子育てに積極的に関与する男性を指す"イクメン"という言葉がすっかり一般化したように、いまや男性が育児に参加することは珍しいことではなくなった。これを読んでいる皆さんの中にも、かつて熱心に子育てをした、あるいはこれからぜひ主体的に育児をしていきたいと思っている人も多いかもしれない。
ただ一方で職場や周辺の環境が整わず、なかなか思うように育児参加ができないと感じている人もいるのではないだろうか。この6月に育児・介護休業法が改正され、令和4(2022)年4月1日から段階的に施行することが決定した。これにより今後、男性の子育て環境が整備されることが期待される。
そこで今回は、子どものいるマイナビニュース男性会員500人を対象にアンケート調査を実施。「育休を取得して良かったと思うか」などを聞いた。
Q.あなたはお子さんの誕生にあたって育休を取得されましたか?
「はい」(31.4%)
「いいえ」(68.6%)
育休を取らなかった男性
Q.育休を取得されなかった理由(取得しようと思わない理由)について、近いものはどれですか?(複数選択可)
1位「育休を取得しづらい職場だった」(42.9%)
2位「必要性を感じなかった」(32.9%)
3位「収入を減らしたくなかった」(23.0%)
4位「仕事から離れたくなかった」(15.2%)
5位「昇進・昇格・評価に影響すると思った」(12.2%)
6位「その他(自由回答)」(9.0%)
Q.取得されなかった理由(取得しようと思わない理由)について、具体的に教えてください(自由回答)
■「育休を取得しづらい職場だった」
・「育休を取ると言い出しにくい職場だった。私が育休を取得すると他の人の負担が増えるので取りづらかった」(44歳/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「過去、男性が育休を取った事例は勤務先ではない。制度的には取れるみたいだが、その後の昇給などで不利になる可能性が高い」(47歳/精密機器/その他技術職)
・「営業職という事もあり、休日を取ることさえなかなか困難であったし、職場も取れる環境ではなかった」(46歳/専門商社/販売・サービス関連)
・「自分の担当している現場があって、長期に休むことが出来なかった」(48歳/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「妻の出産時にトラブルなどで仕事が忙しく、取得できる状態ではなかったから」(33歳/輸送用機器/メカトロ関連技術職)
・「職場がギリギリの人数で回っていた事と、妻が実家で子育てをしたので妻と義母に基本的に任せたため」(45歳/広告・出版・印刷/営業関連)
・「人手不足で長期休みは取れなかった。また、妻の実家に戻っていたので、そこについてはあまり心配しなかった」(48歳/人材派遣・人材紹介/営業関連)
・「金銭面での不安と、まだまだ男性が育休を取得する事に対して理解を得られる様な職場環境が整っていないから」(40歳/輸送用機器/その他・専業主婦等)
・「前もって子どもの誕生については話をし、根回しをしていたが、育児休暇への理解は全くない前近代的な職場だったので、休むというのは全く話にならなかった」(43歳/官公庁/公共サービス関連)
・「取れる雰囲気は全くなかったし、誰も取ったものがいなかったので制度として活用されていなかった」(42歳/食品/技能工・運輸・設備関連)
・「職場で前例が出来てしまうため、取らないでくれとお願いされた」(32歳/警察・消防・自衛隊/公共サービス関連)
■「必要性を感じなかった」
・「妻が専業主婦だったので、そもそも取得しようと思わなかった」(44歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「妻が産休後会社をやめてしまったので、子育てを任せられる環境になった」(50歳/専門店/販売・サービス関連)
・「妻が全てこなしてくれていたため、逆に取られた方が困るとのこと」(39歳/放送・新聞/営業関連)
・「他に手伝いをしてくれる人がいたため、自分までが休みを取る必要が無かった」(48歳/官公庁/公共サービス関連)
・「妻の実家が近くにあり、自分が休みを取る必要性がないぐらい手助けがあったから」(47歳/不動産/営業関連)
・「当時は育休を取得する必要性を感じなかったため。今なら検討すると思うが、意識が低かった」(50歳/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
■「収入を減らしたくなかった」
・「生活費が減ってしまうのは無理だった」(49歳/海運・鉄道・空輸・陸運/販売・サービス関連)
