ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第7回は「#熱海プリン」。

  • 昭和レトロなかわいさが話題の「熱海プリン」

熱海随一のインスタ映えグルメ

東京からも近い熱海は、近年人気が再燃している観光地のひとつ。年配客のイメージが強かったがここ数年で若い世代の観光客が増加。年間を通じて若者から年配客まで多くの人が訪れている。そんな熱海の新名物が「熱海プリン」。Instagramで「#熱海プリン」というハッシュタグを付けた投稿は、2019年7月末現在で約3.2万件見つかる。

  • なめらかな食感がやみつきになる「熱海プリン」

「熱海プリン」は店名であると同時に、メニューの名前でもある。そのためInstagramに投稿されている写真は、プリンの写真を中心に、店の内観や外観、プリン以外のメニュー(ソフトクリームやドリンクなど)まで多岐にわたる。

とはいえ、やはり最も多いのは看板メニューの「熱海プリン」の写真。牛乳瓶の形の容器に入っており、昭和レトロな雰囲気がなんともかわいい。投稿写真は"インスタ映え"を意識したものが多いのも特徴。商品だけでなく、店の看板や内観も写真映えするデザインなので、絵になりやすいようだ。投稿の文章には「濃厚で美味しかった」「トロトロ」「カバかわいい!」などプリン本体の感想に混じって、「お店可愛かった」「すごいオシャレなところだった」など、店舗の外観・内観に対するコメントも目立つ。

温泉街の熱海になぜプリン専門店?

「熱海プリン」は2017年7月、JR熱海駅前の商店街にオープン。50年前に建てられた商店兼民家をリノベーションし、熱海初のテイクアウトのプリン専門店に生まれ変わった。オープン3日で3500個以上を販売し、現在も毎日1,000個以上を売り上げ、行列ができるプリン専門店として話題になっている。

看板メニューの「熱海プリン」はレトロな牛乳瓶に入っており、瓶にはカバさんマークが描かれているのが特徴。カバは塩が好きな動物なので、塩分の多い熱海温泉にちなんでいるそうだ。

  • 「熱海プリン 特製カラメルソース付」(税込350円)。ソースが別添えで、しかもカバのかわいい容器に入っている

見た目のかわいさだけでなく、美味しさも人気を後押ししている。一番人気は「熱海プリン 特製カラメルシロップ付」。じっくり丁寧に蒸し上げたプリンは、固すぎず、やわらかすぎず、とろ~りなめらかな食感だ。シンプルな材料で作られており、昔懐かしい素朴な甘さが後を引く。特製カラメルソースも、甘いカラメルとほろ苦いカラメルの2種類を独自の配合でブレンドしたこだわりのものが使われている。

ほかにも「静岡抹茶プリン」や「熱海プリン いちご ベリーソース付」など味のバリエーションも多彩。なかには大胆にも温泉卵をのせた「温泉玉子プリン」や、伊豆半島の井田でくみ上げた海水を焚き上げて作られた"千年井田塩"と柑橘の"だいだい"のシロップをかけて食べる「熱海プリン だいだいソースと千年井田塩付」など、熱海らしさを出した商品もある。

  • 「温泉玉子プリン」(税込1個500円)。最初はそのまま、次は温泉卵をのせて、最後はかき混ぜてマリアージュを楽しむ

なぜ熱海にプリン専門店を出そうと思ったのか。「熱海プリン」を運営するフジノネ広報担当者は「熱海は有名な観光地ですが、実は海産物などを除けば地元で生産されているものはそれほど多くはありません。そこで、“熱海ならではの商品を、熱海で作ることはできないか”と考えました。また熱海には、もともと食べ歩きができるスイーツが温泉まんじゅうくらいしかなく、歩きながら気軽に食べられるスイーツを作りたいという想いから熱海プリンが誕生しました」と説明する。

インスタ映えする2号店に若い女性が夢中!

  • お風呂をイメージした2号店「熱海プリンカフェ2nd」

2018年7月には、熱海・銀座商店街に2号店「熱海プリンカフェ2nd」がオープンした。1号店はテイクアウトのみだが、こちらはカフェスペースが設けられており、店内でのイートインが可能。Instagramではこの店で撮影された写真も多い。

"みんなで楽しむお風呂"をテーマにしたという店内は、お風呂をイメージしたレトロかわいい内装。注文したプリンをトレーがわりの風呂桶に入れてカフェスペースへ行き、タイル張りの浴槽に腰かけて、その風呂桶をテーブルにして食べる。

  • 「熱海プリンカフェ2nd」では「皿プリン」(税込500円)も楽しめる。「熱海プリン 特製カラメルシロップ付」より少し固め

「熱海は温泉が有名です。そこから着想を得て、みんなで楽しめる空間としてお風呂のような内装にしました。昭和レトロなデザインがSNSで映えると若い年代の方から支持をいただいております。ご家族でいらっしゃる方も多いです」(フジノネ広報担当)

テイクアウトもできるが、やはり2号店にはイートインを目当てに来る人が多いので、Instagramの投稿には「30分待ちました」「混んでいてなかなか写真が撮れなかった」「すごい並んでた」といった声も多い。

増加中! 熱海プリンが買える場所

  • 「熱海プリン」4号店「ドライブイン 熱海プリン食堂」の「シロカバかき氷」(税込750円)

「熱海プリン」は現在4号店まである。2019年3月にはATAMI BAY RESORT KORAKUEN内にテイクアウト店「渚の熱海プリン」が3号店として、2019年7月27日には長浜海水浴場にほど近い国道135号沿いに「ドライブイン 熱海プリン食堂」が4号店としてオープンした。

4号店は48席の広々としたカフェスペースを完備。「熱海プリン」をイートイン&テイクアウトできるほか、プリンをそのままのせた絶品ふわふわパンケーキやプリンが中に入ったかき氷など、「熱海プリン」の美味しさを再発見できるユニークなプリンスイーツも充実している。

これら4店舗のほかには、JR熱海駅(新幹線)のキヨスクで一部の商品が購入可能。2019年4月に「熱海プリン」1号店に隣接してオープンした、フジノネが運営するビル1棟丸ごといちごスイーツの専門店「いちごBonBonBerry 熱海ハウス」の1階でも、テイクアウト商品として「熱海プリン いちご ベリーソース付」を販売している。このビル自体もSNS映え抜群だ。

遠方で熱海まで足を運べない人は、オンラインショップでの取り寄せも可能。ただし、通販サイトも人気で数週間待ちになることもある。昔懐かしい素朴な味なので、男性もペロリと食べられるはずだ。