12月に入り今年も残すところあとわずか。1年を振り返り、気持ちよく終えられるように、仕事に忘年会にと何かと忙しい時期です。
気持ちは年末年始休暇へ向かっていますが、ここで忘れてはいけないのが年末の挨拶と年始の挨拶。これまで、電話や訪問で伝えることが多かった挨拶も、メールで送ることが珍しくなくなりました。年末年始の挨拶をメールで送ってみませんか?
年末年始休暇をアナウンス
最近では、年末年始休暇の日程は、会社のホームページに掲載して周知する企業が増えました。休みの連絡は早い方がいいので、12月初旬には周知しているケースが多いようです。
中には、訪問時に口頭で伝える、電話をかけて伝えることを徹底している企業もあります。来年のカレンダーを持参して挨拶周りをするという企業もあるでしょう。
訪問するのが最も丁寧な印象を与えますが、電話で話すのと同様に、相手に時間をもらうことにもなります。忙しい時期で時間も限られているため、訪問せず電話をかけずに挨拶をする手段として、今ではメールも重宝されています。
年末の挨拶
年末の挨拶では、今年一年お世話になったことを感謝し、休暇に入ることを知らせます。休みのスケジュールを事前に知らせている場合は、改めて、いつから休みに入り、いつから仕事が始まるのかを関係者に知らせておくことで、迷惑をかけることを防ぎます。
重要な用件で問い合わせをしたら、既に休みに入っていて連絡がつかない。連絡が取れないから対処できず、問題が大きくなってしまうということは避けたいもの。
「今年1年ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。」といった仕事終わりの挨拶は、最終日から1週間前くらいを目安に行うことが多いでしょう。
年始の挨拶
年始の挨拶では、新年を祝い「今年もよろしくお願いいたします」という気持ちを伝えます。年末年始を挟んでストップしていた業務も、年始の挨拶をきっかけにスムーズな開始が期待できます。
新年の挨拶は、それ自体が目的として成立するので、比較的メールが送りやすいともいえます。あまり関わりがなかった人や取引が終わって時間がたっている人などに連絡するきっかけとしては有効です。ハガキと異なりメールは返事がしやすいため、新年の挨拶を皮切りに、コミュニケーションの再開も期待できます。
メールの使い方
年末の挨拶と年始の挨拶は、それだけでメールを送ってもいいですし、業務のメールに挨拶も一言添えてもよいでしょう。大切なのは、気持ちのよい挨拶が相手との結びつきを強くするということです。
人と人とのつながりは、何もせずに維持できるものではありません。定期的な接触が不可欠です。訪問してもいい、電話をかけてもいい、年賀状を送ってもいい。手段に絶対はありません。
ただ、負担に感じると連絡を取ることがおっくうになります。連絡した方がいいことは分かっているんだけど面倒で……、間があいてしまったから連絡がしづらくて……と理由を作って連絡しなくなってしまうということにもなりかねません。だから、そうしたストレスをできるだけなくすことが必要です。自分にとって使い勝手のいい手段を見付けることが大切です。
そうしたストレスも、メールを使えば軽減できます。年末の挨拶と年始の挨拶、両方ともテンプレートを作成し、相手に応じたメッセージを1行から2行くらい添えれば十分。奇をてらったことをする必要はありません。挨拶文は、ハガキの年賀状に書くのと同じ文章で構いません。メールだと返事もしやすいので、仕事につながる一言やリンクを張っておくのも一つの手です。
メールは一斉送信も可能です。複数の相手に一度に送信できるため、手間も軽減できます。配信システムを使えば、1対1のメールのように送ることもできます。
挨拶は明日への伏線
大事なのは、連絡を取りたいという気持ちがある限り、連絡を取り続けること。メールを送ったあとに電話でフォローをしてもいいのです。
気付いたら休みに入っていた。いつから仕事が始まるか分からない。それが理由での機会損失は、できるだけ避けたいもの。年末年始休暇の日程が周知されれば、誰にとってもスケジュールが立てやすくなります。それは相手のためだけでなく、自分のためでもあります。仕事の段取りをつけ、無駄な動きを省けるようになります。
年末年始は年が変わることもあり、通常以上にスケジュール管理や先回りして動くことが求められます。だからこそ、年末年始休暇のアナウンスは抜かりなく行いたいですね。
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平野友朗
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事、アイ・コミュニケーション代表取締役。1974年生まれ。筑波大学人間学類(認知心理学)卒業。広告代理店勤務を経て2003年に日本で唯一のメルマガコンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。2013年、一般社団法人日本ビジネスメール協会設立。ビジネスメール教育の第一人者として知られ、メールマナーに関するメディア掲載1,000回以上、著書26冊。メールを活用した営業手法には定評があり、メールとウェブマーケティングを駆使して5,000社の顧客を開拓。メールスキル向上指導、組織のメールに関するルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などを手がける。官公庁や企業などへのコンサルティングや講演、研修回数は年間120回を超える。著書や監修本には『仕事を高速化する「時間割」の作り方』(プレジデント社)、『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』(文響社)、『カリスマ講師に学ぶ! 実践ビジネスメール教室』(日経BP社)、『誰も教えてくれなかった ビジネスメールの書き方・送り方』(あさ出版)、『イラッとされないビジネスメール 正解 不正解』(サンクチュアリ出版)、『短いフレーズで気持ちが伝わる モノの書き方サクッとノート』(永岡書店)などがある。
セミナー情報「ビジネスメールの教科書」、メールマガジン「平野友朗の思考・実践メルマガ【毎日0.1%の成長】」。
日本ビジネスメール協会
日本で唯一のビジネスメール教育専門の団体。ビジネスメールに特化した講演・研修などの事業を10年以上前から行っており、これまでにメールに関する書籍を中心に27冊出版(内2冊は翻訳され台湾で出版)。メディアには1,000回以上登場し、ビジネスメールについて情報発信してきた。仕事におけるメールの利用状況と実態を調査した「ビジネスメール実態調査」を2007年から毎年行っており、本調査は、日本で唯一のビジネスメールに関する継続した調査として各メディアで紹介されている。
ビジネスメールに関する研修(講師派遣)や講演(公開講座)を実施。2時間でビジネスメールを学ぶ、「ビジネスメールコミュニケーション講座」は東京を中心に毎月開催。研修の問い合わせも受け付け中。