経済的な理由などで、共働きをしながら子育てをしているという家庭は多い。男性が育児参加をすることで、家族の絆がより深まったなどの話もよく耳にする。その一方で、職場の環境などが整わず、男性が育休を取ることがなかなか難しいという現実もあるようだ。 この6月に育児・介護休業法が改正され、令和4(2022)年4月1日から段階的に施行することが決定した。これにより今後、より男性が子育てに参加しやすくなることが期待されている。特に、これから主体的に育児をしていきたいと思っている男性にとっては朗報かもしれない。
そこで今回は、子どものいないマイナビニュース男性会員501人を対象にアンケート調査を実施。「もし子どもが生まれたら、育休を取得したいと思うか」などを聞いた。
Q.もし将来お子さんが生まれたら、育休を取得したいと思いますか?
「はい」(79.2%)
「いいえ」(20.8%)
Q.取得しようと思わない理由について、近いものをすべて選んでください(複数選択可)
1位「収入を減らしたくない」(40.4%)
2位「昇進・昇格・評価に影響しそうだから」(26.9%)
3位「育休を取得しづらい職場だから」(25.0%)
4位「仕事から離れたくないから」(23.1%)
4位「必要性を感じないから」(23.1%)
6位「その他(自由回答)」(3.8%)
Q.もし将来お子さんが生まれても、育休を取得しようとは思わない理由について、具体的に教えてください(自由回答)
■「収入を減らしたくない」
・「給料が減るから」(46歳/物流・倉庫/販売・サービス関連)
・「育休の間、収入が減るから」(41歳/インターネット関連/IT関連技術職)
・「収入が減ったり、昇進に影響がありそう」(24歳/海運・鉄道・空輸・陸運/販売・サービス関連)
■「昇進・昇格・評価に影響しそうだから」
・「休むと会社での自分の必要性や存在感が薄れるから」(45歳/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
・「復帰後に同じように働ける自信がない」(46歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「職場から一時的に離れると、もう戻れないかもしれない」(41歳/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「会社に迷惑がかかるし、自分の仕事がなくなりそう」(38歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「一時的に職場から離れることで将来の出世に影響が出そうだから。現在のところ親族が面倒を見てくれそうなので、必要なさそう」(44歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
■「育休を取得しづらい職場だから」
・「職場から離れることが難しい仕事だから」(44歳/その他/その他・専業主婦等)
・「職場の雰囲気が取得を許さなそう」(42歳/リース・レンタル/営業関連)
・「職場の理解が得られなさそう」(26歳/官公庁/公共サービス関連)
・「周りに育児休業をするという認識がないので」(47歳/広告・出版・印刷/その他・専業主婦等)
・「取ることが難しく、いろんなところで影響があるため」(40歳/化粧品・医薬品/営業関連)
・「周りの目が気になる。戻ってきたら嫌な思いを受けそう」(38歳/ホテル・旅館/販売・サービス関連)
・「個人的には取りたいが、仕事の都合がなかなかつかない。また、長期間職場から離れられない」(41歳/その他/事務・企画・経営関連)
・「職場を離れることで、周りに迷惑がかかるから罪悪感がある。戻ってきたときにスムーズに仕事に戻れなくなる」(46歳/医療・福祉・介護サービス/営業関連)
・「自営なので休めない」(45歳/環境・リサイクル/事務・企画・経営関連)
■「仕事から離れたくないから」
・「仕事に穴を開けたくないから」(37歳/コンピューター機器/技能工・運輸・設備関連)
・「仕事の勘が無くなる。薄れていくのが怖い」(45歳/ドラッグストア・調剤薬局/販売・サービス関連)
■「必要性を感じないから」
・「育休を取らなくても、なんとかなりそうに思える」(41歳/食品/営業関連)
・「親と同居ゆえ、親が率先して面倒を見ると思う」(41歳/教育/クリエイティブ関連)
・「祖父母などが手伝ってくれるから」(43歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「早退して育児を行う」(48歳/不動産/営業関連)
・「自分が育休を取らなくても、家族に負担をかけないシステムや経済的支援をする」(37歳/フードビジネス/その他・専業主婦等)
Q.どうしたら育休を取得したい・取得できると思いますか?(自由回答)
■「育休取得を義務化する」
・「義務化する。育休取ったら奨励金が出る」(41歳/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)
・「強制力がある法律があればいいと思う」(36歳/食品/技能工・運輸・設備関連)
・「国の義務化と職場での義務化が進めば」(42歳/専門店/事務・企画・経営関連)
