ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第18回は「#大豆ミート」。

  • 第4の肉「#大豆ミート」

    マルコメ「大豆のお肉」を使ったから揚げ調理例。見た目はまさに肉!

ヘルシーな大豆ミート

大豆など植物由来の食材を原料としながらも、肉のようなジューシーな食感が楽しめる「大豆ミート」が人気だ。「ソイミート」「ベジミート」などと呼ばれることもある。Instagramでは、「#大豆ミート」のハッシュタグが付いた投稿が約2.7万件、「#ソイミート」が約9,300件、「#ベジミート」は約2,700件ある(2020年1月現在)。

大豆ミート(ソイミート)は、大豆の成分からたんぱく質を抽出して繊維状に加工したもの。肉に比べてカロリーやコレステロールが低く、低糖質。それでいて高たんぱくであるのが特徴だ。肉の代用品として使われることが多いことから「代替肉」ともいわれ、牛、豚、鶏に続く「第4の肉」としても注目を浴びている。

  • Instagram投稿も多いCosme Kitchen Adaptationの「ジューシーソイミートのVEGEからあげ丼」(1,380円)

大豆ミートは宗教上の理由などで肉が食べられない人だけでなく、健康志向から食事にとり入れる人が増えている。Instagramで「#ソイミート」で検索すると、「関連するハッシュタグ」として「#健康料理」が表示されるほどだ。

Instagramの投稿の内容は、レストランやカフェの大豆ミートを使ったメニュー、または大豆ミートを使って自分で作った食事やお弁当の写真が多い。

マルコメの「大豆のお肉」で大豆ミートが気軽な家庭料理に

自宅で大豆ミートを調理している人に人気なのが、2015年にマルコメが発売した「大豆のお肉」シリーズ。シリーズ名である「#大豆のお肉」のハッシュタグだけでも、Instagramに約3,300件以上の投稿がある。

  • マルコメ「大豆のお肉」シリーズ。前列はそのまま使えるレトルトタイプ(1袋100g/230円前後)、後列は湯戻しして使う乾燥タイプ(1袋100g/390円前後)。ほかに冷凍タイプも

マルコメの「大豆のお肉」は、レトルトタイプ・乾燥タイプ・冷凍タイプがあり、形状もミンチ・フィレ・ブロックと多様で使いやすい。レトルトタイプはそのまま使えて便利なので、初めて使う人に人気。乾燥タイプしたものは湯戻しが必要だが大容量でお得なので、リピーターにはこちらがおすすめだ。ほかに加熱専用の冷凍タイプもある。

Instagramのコメントを見ると「これはお肉ですね」「美味しくてハマりそう」と味にも満足している人が多い様子。肉より賞味期限が長く、レトルトタイプや乾燥タイプは常温保存なのでツナ缶感覚で常備している人もいるようだ。

  • 「大豆のお肉」で作ったカレー。から揚げやカレーはブロックタイプが作りやすい

「テレビ露出の増加などを背景に、2018年頃から大豆のお肉の人気や注目の高まりを感じています。以前と変わってきたのが、大豆のお肉がもはやヴィーガン(完全菜食主義者)やベジタリアン(菜食主義者)の方の選択肢だけではなくなっていること。例えば『肉は大好きだけど最近少し食べすぎなので、今日のランチはカツカレーじゃなくてソイミートのキーマカレーにしよう』といった、『罪悪感のない食事=ギルトフリー』のニーズが顕在化しているととらえています」(マルコメマーケティング部広報宣伝課の其田譲治さん)

すでに一部のスーパーでは「大豆のお肉」が精肉売場に並び始めている。主要購買層は50代以上の女性だというが、Instagramに投稿している女性はもう少し若い印象だ。

「代替肉として紹介されることが多いですが、今後は代替ではなく、『第4のお肉』として生活者のニーズにお応えしていきたいと考えております」(其田さん)

気軽に使えるパスタソースも人気

気軽に使えるパスタソースにも、大豆ミートを使ったものが登場しており、それらを使ったInstagram投稿も見かける。日本製粉が販売する「オーマイ 大豆ミートのボロネーゼ」もそのひとつだ。

  • 「オーマイ 大豆ミートのボロネーゼ」(240g/200円前後)

「栄養豊富な大豆から作られた大豆ミートを100%使用し、粗挽肉のようなごろっとした具材感を実現。トマトと香味野菜で旨み豊かなソースに仕上げました」(日本製粉開発本部商品開発部永野篤さん)

  • 日本製粉「オーマイ 大豆ミートのボロネーゼ」に、ボロネーゼと定番の組み合わせのナスをたっぷり加えたアレンジ調理例。粉チーズを加えてクリーミーに

2017年8月の発売以降、売り上げは順調に推移しているという。温めるだけでそのまま使えるレトルトのパスタソースは、忙しいビジネスパーソンも重宝しそうだ。

カフェレストランのおしゃれメニューは女性に人気

レストランやカフェのおしゃれな大豆ミートメニューを投稿する人も多い。Instagramをチェックしていると、東京に2店舗、大阪に1店舗を展開する「Cosme Kitchen Adaptation(コスメキッチン アダプテーション)」の大豆ミートメニューの投稿も見つかる。

  • Cosme Kitchen Adaptationの「ソイミートのVEGEタコライス」(1,480円)

同店は、美味しく食べて心も体も美しくなる「クリーンイーティング」をコンセプトに、調理法やジャンルにとらわれない料理を幅広く提供。ヴィーガンやグルテンフリー、ローフード、マクロビオティック等に対応したメニューも提供しており、女性から支持を集めている。

大豆ミートを使ったメニューは、タコライスやからあげどんぶり、担々麺など5種類を用意。どのメニューも本物の肉を使っているような味わいや食感で、物足りなさを感じず満足できると評判だ。一番人気は「ソイミートのVEGEタコライス」だという。

  • Cosme Kitchen Adaptationの「有機豆乳と甘酒の旨辛坦々麺」(1,580円)

大豆ミートを使ったメニューの開発にあたっては、パサつきを防ぎ、お肉のようなやわらかさとジューシーさを表現することに気を配ったという。「丁寧に下処理を行うことで大豆特有の香りを軽減させ、まるでお肉やお魚のような美味しさや味わいに仕上げています。また、大豆と相性の良い組み合わせを考えて取り入れているので、ソイミートだと気づかれないお客様も多いですね。ベジタリアンやヴィーガンのお客様はもちろん、ヨガや筋トレ、ダイエットなどボディメイキングをされているお客様、さらに海外のお客様にも好評です。ソイミートの可能性はまだまだあると感じています」(Cosme Kitchen Adaptation ディレクター 谷口かおりさん)

大豆ミートを使ったレシピはさまざまなサイトで紹介されているし、カフェやレストランでも大豆ミートを使ったメニューを出す店も増えている。ヘルシーでおいしい「第4の肉」こと大豆ミートを食べる機会は、今後ますます増えていきそうだ。

※価格は特記がない限り税別、編集部調べ