「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京から地方へ移り住んで感じたことを交えながらお伝えいたします。

書籍は書店で買いますか? それともインターネットで買いますか?

みなさんは、欲しい書籍がある場合、どのようにして購入しますか? 私は、基本的に書店に足を運んで書籍を購入します。しかし、厚みのある本や、A4サイズの雑誌類は、重かったり持参しているバッグに入らなかったりするので、インターネットで購入し自宅に届けてもらうこともあります。

インターネットで書籍を購入すると、ポイントが貯まり、そのポイントを利用して書籍の購入をすることができるサイトもあります。購入したい書籍が決まっているときは、書店に行くよりもインターネットを利用した方が便利だと思います。しかし、書店に行く「目的」は書籍の購入だけではありません。

情報収集や、新しい発見もあります。書店の入り口に並べられているベストセラーをパラパラと見るだけでも、「世間では、こういうことに興味がある人が多いのかな」「こういう知識がほしいと思っている人が多いのかな」と世の中の動向を知ることができます。

また、書店の中をゆっくりと歩いていると、パッと目に入った言葉や文章が気になり、まったく知らなかった書籍が気に入って購入することもあります。 そこで、今回は書籍の購入についてお伝えしたいと思います。

書籍購入額・年齢別・男女別(2018年)

よく世間では、「若い世代ほど書籍を読まなくなった。」「若い世代はインターネットばかり見ているので、読解力が衰えている。」など言われています。私もそのような記事を新聞で読んだことがあります。しかし、それは本当なのでしょうか?

2人以上の世帯よりも、比較的、自分の趣味や娯楽など自由に使えるお金が多い人の割合が高い単身世帯で、年齢別・男女別の書籍購入額を調べてみました。 年齢別で見てみると、平均7,226円に対し、34歳までの人が10,861円で、35歳~59歳までの人が10,309円となり、平均を上回っています。

また、表1には、趣味や娯楽の情報が多い「雑誌(週刊誌を含む)」が含まれていないので、休日に好きな書籍を読む人もいれば、仕事のスキルアップや知識の向上のために、書籍を購入している人もいるでしょう。

会社員の時に、お世話になった方の定年退職の送別会で、「退職したら、時間はたっぷりあるから、ゆっくりと読書でもするよ。」とおっしゃっていたのを思い出しますが、実際は、現役世代の方が、書籍をたくさん購入し、読書をしているのかもしれません。

また、現役世代の中(59歳まで)で見てみると、34歳までの人の方が、35歳~59歳までの人よりも書籍購入額が高いです。これは、単身世帯の女性にも同じことが言えます。単身世帯(女性)の34歳までの人が12,995円で、35歳~59歳までの人が8,627円となっています。

表1の中では、単身世帯(女性)の34歳までの人の書籍購入額12,995円が最も高い金額です。書店に行くと、女性向けの雑誌が平積みにされて、広いスペースに陳列されているところが多いですが、表1の書籍購入額の高さから予想するに、34歳までの若い世代の女性は、流行の情報は雑誌から、趣味や知識のためには書籍からと上手に利用しているようです。

  • (表1)
    ※出典「家計調査」-「1世帯当たり年間の品目別支出金額・単身世帯:調査年月2018年」(総務省統計局)を加工して作成
    ※「書籍」には、「雑誌(週刊誌を含む)」は含まれていない。

終わりに

今回は、書籍の購入について調べてみました。現在では、情報を得るためには、書籍からではなくインターネットから収集する人が多いと思います。私も観光や飲食店など身近な情報はインターネットで収集します。

しかし、知識として知りたい時や、正しいことを調べる時、または新しい資格を勉強する時は、書籍を購入します。無料で誰でも触れることができるインターネット上の情報には、ウソや根拠のない情報が多いことも事実です。

インターネットで書籍を購入している方は、ぜひ書店に足を運んでみてください。自分では気づかなかった新しい発見がある書籍と出会えるかもしれませんよ。

高鷲佐織(たかわしさおり)

ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。

資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。