・「取得しないことでのペナルティが課せられるレベルの義務化」(44歳/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
■「育休を取りやすい環境や体制を整える」
・「周りのフォローを厚くできれば」(48歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「上司や幹部クラスが取得すれば、取りやすい」(45歳/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
■「社会や周囲の理解を進める」
・「職場の理解が必要不可欠」(41歳/教育/クリエイティブ関連)
・「みんなが取得できる雰囲気」(40歳/ホームセンター/販売・サービス関連)
・「社会環境が変わったら」(44歳/教育/専門サービス関連)
・「意識改革が必要かと思います」(40歳/化粧品・医薬品/営業関連)
■「金銭的なサポートをする」
・「会社がそれなりに手当てすること」(44歳/輸送用機器/その他技術職)
・「休暇を取得しても給料が減らない」(46歳/物流・倉庫/販売・サービス関連)
・「育休の間も給料が満額支給されるならば」(41歳/インターネット関連/IT関連技術職)
・「取得したほうが得(地位保証、育休手当など)になる制度があったら」(43歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
■「その他」
・「社長が交代して、若い人が社長になれば変わると思う」(47歳/食品/販売・サービス関連)
・「復帰に向けたリハビリ期間があれば」(46歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
Q.育休を取得するにあたって最も大変そうだと思うことは何ですか?(自由回答)
■「周囲の無理解」
・「周りに育休を取った人がいない」(48歳/繊維/技能工・運輸・設備関連)
・「まず有給消化を、と言われそう」(38歳/コンピューター機器/技能工・運輸・設備関連)
・「周りに白い目で見られそう」(45歳/その他/その他・専業主婦等)
・「周囲の人に理解してもらうのが難しそう」(49歳/医療・福祉・介護サービス/公共サービス関連)
・「男性なので、会社が容認しないと思う」(45歳/その他メーカー/その他・専業主婦等)
・「日本では、男性が育休を取るのは中々理解してもらえなさそう」(46歳/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「上司が昔の人なので、価値観の違いから育休取得が難航しそう」(27歳/食品/技能工・運輸・設備関連)
・「やはり、『育児は母親がやるもの』という先入観を持った上司が多そうなので、まず育休の必要性について納得してもらうのに時間がかかりそう」(48歳/食品/その他技術職)
・「職場の理解がどれくらいあるか。いま現在そうしてる人に陰口が結構ある。オモテだって言われないだけで仕事のしわ寄せは絶対あるわけで、仕事を押し付けられた方は良いと思うわけがない」(48歳/精密機器/メカトロ関連技術職)
・「同僚に育児休暇を取得しようとした人がいました。会社側は表向きは歓迎の向きを示していましたが、内実は取得して欲しくないとの考え方があからさまで、同僚は見えない圧力を受けて、結果、取得を自ら辞退しました。中小企業の現実はそんなものです」(49歳/ホテル・旅館/事務・企画・経営関連)
・「フリーランスで働いているので、クライアントの理解が得られなそう」(45歳/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)
■「仕事の調整や引き継ぎ」
・「スケジュール調整や引継ぎ」(49歳/化粧品・医薬品/技能工・運輸・設備関連)
・「仕事の人員に余裕がなく、休みが取れなさそう」(47歳/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)
・「顧客との作業時間の調整」(49歳/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「今抱えている仕事を前倒しで終わらせなければならないこと」(49歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「やはり仕事への影響が心配なので、社内調整が難儀しそうです」(49歳/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「会社に育休を取得する男性は聞いたことがないので、人手不足になり仕事場との調整が大変そうです」(37歳/ビル管理・メンテナンス/その他・専業主婦等)
・「休暇に入るに際しての、途中の仕事の引き継ぎ。周りの理解」(41歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「仕事の調整が大変だと思います。もちろん上司や部下に理解してもらうことは大切ですし、取引先との兼ね合いもあります」(35歳/不動産/専門職関連)
