「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。

お金の扱い方について、都心部と地方部では、違いがないのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。

生活費のうち、定額、もしくはほぼ定額の金額を毎月支払わなければならない費用を「固定費」と呼びます。例えば、賃貸住宅であれば家賃や共益費は、毎月定額の支払いが必要となるので、固定費となります。また、自宅でインターネットを利用する場合、「インターネット回線料」を定額で支払っているのであれば、固定費となります。

今回は、その「インターネット回線料」で「光回線」を利用した場合の費用に着目してみようと思います。通信会社大手であるNTT東日本とNTT西日本の光回線の料金を見比べてみましょう。

そもそも「光回線」とはなにか?

光回線は、光ファイバーという石英ガラスやプラスチックで作られている光を通すケーブルを使用した有線での通信回線のことをいいます。なお、光回線の速度の単位で使われる、「Gbps」と「Mbps」については、「Gbps」のほうが「Mbps」よりも速いです。

「Wi-Fi(ワイファイ)」とはなにか?

Wi-Fiとは、電波を使った無線での通信手段のことをいいます。「Wi-Fi」と聞くと、カフェやホテル等で、無料で利用できるインターネットという認識をされている人もいますが、自宅でWi-Fiを使いたい場合は、パソコンやスマートフォン、タブレット等をWi-Fiホームルーター(インターネットに接続するための装置)等で無線接続する必要があります。

<NTT東日本とNTT西日本の光回線の料金を比較>

条件:光配線方式の定額プラン・集合住宅(4戸以上の建物)に居住・プロバイダー月額利用料は除く、各種割引適用はしないこととする。

注意点:NTT東日本およびNTT西日本の料金プランは、下記のように、同一建物内で見込める契約数や、建物の環境調査によって、料金設定が異なります。いずれもNTT東日本およびNTT西日本が決定することであり、建物のオーナーや居住者が決めることはできません。

●同一建物内で見込める契約数によって異なる

プラン2:16契約以上見込める場合
プラン1:8契約以上見込める場合
ミニ:NTT東日本の場合、4契約以上見込める場合
NTT西日本の場合、6契約以上見込める場合

●建物の環境調査によって異なる

光配線方式  :光ファイバーを、直接各戸まで接続する方式
LAN配線方式:集合住宅内の各戸までをLAN配線で接続する方法
VDSL方式 :光配線およびLAN配線もない場合、集合住宅内の各戸までを既存の電話回線用配線で接続する方式

<NTT東日本の料金プラン>

【1】サービス名:フレッツ光クロス(フレッツ光最速の光回線サービス)
速度:データ送受信が最大約10Gbps
月額利用料:6,050円

【2】サービス名:フレッツ光ネクスト・マンション・ギガラインタイプ
速度:データ送受信が最大約1Gbps 月額利用料:3,355円(プラン2・光配線方式) 3,795円(プラン1・光配線方式) 4,455円(ミニ・光配線方式)
※既にルータを保有している場合のみ適用できるプランであり、光回線とWi-Fiルータがセットのプランは新規申し込み受付停止中です。

【3】サービス名:フレッツ光ネスクト・マンション・ハイパースピードタイプ
速度:データ受信が最大約200Mbps・データ送信が最大約100Mbps
月額利用料:3,135円(プラン2・光配線方式)
3,575円(プラン1・光配線方式)
4,235円(ミニ・光配線方式)

NTT東日本のフレッツ光のプランと料金

<NTT西日本の料金プラン>

【1】サービス名:フレッツ光クロス(フレッツ光最速の光回線サービス)
速度:データ送受信が最大約10Gbps
月額利用料:6,930円

【2】サービス名:フレッツ光ネスクト・マンション・スーパーハイパースピードタイプ隼
速度:データ送受信が最大約1Gbps
フレッツ光ネスクト・マンション・ハイパースピードタイプ
速度:データ送受信が最大約200Mbps
フレッツ光ネスクト・マンションタイプ
速度:データ送受信が最大約100Mbps

どのプランも同一で月額利用料:3,520円(プラン2・光配線方式) 4,070円(プラン1・光配線方式) 4,950円(ミニ・光配線方式)

NTT西日本のフレッツ光のプランと料金

2社の料金プランを比較してみると、【1】の月額利用料は、NTT東日本のほうが安く、【2】のデータ速度が最大約1Gbpsの場合を比べてみても、NTT東日本のほうが安いです。ただし、NTT西日本には、「光はじめ割」等、月額利用料が安くなる割引サービスがありますので、割引を適用した場合は、NTT西日本のほうが安くなる場合もあります。なお、割引適用期間中に解約した場合は、解約金が発生するので、ご注意ください。

上記に記載した速度の最大値は、技術規格上の最大値であり、実際の速度を示したものでありません。インターネット利用時の速度は、部屋での利用環境や回線の混雑状況等によって異なります。NTT東日本とNTT西日本の料金プランは、他社に比べて月額利用料が安いとは言えませんが、すべての都道府県で提供されていることや光回線の安定性を考慮すると、安心してインターネットをご自宅で利用できるのではないでしょうか。