・「ボーナスが減るからと有給休暇を推奨された」(38歳/官公庁/公共サービス関連)
・「有給が余っていたし、育休だと給与が減ってしまうから」(47歳/証券・投資銀行/専門職関連)
・「収入的に自分の収入が6割になってしまっては、生活や今後のことが困ると思うから」(41歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「妻が育休を取得したため、これ以上収入を減らさないために」(45歳/サービス/事務・企画・経営関連)
・「自分が稼いで、収入を得ることが一番の力になっていると思うからです」(40歳/総合商社/営業関連)
■「仕事から離れたくなかった」
・「仕事のカバーができる人がいないから」(40歳/教育/公共サービス関連)
・「仕事柄、抜けられないポジションだった」(34歳/輸送用機器/販売・サービス関連)
・「責任のあるポジションにいたから」(48歳/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「仕事上責任がある立場だったため、休めなかった」(45歳/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「子どもが産まれる時期の年齢は、ちょうど仕事的に重要な業務に従事するから」(46歳/流通・チェーンストア/営業関連)
・「自分が抜けることでプロジェクトの推進ができなくなって、穴をあけるわけにいかなかったため」(43歳/設計/メカトロ関連技術職)
■「昇進・昇格・評価に影響すると思った」
・「昇格に影響するから」(45歳/官公庁/事務・企画・経営関連)
・「会社にいれられなくなる」(42歳/紙・パルプ/技能工・運輸・設備関連)
・「休み中に仕事が進んでしまい、取り残される様な感覚があったので」(48歳/コンピューター機器/メカトロ関連技術職)
■「その他」
・「当時、男性の育休制度はなかった」(47歳/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「当時は今と比べて男性が育休をとるカルチャーがなかったので、有給休暇をとって対応した。今だったら育休取ったと思う」(48歳/専門コンサルタント/専門職関連)
・「まだ、そういう時代ではなかった。今でこそ育休に理解を示す企業は増えたように思いますが、かつては育休を取ろうものなら昇進は無いものだという暗黙の了解みたいなものがあったように思う」(47歳/不動産/営業関連)
・「その時の時代には考えていなかった。その時代には就業規則上、男性社員は対象ではなかった」(48歳/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「何かあった時は有給の範囲で対応していた。当時は育休という制度自体なかった。子どもに何かあった時は、そちらを優先して有給で対応していた」(50歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「育休自体を知らなかった。もし、知っていれば取っていたと思う」(41歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「嫁さんも同じ職場で、2人同時は無理だった」(46歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/その他技術職)
・「自営業なので、妻のペースに合わせました」(48歳/設計/建築・土木関連技術職)
Q.どうしたら育休を取得したい・取得できると思いますか?(自由回答)
■「育休取得を義務化する」
・「ほとんど義務化にして、強制的に取得させる」(34歳/輸送用機器/販売・サービス関連)
・「ある程度の義務化ではないと周囲の理解を得るのが難しいと思う。特に男性の場合、育休期間は短いため、代替社員の採用や調整は難しい。そのため周囲の人間に迷惑が掛かるとの意識から、なかなか取得が進まないと思う」(30歳/教育/公共サービス関連)
・「会社が強制的に取るように指示するしかないと思います」(30歳/生命保険・損害保険/販売・サービス関連)
・「義務化。本来は自由取得であるべきだが環境が整っていないので、まずは強制的に取得させて環境を醸成する」(50歳/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「育休取得が義務化されたら。あるいは義務化まではいかなくても、取りやすい環境になったら」(48歳/専門コンサルタント/専門職関連)