・「職員の人数が足りていない職場であるため、育休を取得することにより周りの職員に迷惑を掛けてしまうこと」(36歳/官公庁/公共サービス関連)
・「会社の同僚に迷惑がかかってしまうのではないかと感じてしまいます。そのため、実際は申請しづらいと思っています」(45歳/その他/専門職関連)
■「育休後の職場への復帰」
・「キャリアが中断されてしまうこと」(39歳/通信関連/事務・企画・経営関連)
・「仕事をしない期間があるので不安になる」(40歳/海運・鉄道・空輸・陸運/販売・サービス関連)
・「仕事を離れてから再開するときの体力的、仕事環境等のブランク」(43歳/サービス/その他・専業主婦等)
・「育休期間のブランクを復帰後、すぐに埋めることが出来るかです」(42歳/海運・鉄道・空輸・陸運/営業関連)
・「職場復帰したときの仕事への取組み。現場を離れることで、いろいろと忘れてしまいそう」(43歳/教育/専門サービス関連)
・「他の人との仕事の調整が難しそう。復帰した時のキャッチアップ時にも迷惑がかかりそう」(34歳/教育/専門サービス関連)
・「非正規雇用で立場が弱いので、休んでいる間に他の人に仕事を取られたら、自分の居場所が無くなるかもしれない」(43歳/ガラス・化学・石油/その他技術職)
■「育休制度が整備されていない」
・「勤め先に制度がないので、理解されそうにない」(47歳/その他メーカー/技能工・運輸・設備関連)
・「会社内に規定が設けられていない場合、承諾を得るのが難しそう」(30歳/食品/その他・専業主婦等)
・「会社が育休を取れる様な体制を確立することをやらない。仕事の引き継ぎが難しそう」(48歳/通信関連/IT関連技術職)
・「前例がないので取れるかどうかが心配である。また、職場にいられなくなる雰囲気になりそうで、取得しにくい」(45歳/専門店/販売・サービス関連)
・「国が大企業や公務員などだけに育休制度を設けるのではなく、中小零細企業にも制度を義務づける(取りたくても制度自体がない会社が多い)」(48歳/建設・土木/事務・企画・経営関連)
■「育休取得のための手続き」
・「会社へ申請して、許可がおりるまで時間がかかりそう」(43歳/建設コンサルタント/専門職関連)
・「会社との交渉が大変そう。周りも認めてくれるかわからない」(45歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「周りの目が気になる。各種手続きが大変そう」(24歳/医療・福祉・介護サービス/その他・専業主婦等)
・「仕事の調整と、日給計算の場合その間の給与がどうなるのか、交渉等が大変そう」(49歳/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
■「収入面の不安」
・「会社の雰囲気で無理。取ったら給料減らされる」(48歳/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「希望するタイミングから育休が取得できないため、有給休暇を消化することになりそう」(37歳/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「自営業なので、やらなかった分の補填が大変」(43歳/繊維/技能工・運輸・設備関連)
Q.どうしたら育休を取得しやすくなると思いますか?(自由回答)
■「育休取得を義務化する」
・「育休を申請したら確実に取れるように、国が罰則などを設ける」(35歳/その他/クリエイティブ関連)
・「子どもができたら、最低〇日間は強制休暇にする」(44歳/電力・ガス・エネルギー/事務・企画・経営関連)
・「出産の報告があれば自ずと取らねばならない、というルールを設けること」(43歳/教育/専門サービス関連)
・「国の法律で義務化して、取得しなかったら罰則があるようにする」(38歳/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「公的に企業側の義務にして、取得妨害に関しては罰則を設ければいい」(48歳/セキュリティ/その他・専業主婦等)
・「育休の義務化をすること。違反した企業はハローワークで求人できないようにする」(29歳/日用品・雑貨/営業関連)
・「育児休暇が義務化などで強制力があれば、会社や同僚に手間をかけさせることなく、気兼ねなく育休を取ることが出来るのではないでしょうか」(42歳/その他/IT関連技術職)
・「義務化すること、上の人間が積極的に取る姿勢を見せること」(33歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
■「育休を取りやすい環境や体制を整える」
・「普段から仕事を手分けして行うこと」(41歳/銀行/営業関連)
・「短期で数回に分ければ、支障も最低限になりそうだと感じました」(40歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「日々の業務で、育休が前提とした取り組みがあれば良いと思う」(47歳/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「社内の育休取得率を上げ、取りやすい環境を整備すること」(30歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「人手不足で仕事が回らなくなる事態を避けるために、いつでも人材を補強できる体制があると良いと思います」(45歳/その他/専門職関連)
