私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

寿命が延びるほどお金がかかる"長生きリスク"

取材をしていて、最近、よく耳にするのが「老後のお金が心配……」という話。老後のお金のことを心配し始めると、いくら貯金があっても足りないような気がしてくるものです。仕事をリタイアしたあと、年金だけで生活費がまかなえるという人は、どれくらいいるのでしょうか?

"長生きリスク"にご用心(画像はイメージ)

生活費は何とかなっても、シニアライフを楽しもうと思えば、旅行や趣味にお金をかけたいもの。そんな余裕のお金だけではなく、高齢になって、自分に介護が必要になったとき、何かと頼りになるのは、やはりお金。お墓の中までお金を持っていくことはできない……とはいうものの、お墓の外ギリギリまでは、お金の不自由なく暮らしたいものです。

最近は「長生きリスク」といって、寿命が延びるほど老後に必要となる蓄えが多くなるとまでいわれています。

今は65歳~70歳まで現役の時代です

老後にかかるお金の不安を解消するひとつの方法が、長く働くことです。サラリーマンの人は、今勤めている会社の処遇に満足しているなら、長く働けるように"会社に必要とされる人材"を目指すこと。先々、転職を考えている人は自分のキャリアの強みを再確認してみるのもいいかもしれません。

キャリアコンサルタントが勧めるのは、(1)これまで経験した仕事を書き出す、(2)キャリア歴を振り返って、「好きな仕事と好きではない仕事」「得意な仕事と不得意な仕事」「高い評価を得た仕事とそうでもなかった仕事」をチェックする、(3)自分のスキルの市場価値を調べてみる、などです。

今のところ、60歳定年としている企業が多いですが、平成25年4月から「高年齢者雇用安定法」により、定年後も働くことを希望する社員は65歳まで継続雇用することが義務づけられました。60代はまだまだ若い。その気になれば70歳、いえ、それ以降だってもっと働けます。

60歳以降も働き続けるとメリットあり

勤務先で厚生年金に加入すれば、65歳以降に受け取る年金額が増えます。しかも、厚生年金の保険料は勤務先会社との折半なのでお得です。

また、会社の健康保険には、病気やケガのときに受け取ることのできる「傷病手当金」があります。自営業の人が加入する「国民健康保険」にはない手当金なので、会社の健康保険の方が有利です。

雇用保険に5年以上加入している場合、60歳以降も働いて給与が減ったら、雇用保険から「高年齢雇用継続給付金」を受け取れます。60歳前の給与に比べてどのくらい減ったかによって、受け取れる金額は異なります。

「長生き不安」なんていうイヤなことを吹き飛ばすためにも、長く働く計画を今から考えておく方が得策かもしれません。


村越克子
フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。