・「国で義務付けをするか、休みやすい体制を取れば自然と休みを取る人が増えると思う」(41歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「法律で義務化するしかないと思うが、倒産する企業も出てくると思う」(46歳/専門商社/販売・サービス関連)
■「育休を取りやすい環境や体制を整える」
・「休みを取っても、仕事が回る体制が取れるようになったら」(47歳/不動産/営業関連)
・「休んでも職場がフォロー出来る体制を作らなければならない」(50歳/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「誰も手伝う人がいない時。育休を取れる環境を作ってもらえたら」(48歳/人材派遣・人材紹介/営業関連)
・「普段から取れるけど部署の人数が少ないので、考慮すると休まない方向になる」(42歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「育休の取得それ自体を目的にするよりも、労働力を柔軟に融通できる体制を組むなどの環境整備が重要と思われる」(49歳/公益・特殊・独立行政法人/事務・企画・経営関連)
・「育休取得が当たり前になるか、取らないと損をする仕組みにする」(44歳/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)
・「仕事を分担できるシステム、オンラインによる会議打ち合わせの推進、在宅業務の一般化」(44歳/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「周りの職場環境が整えば良い。ただ今の上層部が年齢的に入れ変わらないと無理と感じる」(47歳/精密機器/その他技術職)
■「育休制度の周知を徹底する」
・「会社が周知して取らせるようにすればいいと思う」(49歳/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「義務化や、国がもっと強い呼びかけをして取りやすい環境を整える」(39歳/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「育児休暇中でも、保育園に預けられるのであれば取得したい。というより、あまり仕組みを知らないのと、育児休暇と保育園の関係性もあまり知らない」(37歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「自分から取得すると言うのではなく、会社から取得するように勧めるようになれば取得出来ると思う。また、企業には育休の未取得に対して罰則付を設け、義務化が必要と考える」(35歳/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
■「社会や周囲の理解を進める」
・「会社の理解が広がり、環境が整備されたら」(40歳/食品/その他・専業主婦等)
・「会社の理解と、それが当たり前になる風潮が必要と思う」(43歳/農林・水産/技能工・運輸・設備関連)
・「制度がしっかりと確立されたら。周囲の理解が必要」(40歳/官公庁/公共サービス関連)
・「夫婦の家事や育児の分担の話し合いと、社会全体での子育てしやすい雰囲気・環境づくり」(45歳/教育/事務・企画・経営関連)
■「金銭的なサポートをする」
・「育休休暇中の金銭面の補助、育休の義務化」(40歳/輸送用機器/その他・専業主婦等)
・「育児休暇取得による金額がお給料よりも上がれば、取得したいと思います」(40歳/総合商社/営業関連)
・「取得しても収入が減らず、取得するのが当然という環境になったら」(44歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「中小企業には人員に余裕がないため基本的に育休は難しいと思うが、国が会社に手当てを払えば会社は認めていく世の中になると思います」(33歳/広告・出版・印刷/技能工・運輸・設備関連)
■「個々人が意識を変える」
・「みんなの意識改革が必要」(32歳/サービス/事務・企画・経営関連)
・「育休の取れる会社ではあるが、個人の考え方が変わればと」(49歳/海運・鉄道・空輸・陸運/販売・サービス関連)
・「取ろうと思えば取れたのですが、生まれた時点で取るということが当たり前になれば取っていたのかもしれない」(46歳/海運・鉄道・空輸・陸運/その他・専業主婦等)
■「その他」
・「権利として確保されていれば良いと思う。各家庭で選択すべきことかと思う」(39歳/外資系金融/事務・企画・経営関連)
・「会社がしっかりとした体制になる様に、組合に頑張ってもらうしかないと思っております」(49歳/海運・鉄道・空輸・陸運/販売・サービス関連)
育休を取った男性
Q.育休を取得して良かったと思いますか?