・「誰が抜けても仕事がまわる仕組みづくり。穴埋めができるなら、取る側もフォローする側も気が楽になる」(31歳/官公庁/事務・企画・経営関連)
・「完全な育休ではなく、リモートワークや時短とうまく組み合わせた制度作り。数日でも完全なブランクを作らないで、周囲の仕事の状況把握を常にキャッチアップできるように」(34歳/教育/専門サービス関連)
■「社会や周囲の理解を進める」
・「そういう文化が広まれば」(39歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「職場での取得率が上がったら。理解のある上司なら」(33歳/海運・鉄道・空輸・陸運/営業関連)
・「職場の理解と取得率が向上したら、取得しやすくなると思います」(40歳/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「取ろうと思う人が増えること。取ることが『さも当然』という空気の醸成」(32歳/輸送用機器/メカトロ関連技術職)
・「他の人も同様に育休を取得するようになれば、取得しやすくなると思う」(31歳/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「企業経営者の考え方が変わらないと厳しい。あとは、ブラック管理職を減らさないといけない」(42歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「社会全体にゆとりが必要! 日本での仕事は昭和体質のまま。低価格なのに納期や品質にうるさい。仕事にゆとりがぜんぜんない」(41歳/広告・出版・印刷/営業関連)
■「制度の周知を徹底する」
・「会社として、育休取得を奨励することに尽きるのではないでしょうか」(49歳/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「自社のウェブサイト上に、育休を取得した男性従業員をロールモデルとして紹介する」(48歳/食品/その他技術職)
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■「金銭的なサポートをする」
・「取得義務化は難しいとしても、労使双方になにかインセンティブを与える制度の導入」(48歳/サービス/事務・企画・経営関連)
・「義務化に伴う助成金等、零細企業でも必ず履行出来る仕組み作り。その為の政治判断と法制化」(49歳/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「自営業なので正直、自身の会社で自由にできるのですが、育休の制度自体はないです。職員が10人未満の零細なので。補助金が出る、税制優遇があるのであれば検討します」(35歳/教育/公共サービス関連)
■「その他」
・「女性の経営者が増えれば、取得することが当たり前になると。頭の固い男性経営幹部が居座る間は、なかなか取得率は上がらないと思います。なので上場企業の経営幹部の女性比率が向上すれば」(35歳/不動産/専門職関連)
・「大企業や公務員にお勤めの方々は容易に取得でき、会社も取得歓迎なのでしょうが、中小企業では表向きとは裏腹に、取らせたくないのが本音です。義務化しても、有給休暇同様に机上の空論になるのがおちです。無意味だと思います」(49歳/ホテル・旅館/事務・企画・経営関連)
Q.改正育児・介護休業法の成立で男性が育休を取りやすい環境が整備される見込みです。次のうち、あなたが最も効果的だと思う施策はどれですか?
1位「育児休業の取得状況の公表義務付け」(28.1%)
2位「男性版産休の創設(子どもの出生後8週間以内に4週間まで取得することができる出生時育児休業。分割取得や休業中の就業も可能)」(25.1%)
3位「環境整備や周知・意向確認措置の義務付け(男女問わず、事業主から個別に育児休業制度を周知・取得の意向を確認することが義務化される)」(19.4%)
4位「育児休業の分割取得(育児休業(出生時育児休業を除く)について、分割して2回まで取得することが可能)」(15.8%)
5位「有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和(「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」という要件の廃止)」(11.6%)
Q.その選択肢を選んだ理由について具体的に教えてください(自由回答)
■「育児休業の取得状況の公表義務付け」
・「取得可視化で社会評価を受けると、自然と改善される」(39歳/人材派遣・人材紹介/専門サービス関連)
・「取得状況の公表義務化になれば取得率が上がっていき、取得が一般的になっていくと思う」(45歳/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「大手の企業は情報を開示することで、企業イメージにつながると思うので」(42歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「この国では何かを義務付けないと動かないので、公表するという行為が効果的だと思う」(41歳/その他/事務・企画・経営関連)
