の念を込めて、これからも紗綾ちゃんの成長を、見守っていきます!

入江紗綾 ピュア・スマイル
竹書房
7月20日発売 3,990円

熊方雄二(コミュニティ・アド)

雑文ライター。週刊誌・WEBなど、様々な媒体で活動中。どんな仕事でも引き受けるのが身上。またどんな状況でも楽しみや喜びを見つけるというのが特技。どんな作品の中にも、素敵な部分を見つけ出し、伝えていきたいです。