「はい」(96.8%)
「いいえ」(3.2%)
Q.育休を取得して良かった、もしくは取得しなければ良かったと思う理由について、具体的に教えてください(自由回答)
■「取得して良かった」
・「育休を取らなければ、お見舞い、家事、育児がこなせなかった」(45歳/専門店/)
・「妻は子どもが生まれてから休む暇なく、やる事に追われていましたが、その負担を少しでも軽くすることに貢献できたと思うので」(37歳/官公庁/公共サービス関連)
・「家事の大変さを体感できたし、妻の助けにもなれたから」(44歳/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「家事の負担を減らしてあげることができ、よかったと思う。会社もちゃんと引き受けてくれてよかった」(44歳/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「妻の負担を減らすことが出来た。どれだけ育児が大変か感じることが出来た。妻には感謝の気持ちでいっぱいです」(47歳/流通・チェーンストア/営業関連)
・「生まれてすぐに育児にかかわることで、子どももなつきやすい」(44歳/建設コンサルタント/事務・企画・経営関連)
・「子どもの成長を毎日間近で見ることができ、子どもも大変なついてくれた」(43歳/官公庁/公共サービス関連)
・「子どもの頃に親と触れ合う経験というのは、あとでほしいと思ってもできない、かけがえのないものだから」(41歳/食品/営業関連)
・「子どもの成長を少しだが見ることができたし、妻の家事の負担も減らすことができた。同僚に負担をかけたことは申し訳なかった」(46歳/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「赤ちゃんと楽しい時間を過ごすことができた。妻のサポートも出来てよかった」(45歳/放送・新聞/技能工・運輸・設備関連)
・「乳幼児も含む幼児期は人格等の形成に重要な時期とされていたので、その時期を一緒に過ごすことができたのでとてもよかった」(48歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「出産に時間がかかったので、近くにいることが出来て良かった。出産が時間がかかったのでもう一日休みたいとお願いしたら、お前が産むのか?と言われた、2日しか取ってませんが……」(44歳/総合商社/営業関連)
・「一生に何度かしかない瞬間なので、やはりその時間を少しでも取れたことは、ありがたいと感じた」(41歳/通信関連/営業関連)
・「妻や家族と誕生の時間を共有でき、忘れられない記憶」(48歳/ドラッグストア・調剤薬局/販売・サービス関連)
・「育児時間をかける時期は必ずあり、必要であるため取得した。会社も理解があった」(46歳/輸送用機器/技能工・運輸・設備関連)
・「妻と娘が同じ誕生日なので記憶に残ると思い、休暇をとり一緒に過ごす事を選択しました」(48歳/総合商社/事務・企画・経営関連)
・「家族の状況に合わせて休みを取れるのが理想なので」(37歳/ガラス・化学・石油/事務・企画・経営関連)
・「仕事をする為に家庭があるのではなく、家庭の為に仕事をする意識が強くなった」(47歳/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「育休を取得したことによって、夫婦円満になった」(41歳/建設・土木/事務・企画・経営関連)
■「取得しなければ良かった」
・「理解のない人からの嫌がらせを受けるため」(36歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
Q.育休を取得するにあたって最も大変だったことは何ですか?(自由回答)
■「仕事の調整や引き継ぎ」
・「会社での仕事の引き継ぎ」(50歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「やはり仕事の調整ですね。引き続きが大変でした」(38歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「仕事の引き継ぎがうまくいかず苦労した」(37歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「仕事の引き継ぎという余分な仕事が増えた」(33歳/輸送用機器/その他技術職)
・「結局、職場の休業日に仕事に行くはめになった」(43歳/官公庁/事務・企画・経営関連)
・「仕事の調整。短期だったので問題なかったが、長期は難しかったと思う」(43歳/教育/事務・企画・経営関連)
・「周りの社員の仕事負担が増えたのは確実だと思う。仕事の引継ぎが大変だった」(44歳/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「2カ月間であったが、仕事をやりくりし、相手先にも理解してもらう調整に時間がかかった」(46歳/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「ありがたかったことに、うちの職場はフレックスタイム制だったので特に問題はなかったが、仕事の段取りは大変だった」(48歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「シフトの穴埋めに他の人にがんばってもらい、少し悪い気持ちになった」(45歳/放送・新聞/技能工・運輸・設備関連)
■「周囲の無理解」
・「取るなよ、みたいな圧力を感じた」(47歳/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「休むのに他の人の目が気になる」(38歳/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)
・「上司の理解がなかったため、嫌味を言われた。36時間かかり2日貰ったが、3日目は寝ずにそのまま出社した」(44歳/総合商社/営業関連)