・「育児休業への必要性を会社に働きかけるような空気があれば、仕事に支障が出ないと思ったので」(47歳/広告・出版・印刷/その他・専業主婦等)
・「会社が外部に公表することにより、労働基準署にも相談しやすくなる」(31歳/その他/その他・専業主婦等)
・「義務化しても会社が受け入れなければ取得できず、それを公開することで会社にプレッシャーをかける」(41歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「公表すれば、会社も多少は社会の目を気にして育休を推進すると思う」(49歳/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「会社の後押しがあれば育休が取得しやすい。また自分がロールモデルとなって、会社の他の同じような境遇の人も育休をとりやすくしたい」(48歳/食品/その他技術職)
・「義務にでもしなければ企業の論理、都合を押し付けるに決まってるから(義務にしたところで、抜け道を探すか無視するかだろうけど)」(48歳/セキュリティ/その他・専業主婦等)
・「法律上で、企業側に取得させるのを義務化させるのが最も現実的なのかと思います。企業側に縛りをつけないと、いつまで経っても取得は夢のまた夢で終わります。俗に言うザル法です、所詮そんなものです」(49歳/ホテル・旅館/事務・企画・経営関連)
■「男性版産休の創設」
・「男性向け育休制度の創出という点で、インパクトがもっともありそう」(48歳/サービス/事務・企画・経営関連)
・「会社で育休がもっと浸透してきてくれると、より育休を取得しやすくなると思った」(33歳/生命保険・損害保険/営業関連)
・「仕事の調整がつきやすくなり、周囲の人間への負担も最小限にできそうな道が開ける」(34歳/教育/専門サービス関連)
・「会社が推奨してくれるとすごく取りやすくなると思うし、働き方改革につながると思います」(40歳/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「分割取得も可能であれば間口がぐっと拡がり、育休取得出来る層が増えると思った」(49歳/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「取得しやすそうだと思った。義務化にすると、子どもを産むこと自体が悪いという風潮になりかねない」(44歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
■「環境整備や周知・意向確認措置の義務付け」
・「義務化することによって、心理的な抵抗感が軽減される効果があると思われるため」(31歳/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「とりあえず、ある程度強制的に進めていかないとなかなか進展しないと思う」(39歳/海運・鉄道・空輸・陸運/販売・サービス関連)
・「育休自体が周知されなければ導入、法整備もありませんから、まず周知徹底をした方がいいと思います」(35歳/教育/公共サービス関連)
・「育休が義務化されて会社自体が育休を推奨していれば、分割して育休を取れるので周りの仕事の負担も減るし、わかりやすくなるのでは、と思いますね」(48歳/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「会社側から率先して育児休業を案内してくれれば対応しやすい。実際は難しいと思うが」(46歳/専門店/販売・サービス関連)
・「自分から申請するのではなく、会社側から育休の通知をしてくれれば取得しやすい」(49歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「取得したい本人から話題にするより、会社から意向確認をされればYES・NOで返事が出来るから話しやすくなると思います」(33歳/海運・鉄道・空輸・陸運/営業関連)
・「生きていくには働かなくてはなりません。と言うことは働く環境の理解が1番です。ただ、国が定めるだけではいい環境になるとは言えません。会社毎に変わろうとする意思表示があってこそ、安心して仕事を引き継げる。すなわち育児に専念できると考えます」(30歳/サービス/専門サービス関連)
■「育児休業の分割取得」
・「一定期間よりは、フレキシブルなほうが都合が良さそう」(41歳/輸送用機器/IT関連技術職)
・「仕事に波があって、取りやすい時期と取りにくい時期があるため」(40歳/輸送用機器/事務・企画・経営関連)
・「取得への後ろめたさを払拭することこそ重要だと思います」(49歳/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「閑散期に取得することで、周りの職員に迷惑が掛かるのを最小限に抑えられそう」(36歳/官公庁/公共サービス関連)
