暑い日にぜったい欲しくなるのが冷たいスイーツ。アイスでもいいのですが、もうちょっとコクのあるものが食べたい時もあります。

「そんなあなた! そぶくめを冷やして食べればきっと大満足!」と、声も高らかにやってきたのは缶詰博士。その右手には昔の筆箱のような金属缶が握られています。というか、そぶくめって何ですか博士?

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  • つくは祢屋/そぶくめ 280g 1,620円 ※きな粉、巻き取り鍵、ヘラが付属

    つくは祢屋/そぶくめ 280g 1,620円 ※きな粉、巻き取り鍵、ヘラが付属

わらび餅をベースにしたスイーツ

名古屋駅から地下鉄桜通線・徳重方面行きに乗り、吹上駅で降りて地上に上がる。片側三車線のかなり広い通りがあり(国道のようだけど県道)、車がびゅんびゅん行き交う脇の歩道を南に歩くこと約500m。

左側に見えるのが菓志舗「つくは祢屋」(つくはねや)であります。創業が天明元年(1781)という老舗中の老舗で、ここで売られているのが「そぶくめ」という缶詰。わらび餅をベースにした、つくは祢屋オリジナルのスイーツであります。

  • 巻き取り鍵で開ける

    巻き取り鍵で開ける

サイズに驚く

この缶詰に出会った人は、必ず3度驚くと言われている。まずはサイズだ。長辺約16cm、短辺約7cm、高さ約3cmの堂々たる大きさで、手に持つと初期の携帯電話のよう。内容量も280gあるからずしりと重く、その重さが嬉しい。

さて、この長大な缶をどうやって開けるのか。かつてのコンビーフと同じように、側面をくるくると巻き取って開けるのだ。そのための巻き取り鍵も付属している。

  • 巻き取りは思ったより楽

    巻き取りは思ったより楽

くるくるを愛する人へ

巻き取り鍵が大きくつかみやすいため、作業は思ったより楽。かつてのコンビーフと違い、巻き取る面が広いから、途中で千切れる心配もない。

この巻き取り作業を愛する人は多いという。イージーオープン式に変わったコンビーフに対し、「くるくるしなきゃコンビーフじゃない!」と憤慨する人もいるという。

そんな人はぜひ、そぶくめを入手し、気の済むまで巻き取ってほしいと思う。

  • 1周巻き取った様子

    1周巻き取った様子

出てくる光景に驚く

ところで、巻き取りを開始する際には大皿を用意していただきたい。というのも、1周巻き取ったあとは、中身のそぶくめがずり落ちる可能性があるからだ。

重量280gのそぶくめがずりずり、ぬるりと缶から出てくる光景は衝撃的で、それが2度目の驚きであります。

そぶくめはとても柔らかく、わずかな振動を与えるだけで全身(?)がぷるぷると震える。その動揺をなだめ、落ち着かせてやり、付属のヘラで食べよい大きさにカットする。そうして付属のきな粉を掛ければ……。

  • 4分の1の量を盛りつけ

    4分の1の量を盛りつけ

かくのごとし。約4分の1の量を盛りつけたが、これでも1人で食べるには十分な量。何となれば、1缶で4人は楽しめることになる。

付属しているきな粉は、大豆を挽いただけの純粋なきな粉だ。好きなだけまぶしてから、くしゃみ・咳などしないよう息を整え(悲喜劇が起こる)、慎重にいただく。

そぶくめはねっとり柔らかく、舌で押すだけで潰れていく。きな粉の懐かしい香りの後から、砂糖を加熱した香ばしい匂いが立ち昇る。わらび餅よりみずみずしく、ういろうや水ようかんより柔らかい。甘さはういろうと同等か。他では味わったことのないおいしさが3度目の驚きであります。

ところで、このそぶくめは賞味期間が1ケ月となっている。それを過ぎると食感が悪くなるので、ぜひおいしい賞味期間内に食べていただきたい。

缶詰情報
つくは祢屋/そぶくめ 280g 1,620円
つくは祢屋の店頭販売もしくは電話注文(JR名古屋髙島屋内「銘菓百選」で扱うこともあり)