・「周りの理解を取り付けることが、意外に難しいことでした。男女問わず育児休暇を取ることが奨励されて久しいが、社会がまだそれを許容する準備が出来ていない証左であろう」(50歳/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
■「育休後の職場への復帰」
・「取得後の、溜まっていた仕事の処理」(42歳/警察・消防・自衛隊/公共サービス関連)
・「会社での復帰時の役割を奪取すること」(29歳/化粧品・医薬品/メカトロ関連技術職)
・「それほど苦労はせず、理解のある上司のおかげでアドバイスがもらえるほどだった。ただ、それによって遅れてしまった自分の仕事を取り返すのには少しだけ苦労した」(41歳/食品/営業関連)
■「育休取得のための手続き」
・「会社の承認に時間がかかった」(42歳/サービス/事務・企画・経営関連)
・「上司との交渉に時間がかかった」(50歳/その他電気・電子関連/事務・企画・経営関連)
・「会社への交渉。男性社員の取得実績がなかった」(36歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
■「その他」
・「育児休業給付金が出るまでのお金」(38歳/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)
・「会社も職場も理解があり準備ができていたため、なし」(46歳/輸送用機器/技能工・運輸・設備関連)
・「男性の育休には理解があり、また実績もある職場なので特に大変なことはありませんでした」(37歳/官公庁/公共サービス関連)
Q.どうしたら育休を取得しやすくなると思いますか?(自由回答)
■「育休取得を義務化する」
・「短期間であれば義務化してもよいと思う」(43歳/官公庁/公共サービス関連)
・「育休の義務化が一番いいかと思いますね」(38歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「義務化し、守らない会社には罰則をつける」(42歳/不動産/営業関連)
・「義務化、もしくは半強制的に取らせるような職場風土の確立」(46歳/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「一律休暇を取得させる法律を作る。休めない場合は高額での買い取りを可能にするなど、会社がペナルティーを受ける仕組みが必要」(36歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「皆が当たり前に取ればいい! 政府主導で義務化すればいい」(37歳/その他/技能工・運輸・設備関連)
■「社会や周囲の理解を進める」
・「育休への風当たりが、世間で解消されれば」(29歳/化粧品・医薬品/メカトロ関連技術職)
・「職種によりけりですが、社会全体の理解や寛容」(48歳/ドラッグストア・調剤薬局/販売・サービス関連)
・「周りの中年管理職の頭を柔らかくしないとだめだと思う」(44歳/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「職場の、育休に対する理解がとても重要だと思います。具体的には、育休中は勿論、復職後も子どものことで早退せざるを得ないこともあると思いますので、復職後のことまで配慮してくれる環境が整うなどすれば、育休が更に取得しやすくなると思います」(37歳/官公庁/公共サービス関連)
・「社会の育児休暇に対する認識を徹底していくことが必要不可欠だと感じられました。よく言われるように、周りの理解が得られないと難しい問題です」(50歳/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
・「社会全体の子育てと仕事の両立における、男女の役割分担の昔ながらの世論イメージが弱くなっていけば、政治家が立法するでしょう。しかし、まだ時間がかかりそうです」(48歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
■「育休を取りやすい環境や体制を整える」
・「育児休暇前提の体制にならなければならない」(44歳/建設コンサルタント/事務・企画・経営関連)
・「会社の余剰人員を増やす仕組みを業種ごとに定め、国がガイドラインを定め労基署に管理させる。業種と売上規模で、労働者に負担がかからない環境が統計で出せるはず。また、育休で会社に掛かる負担は国が負担するべき。結果、子どもを産みやすい環境になり、税収があがり国力があがる」(42歳/ビル管理・メンテナンス/建築・土木関連技術職)
・「仕事の内容にもよるが、いない期間の穴を埋める方法が確立できたら」(45歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「必ず補充職員を配置し、周りの職員に負担が行かなくする」(44歳/その他/事務・企画・経営関連)
■「個々人が意識を変える」
・「それぞれの社員全員が育休を取ることにより、皆も育休が取りやすくなると思う」(48歳/総合商社/事務・企画・経営関連)
・「みなが積極的に育休をとるようになり、それが当たり前という空気を作り出すこと。育休希望者に対して不当な扱いをした者や企業には、罰則を与える必要もあるかもしれない」(41歳/食品/営業関連)
・「取得率を全員で徹底的にあげて、社会的慣習にしてしまうこと」(41歳/通信関連/営業関連)
■「金銭的なサポートをする」
・「残業代が生活給になっているサラリーマンは多い。長期の育休では所得が下がりすぎて、収入面で耐えられないだろう」(43歳/教育/事務・企画・経営関連)
■「制度の周知を徹底する」
・「政府がもっと取得するよう企業に呼び掛けてもらえたら取得しやすくなると思う」(37歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
回答者全員
Q.改正育児・介護休業法の成立で男性が育休を取りやすい環境が整備される見込みです。次のうち、あなたが最も効果的だと思う施策はどれですか?