・「一気に長期間休むと職場環境へのブランクが生まれる。また、育児期の重要さも個人によって違うと思うから」(43歳/サービス/その他・専業主婦等)
・「分割であれば同じ職場のチームとの調整ができて、迷惑を最小限に抑えることが出来そう」(45歳/通信関連/事務・企画・経営関連)
■「有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和」
・「条件が緩和されれば、取る人も増えるだろうから」(41歳/インターネット関連/IT関連技術職)
・「有期雇用者にも取得を推奨することで、取得しやすくなると思う」(39歳/官公庁/公共サービス関連)
・「非正規雇用など、立場の弱い人が不利にならないようにすることが必要だと思う」(43歳/ガラス・化学・石油/その他技術職)
・「有期雇用は契約更新時期と休暇が重なると、そのまま契約終了となる可能性が高いから」(44歳/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「他にも選択したい選択肢はあったのですが、産休所得条件に労働時間制限が無ければ取得しやすいのではないかと思ったからです」(42歳/その他/IT関連技術職)
■総評
調査の結果、子どものいないマイナビニュースの男性会員のうち、もし将来子どもが生まれたら、育休を取得したいと思うかを聞いたところ「はい」が79.2%、「いいえ」は20.8%と、ほぼ8割が育休を取得したいと回答した。ちなみに、子どものいるマイナビニュースの男性会員のうち、子どもの誕生にあたって育休を取得した人は31.4%にとどまっている。
育休を取得しようと思わないと答えた人に対して、その理由を聞いたところ(複数選択可)、1位は約4割の支持を集めた「収入を減らしたくない」(40.4%)だった。以下、2位「昇進・昇格・評価に影響しそうだから」(26.9%)、3位「育休を取得しづらい職場だから」(25.0%)、4位「仕事から離れたくないから」「必要性を感じないから」(各23.1%)と続いている。
ここで、子どものいるマイナビニュースの男性会員が育休を取得しなかった(取得しようと思わない)理由と比べてみると、1位「育休を取得しづらい職場だった」(42.9%)、2位「必要性を感じなかった」(32.9%)、3位「収入を減らしたくなかった」(23.0%)、4位「仕事から離れたくなかった」(15.2%)、5位「昇進・昇格・評価に影響すると思った」(12.2%)となり、順位に大きな違いが見られる。
どうしたら育休を取得したい・取得できると思うかを聞いたところ、主な回答として「育休取得を義務化する」「育休を取りやすい環境や体制を整える」「社会や周囲の理解を進める」「金銭的なサポートをする」などが挙げられている。
続けて、育休を取得するにあたって最も大変そうだと思うことを訊ねた。ここでの回答は、「周囲の無理解」「仕事の調整や引き継ぎ」「育休後の職場への復帰」「育休制度が整備されていない」「育休取得のための手続き」「収入面の不安」などが目立っている。
どうしたら育休を取得しやすくなると思うか、という問いに対しては、「育休取得を義務化する」「育休を取りやすい環境や体制を整える」「社会や周囲の理解を進める」「制度の周知を徹底する」「金銭的なサポートをする」などとなった。
子どものいない多くの男性にとっては、上記のような項目が育休取得にあたっての主要な問題点および解決策として意識されていることがわかる。中でも、ある程度の強制力や罰則規定を設けることで、男性の育休取得が加速されると考えている人が多い印象だ。
男性が育休を取りやすい環境が整備されることが期待される改正育児・介護休業法に関しては、最も効果的であると思う施策として、1位「育児休業の取得状況の公表義務付け」(28.1%)、2位「男性版産休の創設」(25.1%)、3位「環境整備や周知・意向確認措置の義務付け」(19.4%)、4位「育児休業の分割取得」(15.8%)、5位「有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和」(11.6%)の順番となった。寄せられたコメントでは、それぞれの施策に対して大きな期待を持って受け止められていることがうかがえるものが多い。
今回のアンケートでは育休取得に対して、子どものいない男性は、すでに子育てを経験した男性と比較して高い意欲を持っていることが判明した。また、育休を取得しようと思わない理由に関しては、「収入を減らしたくない」や「昇進・昇格・評価に影響しそうだから」など、収入面や将来のキャリア形成への懸念があることがうかがえた。
同時に、「育休取得を義務化する」「育休を取りやすい環境や体制を整える」「社会や周囲の理解を進める」などを進めることで、より育休が取得されやすくなると考えていることもわかった。
これから子どもを持ちたいと考えている男性にとっては、今回の改正育児・介護休業法は大きな期待が持てるものであるようだ。同法の施行で、今後の男性の育休取得が大きく前進することを期待したい。
調査時期: 2021年6月18日〜2021年6月19日
調査対象: 子どものいないマイナビニュース男性会員
調査数: 501人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません