足元からぽかぽかと温めてくれる「こたつ」。家族団らんにも欠かせない冬の暖房器具として、昔から愛されてきました。ところで、こたつはどのくらい電気代がかかるのでしょうか。使う頻度が高いと、気になりますよね。そこで本稿では、こたつの1カ月の電気代やその計算方法、電気代を節約する方法をご紹介します。

  • こたつの電気代はいくら?

こたつの電気代はいくらかかる?

<こたつは意外な省エネ家電>

こたつには、床を掘り込んで底にヒーター(もしくは、豆炭など)を設置する「掘りごたつ」と、テーブルの下にヒーターを取り付ける「やぐらこたつ」の2種類があります。ここでは、一般的に使われているやぐらこたつの電気代を見ていきましょう。

こたつと言えば、「強・弱」のシンプルな温度設定が特徴ですよね。このうち、「強」は1時間あたり約5~6円、「弱」は1時間あたり約2~3円が電気代の目安となります。こたつには内部にヒーターが付いているため、かなり電気を使いそうなイメージがありますが、実際にはそこまでではありません。

こたつは、敷布団や上掛け布団により密閉空間ができ、その限られたスペースを暖めるだけなので、すぐに温度を上げることができます。さらに、暖かさが持続するので、実は、とても効率的な暖房器具なのです。

<こたつの電気代の計算方法>

意外にも省エネ家電であるこたつですが、その電気代は計算式で割り出すこともできます。こたつの電気代は、

消費電力(W)÷1000×使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)

という式で計算します。たとえば、4人以上用の大型こたつの消費電力なら、500~600W程度です。ただし、これはこたつが暖まるまでにかかる消費電力。そのため、実際は「強」で200~300W程度、「弱」で100前後とされています。

仮に、「強」運転だと200Wの電力を使うこたつを1時間使用し、1kWhあたりの電気量料金が27円の場合、「200W÷1000×1時間×27円/kWh=5.4円」となります。「弱」運転なら、その半分の2.7円です。

さらに、こたつは一定の温度に達すると自然にヒーターが切れる仕組みとなっています。最近では、人の動きがないと自動でヒーターが切れる機能を備えているこたつも。そのため、こたつをある程度長い時間使ったとしても、やたら電気代が高くなるということはありません。弱運転で1日6時間、毎日使ったとしても、電気代は1カ月約502円です。

長時間使ってもたったこれだけの電気代しかかからないのは、嬉しいですよね。たとえば、エアコンの電気代(6畳の部屋を暖める場合)は1時間あたり約16円ですので、こたつの弱運転だと、それの約6分の1で済むことになります。

こたつの電気代を節約するには?

便利な暖房器具が進化しても、「やっぱり冬はこたつが一番!」という人も多いのではないでしょうか。こたつは、長く入っても電気代が跳ね上がるという心配はありません。それでも、工夫することで電気代が節約できるなら、安心して利用できますよね。こたつの電気代を節約する方法をまとめてみました。

1.カーペットやラグ、敷布団を敷く

昔は畳の上で使うのが当たり前だったこたつですが、最近では、フローリングの上で使用することも多いでしょう。しかし、フローリングの上に何も敷かずにこたつを設置すると、どんどん熱を逃がす原因に。こたつを設置する場合は、フローリングでも畳でも、まずはカーペットやラグ、敷布団を敷き、その上にこたつを置くようにしましょう。さらに、フローリングとの間に断熱シートを敷くと、さらに効果が増します。

2.「弱」設定で使用する

こたつの電気代は、「強」と「弱」で2倍近くの開きがあります。そのため、電気代を節約するなら、「弱」設定で使用するのが効果的です。カーペットやラグ、敷布団を敷けば、ずっと弱のままでも充分暖かくなります。

3.こたつの大きさに合う上掛け布団を使う

こたつに対して上掛け布団が小さ過ぎると、隙間から内部の熱が逃げて冷えてしまいます。上掛け布団は、こたつの大きさに合うものを使いましょう。上掛け布団の大きさの目安は、こたつの大きさ+110㎝以上。脚の長いこたつの場合、さらに大きめの布団にしておく必要があるでしょう。

4.エアコンと併用する

こたつは、腰から下を温めるには最適ですが、部屋全体を暖めることはできません。部屋が寒い時には、エアコンなど他の暖房器具も使いたいですよね。こたつとエアコンを併用すると電気代が心配ですが、こたつを使用しているなら、エアコンの設定温度はあまり高くしなくても快適に過ごせるでしょう。エアコンは、設定温度を1℃下げると、約10%の節電効果があると言われています。「弱」運転のこたつと設定温度低めのエアコンで、電気代を節約しながら我慢せず暖を取りましょう。

こたつを活用して暖かな冬を

家族で囲むことも多いこたつ。こたつ内部のぬくもりに加え、布団の温かさも嬉しいものですよね。電気代もさほど高くないため、「またこたつを使ってみようかな」と思った人もいるのではないでしょうか。今年の冬は、久々に寒くなると言われています。うっかり電源の切り忘れには注意しつつ、こたつを活用して暖かな冬を過ごしましょう。