1位「育児休業の取得状況の公表義務付け」(33.0%)
2位「環境整備や周知・意向確認措置の義務付け(男女問わず、事業主から個別に育児休業制度を周知・取得の意向を確認することが義務化される)」(25.6%)
3位「育児休業の分割取得(育児休業(出生時育児休業を除く)について、分割して2回まで取得することが可能)」(17.0%)
4位「男性版産休の創設(子どもの出生後8週間以内に4週間まで取得することができる出生時育児休業。分割取得や休業中の就業も可能)」(16.0%)
5位「有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和(「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」という要件の廃止)」(8.4%)
Q.その選択肢を選んだ理由について具体的に教えてください(自由回答)
■「育児休業の取得状況の公表義務付け」
・「公表する事により、事業者も育児休暇を推進せざるを得ない状況になる」(40歳/輸送用機器/その他・専業主婦等)
・「会社は世の中のイメージを気にするので、効果が出やすいと思う」(47歳/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「会社が推奨しなければ、何を決めても結局は企画倒れになる」(48歳/人材派遣・人材紹介/営業関連)
・「会社も色々とあると思うし、休みにくい会社などは義務付けされれば、休ませざるを得ないと思う」(41歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「きちんと公にすることで曖昧なかたちで無く、きちんと育休が活かされると思います」(48歳/総合商社/事務・企画・経営関連)
・「外部に情報を発信することで、組織の育休の取得状況がわかり、周りからの目を組織が気にするようになるため」(32歳/警察・消防・自衛隊/公共サービス関連)
・「特に育休取得実績の公表は、育休に対する職場の理解を世間にアピールすることに繋がり、更に就職活動などの企業選択の際の基準となりうるものと考えるからです」(37歳/官公庁/公共サービス関連)
・「目標値をもってやる以外、強制的に取ることがされないのが日本であるため」(43歳/設計/メカトロ関連技術職)
■「環境整備や周知・意向確認措置の義務付け」
・「男性も育休を取りやすい環境を整備していく必要があると考えているため」(49歳/その他電気・電子関連/IT関連技術職)
・「義務化により、育休が当たり前の環境を作ることが最優先と考える」(50歳/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「法的根拠にもとづく事業所の義務付けなら、間違いなく取得はふえるでしょう」(48歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「ある程度、会社側から強制的にでも勧めてもらわないと普及しないと思う」(47歳/精密機器/その他技術職)
・「まずは会社が育休を取る前提で、制度をしっかりと作ることが重要だと思ったため」(44歳/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「必ず何日以上休まなければペナルティがある。ぐらいにしないと休みにくい」(43歳/重電・産業用電気機器/技能工・運輸・設備関連)
・「会社が取得することを推奨してくれるのと、取得できるように仕事を調整してくれると思うため」(44歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「会社が推奨して、抜けた穴をフォローする仕組みを作れば取得しやすい」(45歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「社会の理解を取り付けることが一番最初に重要な要素となりますので、マスメディアと協力して認知を高めることが必要だからです」(50歳/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
・「即効性はないが、少しずつ効果が出るかなと思う。生産性が低い業務が多いので、なかなか直ぐに効果を求めると歪みが出ると思う」(46歳/専門商社/販売・サービス関連)
・「どんな制度になるにしろ、中小企業ほど取得しずらい雰囲気は今後も続くと思う」(50歳/ソフトウェア・情報処
・「社会全体が当たり前の雰囲気にならないとダメ。大企業だけが取り組みやすいものはダメ」(45歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「年輩の従業員の理解が低いため、それを解消する必要がある」(44歳/ドラッグストア・調剤薬局/専門サービス関連)
・「とくに管理職の意識づけが必要。外堀から埋める」(48歳/設計/建築・土木関連技術職)
・「未婚率が上昇し晩婚化も進んだため、上司が子持ちとは限らないことが多くなっている。子持ちの上司でない場合には、制度的に固めないと自ら言い出すことは難しい」(43歳/教育/事務・企画・経営関連)
・「そこまで効果的とは思えないが、他に良い選択肢がなかった」(35歳/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
■「育児休業の分割取得」
・「分割して取得できると、仕事と家庭と調整しやすい」(38歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「なかなか変わらない会社が多いと思うので、まずは小さな義務化で社会を変えて欲しいと思う」(33歳/医療用機器・医療関連/クリエイティブ関連)
・「より多くの金額を得ることが、一番の理想だと思います」(40歳/総合商社/営業関連)
・「取れるとは思うが、ずっと取ると収入が心配。必要な時に取りたい」(41歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「長期間という事がネック。誕生〜半年で20〜40日、個別で取得可能な方が良い」(33歳/鉱業・金属製品・鉄鋼/その他・専業主婦等)
・「どの職場も人員が余っているわけでない。育児のためだけに長く休まれると、その間、ほかの人は休みづらい。分割で取るなど工夫しないと」(46歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「この様な仕組みがしっかり運用されれば、今後は若い層の社員も育児休暇を取得しやすくなりますし、少子化の改善に一役かえるようになると思っております」(49歳/海運・鉄道・空輸・陸運/販売・サービス関連)
・「強いて言えば、、、という程度。そこまで男性が育休取得するのを推奨する必要はない」(50歳/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)
■「男性版産休の創設」
・「会社が奨励してくれれば取得しやすい」(45歳/セキュリティ/専門サービス関連)
・「具体的に決めてもらったほうが取得しやすいから」(31歳/サービス/営業関連)
・「取得のタイミングや名目が明確な方が取得しやすいと思う」(40歳/官公庁/公共サービス関連)
・「出産直後と、しばらく経ってから取得したい場面があったから。まとめて取るよりも、適宜散発的に取りたいことが多かった」(42歳/警察・消防・自衛隊/公共サービス関連)
・「世間的に男性が取得することに抵抗がなくなるように収入を保証してくれれば」(43歳/専門コンサルタント/専門職関連)
・「法的な義務化をしない限り、育休を取りやすい環境は出来ないと思う」(49歳/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「男でも産休を取れる、そのまま育休を取るという流れを作るべき」(39歳/教育/専門サービス関連)
・「分割して育休を取れれば、仕事を抜けながら子どもをみることができる。これから男女平等になるといいと思う」(33歳/広告・出版・印刷/技能工・運輸・設備関連)
・「自分の考え(短期間の取得義務化)に一番近かったから」(43歳/官公庁/公共サービス関連)
■「有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和」
・「会社から推奨してくれるのが一番取得しやすい」(42歳/家電・AV機器/技能工・運輸・設備関連)
・「会社が人材を確保して、もっと推奨できれば」(50歳/サービス/事務・企画・経営関連)
・「会社が育休に対して前向きな考えになれば」(50歳/電力・ガス・エネルギー/営業関連)
・「雇用体系に関係なく取得させるべき」(36歳/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「取得しやすい環境整備を早急に進める必要があるから」(47歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
■総評
調査の結果、子どものいるマイナビニュースの男性会員のうち、子どもの誕生にあたって育休を取得した人は31.4%と、3割ほどにとどまった。
育休を取得しなかった、あるいは取得しようと思わない人に、その理由で近いものを複数選択可で聞いた。1位は、「育休を取得しづらい職場だった」が4割を超える42.9%。以下、2位「必要性を感じなかった」(32.9%)、3位「収入を減らしたくなかった」(23.0%)、4位「仕事から離れたくなかった」(15.2%)、5位「昇進・昇格・評価に影響すると思った」(12.2%)と続く。6位「その他(自由回答)」(9.0%)では、「昔のことで、当時は男性の育休制度はなかった」というものが複数見られた。
やはり、環境が整備されていなかったり、周囲の目が気になったりで「育休を取得しづらい職場だった」ことが障害になっていると感じている人は多い。3位「収入を減らしたくなかった」、4位「仕事から離れたくなかった」、5位「昇進・昇格・評価に影響すると思った」なども、職場や仕事への影響を懸念するものと言える。やはり男性の育休取得は、仕事との兼ね合いが大きなテーマとなっていそうだ。
2位「必要性を感じなかった」も3割を超えている。「妻が専業主婦で、人手は足りていた」「実家のサポートがあった」などが主な理由だが、妻からすると、側にいてくれるだけで精神的に安心できるという意見もあり、ここは見解がやや分かれる部分かもしれない。
次に、どうしたら育休を取得したい、あるいは取得できると思うかを訊ねた。主な回答としては、「育休取得を義務化する」「育休を取りやすい環境や体制を整える」「育休制度の周知を徹底する」「社会や周囲の理解を進める」「金銭的なサポートをする」「個々人が意識を変える」などが寄せられた。やはり、ある程度の強制力を持って実施しないと男性の育休制度はなかなか定着しないと考えている人は多い。
育休を取得した人に対して、育休を取得して良かったと思うかを聞いたところ、96.8%の人が育休取得を良かったと評価していることがわかった。育休を取得して良かったと思う理由としては、「妻のサポートができた」「家事や育児をこなせるようになった」ということに並んで、「家事や育児の大変さが実感できた」「子どもと触れ合えた」「子どもの成長を見守れた」「家族で幸せな時間を過ごせた」など、精神面での充実を挙げる人が非常に多かった。この点は、実際に育児に参加してはじめて実感できる部分なのかもしれない。
育休を取得するにあたって最も大変だったことを聞いたところ、主な回答として「仕事の調整や引き継ぎ」「周囲の無理解」「育休後の職場への復帰」「育休取得のための手続き」などが挙がった。
また、どうしたら育休を取得しやすくなると思うかを聞いたところ、「育休取得を義務化する」「社会や周囲の理解を進める」「育休を取りやすい環境や体制を整える」「個々人が意識を変える」「金銭的なサポートをする」「制度の周知を徹底する」などが解決策として寄せられている。こちらは先に聞いた「どうしたら育休を取得したい、あるいは取得できると思うか」と共通した答えが多い。やはり義務化や、ある程度の強制力がないと制度の定着は難しいと考える人が多い。
改正育児・介護休業法の中で、最も効果的だと思う施策を聞いたところ、上位から順番に1位「育児休業の取得状況の公表義務付け」(33.0%)、2位「環境整備や周知・意向確認措置の義務付け」(25.6%)、3位「育児休業の分割取得」(17.0%)、4位「男性版産休の創設」(16.0%)、5位「有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和」(8.4%)となった。
これを子どものいる女性会員が、改正育児・介護休業法の中でうれしいと感じる制度比べると、、1位「育児休業の取得状況の公表義務付け」(25.6%)、2位「育児休業の分割取得」(24.0%)、3位「男性版産休の創設」(22.8%)、4位「環境整備や周知・意向確認措置の義務付け」(20.0%)、5位「有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和」(7.6%)となる。1位育児休業の取得状況の公表義務付け」は同じだが、男性では2位だった「環境整備や周知・意向確認措置の義務付け」が、女性では4位に沈んでいる。
アンケートを通じて、現実には男性の育休取得はまだまだ進んではいないものの、育休を取った人の満足度は大きいことがわかった。また育児や家事に対しての印象が大きく変わったり、家族や妻子の大切さを改めて感じたという人も多い。
今はまだ多くのハードルがあるものの、今回の改正育児・介護休業法の施行を通じて、男性の育休取得が大きく促進されていくことを期待したい。
調査時期: 2021年6月17日〜2021年6月22日
調査対象: 子どものいるマイナビニュース男性会員
調査数: 500人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません