赤身で低カロリー、高タンパクなお肉は女性にとって理想的。馬肉がその代表例で、専門の料理店はいつも賑わっています。実は鯨肉も馬肉と同じように低カロリー高タンパクの赤身肉だと聞いたことがありますが、今まで何となく手が出ませんでした。

そんな話をしていると缶詰博士が「缶詰なら手軽に試せますよ!」とひと言。確かに、数百円の缶詰なら手が出しやすいかもです。ついでにしっかりしたおかずになるアレンジ方法も教えてもらいましたよ。

  • 木の屋石巻水産/鯨大和煮(170g 税込560円)(写真:マイナビニュース)

    木の屋石巻水産/鯨大和煮(170g 税込560円)

懐かしさから入ってみる

鯨肉が好きだ。畜肉でも魚でもない唯一無二のうまみがあって、子供の頃に食べた竜田揚げや刺身の美味しさは今でも忘れられない。

特有のワイルドな匂いも"海のジビエ"と思えば魅力になる。おまけに鯨肉は「バレニン」という肉体・精神両方の疲労を回復させる成分が豊富だそうな。

何しろ、広大な海を数千キロも眠らないまま泳ぎ続ける鯨なのであります。肉体も精神も疲れちゃってる現代人は、積極的にその成分を摂取したい。それには缶詰が手軽でありますし、メーカーは「木の屋石巻水産」を指定したい。なぜなら肉の質が別格なのであります。

  • 鯨大和煮内観

    鯨大和煮内観

熟成肉使用

「鯨大和煮」は同社の鯨缶の中でスタンダードな位置付けにある。ほかに「須の子大和煮」や「長須鯨大和煮」(どちらも1,080円)などのセレブ缶もそろっているからだ。

でも、スタンダードな商品でも原料の良さは同じ。何とこの鯨肉は冷温で2週間熟成しているのであります! 牛肉でも魚でも熟成がもてはやされているが、鯨だって熟成することでおいしくなるんです。

切り身が分厚いのも嬉しい。箸で持ち上げると持ち重りするくらいだ。

  • 缶汁でごぼうとにんじんを炊く

    缶汁でごぼうとにんじんを炊く

ひと手間かけてみる

味付けは生姜がしっかり利いた甘辛い味で、でもかつての大和煮みたいにクドくない。今回はこれに根菜を合わせたアレンジレシピを提案したいのであります。細切りにしたごぼうとにんじんを鍋に入れ、缶汁と、同量の酒を入れて煮付けるのであります。

もし手間をいとわないのなら、ごぼうとにんじんはあらかじめごま油で炒めておくと更に美味。

いずれにしろ、缶汁で煮たごぼうとにんじんが柔らかくなればOKだ。あらかじめ炒めていない場合はごま油をかけ、鯨肉を入れて火を止めたら、全体をやさしく混ぜれば缶成。盛りつけたら白炒りごまをトッピングしよう。

  • 鯨と根菜の炊き合わせ

    鯨と根菜の炊き合わせ

かくのごとし。絶佳です。

鯨特有のワイルドな匂いに、根菜の土っぽい匂いがベストマッチ。お互いのいい部分を引き上げております。ごま油と炒りごまもいい補佐役。

そして、もともとの大和煮の味付けが美味しい。酒を足しただけなのに、甘さとしょっぱさがバランスよくて、その味が沁みた根菜と鯨は是非もないウマさ。 ぜひお試しを!

缶詰情報
木の屋石巻水産/鯨大和煮(170g)
希望小売価格560円(税込)
同社直販サイトなどで購入可

黒川勇人/缶詰博士

昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」Facebookファンページも公開中。