時間に追われる朝は食事がおろそかになりがち。手間を掛けずに準備できて、しかも美味しい刺激がもらえる朝食があったらいいと思いませんか?
今回は、トーストに塗るだけでご馳走になるパテ缶の世界をご紹介。栄養価も高いので活力もばっちりチャージできます!
まずはパッケージに惚れる
日本人の生活にも、パンがすっかり馴染んで、はや幾年月。でも、パテを塗って食べる習慣が根付かないのが不思議ではあります。フタを開けて塗るだけ。中身も魚介系、肉系、野菜系と多彩でよりどりみどり。残った分は清潔な状態でラップを掛けて冷蔵庫に入れれば、商品にもよるけど、まあ一週間くらいは大丈夫。
と、いいことずくめのパテ缶は、国産のものはほとんど存在しないので外国缶を買うことになる。これがまるで、雑貨を選んでいるようですごく楽しいのだ。特にヨーロッパのものはデザインが可愛くて、おもわずパケ買いしてしまう。
これはお土産にいただいたポルトガルのもの。塩蔵した干し鱈を柔らかく戻したパテで、素朴なのにすごく美味しい。日本人の味覚にもぴったり。
これはスペインのスーパーで買ったもの。何と豆腐のパテであります! スペイン語だからあまり意味は分からないけど、「ビオ」とか「エコ」とか書いてあるから、きっと意識高い系の人が買うんだと思う。お味は意外と塩味しっかりで、ローズマリーが練り込んであるからちょっとおつまみっぽい風味だった。
これはフランスで買ったもの。鴨のテリーヌという、いかにもフランスらしい缶詰であります。本来はこれを切り分け、赤ワインなどと合わせながらつまむのだけど、パテ的な使い方をしても全然OK。ブランデーで香り付けしてあるところなど、さすが美食の国。
これはイギリスで買った鮭のパテ。味付けがちょっと変わっていて、スイートチリ味なのだ。 最近はイギリスの缶詰もグルメ化してきたのが、これを見て分かったのであります。
国内で見かけたら迷わず買うべし
最後に、日本に輸入されていたパテ缶をご紹介。左側はイベリコ豚のレバーパテでスペイン製。右はフォアグラのパテでハンガリー製であります。どちらも輸入食品店で売っていたのだけど、昨年くらいに輸入するのを止めてしまったそうな。
このように、我が国でもパテ缶はいろいろ買える。でも定番品としてずっと売られているかどうかは分からないので、見つけたときには迷わず買っておいたほうがいいですぞ。
かくのごとし。とりあえずトーストさえ焼けば、あとはナイフで塗り塗りするだけ。何種類か買っておけば、その日の気分で選ぶ楽しさもある。 「今日は午前中から商談だから気合い入れないと!」みたいなときにはレバーパテで胆力をつけるとか(いや、効能は不明ですが)。何を食べるか迷ったときは、この画像みたいに2種類塗っちゃうとか。
いい一日を過ごすためにも、朝ご飯を楽しみたいものであります。
※今回の缶詰は、海外の商品と終売になっている商品なので、缶詰情報はナシです。
黒川勇人/缶詰博士
昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。