ひとことで「エンジンオイル」といっても、バイクメーカー純正のほか、国内外のさまざまなオイルメーカーから販売されています。種類も鉱物油から合成油、オイルの硬さも含めれば選び放題ですが、みなさんはどんなオイルを入れていますか?
今回は、マイナビニュース会員のライダーに聞いた「エンジンオイル」に関するアンケート結果を紹介します。
■オイルにこだわりのある人の割合
Q.バイクのオイルにこだわりはありますか?
はい ―――63.4%
いいえ ―――36.6%
エンジンオイルにこだわりのある方は6割以上という結果でした。メカに詳しくなくても、オイルが重要なことはよく知られているようです。それでは、どんな銘柄のオイルを入れているのでしょうか? その理由も聞いてみました。
■好きなオイルメーカーと、その理由は?
Q.好きなオイルを教えてください
1位: バイクメーカー純正 ―――63.9%
2位: 国産の鉱物油 ―――16.7%
3位: 国産の部分合成油 ―――7.8%
4位: 国産の全合成油 ―――5.6%
5位: 海外の鉱物油 ―――2.6%
6位: 海外の部分合成油 ―――1.1%
7位: 海外の全合成油 ―――1.1%
8位: とくにない ―――1.1%
Q.そのオイルが好きな理由を教えてください(自由回答)
【1位: バイクメーカー純正】
女性/42歳
バイクに合ったオイルで大切なバイクを長持ちさせたいから女性/23歳
純正油以外だとエンジンに悪影響な気がしているから男性/46歳
エンジンの開発時に使用しているオイルだと思うので、一番安心感がある男性/59歳
バイクショップから勧められた
6割以上という圧倒的人気のオイルは「バイクメーカー純正」。バイクメーカーが製造しているわけではなく、石油元売り企業やオイルメーカーのOEM製品ですが、バイクメーカーの求める仕様で作られた特注品。車両の開発にも使われているので一番安心できますね。純正にもスクーター用から超高性能のスーパースポーツ用まで何種類かあり、そのモデルに推奨されたグレードのオイルを入れるのが一般的です。
【2位: 国産の鉱物油】
女性/42歳
コストパフォーマンスがいいので男性/47歳
国産性の安心感男性/50歳
恩人的な人の教え男性/54歳
国内産のオイルは安心して使用できる
バイクショップや用品店だけでなく、ホームセンターでも手に入る「鉱物油」は安さが魅力。全合成油(100%化学合成油)や部分合成油より性能は劣りますが、短い期間で交換すればよいという人や、パッキンやシールの弱い旧車では安心して使えるという意見もあります。鉱物油といってもすべて同じではなく、かなり性能の高いものも存在するようです。
【3位: 国産の部分合成油】
女性/34歳
なんとなく男性/36歳
使いやすい男性/43歳
価格と性能のバランスの良さ男性/31歳
いろんなところで入れられる
部分合成油は鉱物油と全合成油をブレンドしたエンジンオイルですが、その割合は50:50ではありません。成分のほとんどは鉱物油ですが、熱や酸化による劣化の防止や始動性の向上など、鉱物油の弱点を全合成油の成分が補っています。『鉱物油は安いけどちょっと心配。かといって全合成油は高すぎる…』と迷われる方にはちょうどよいでしょう。
【4位: 国産の全合成油】
男性/58歳
バイクのエンジンに負荷を掛けたくない女性/49歳
値段は高いが、オイルがとてもいいから男性/32歳
価格が良心的であるから男性/47歳
合成油の方が長持ちするし、国産の方が品質にこだわってそうなので
エンジンオイルの元となるベースオイルは1~5までのグループに分かれますが、その中でグループ3以上を使ったものが全合成油です。不純物を除去し、気温が低くても始動性に優れ、酸化などの劣化もしにくいなどメリットはたくさんありますが、品質や性能が上がるほど高価になります。
【そのほか】
男性/29歳
品質にこだわっているのと、国内よりは海外のメーカーの方が高品質が商品を多く出しているため(海外の全合成油)男性/57歳
エンジンのスペックを引き出すと思うから(海外の鉱物油)女性/28歳
カストロールが好きだから女性/31歳
コスパ重視(とくにない)
中高年ライダーの間では、若い頃に見たレーシングマシンのカウルに貼られていた「カストロール」や「モチュール」、「エルフ」といった海外のブランドにあこがれを持ち、現在も愛用している人がいます。自分が大好きなオイルを入れて楽しむこともバイク趣味の醍醐味ですね。
■どのくらいの価格のオイルを入れてるか?
Q.1Lあたり、どのくらいの価格のオイルを入れますか?
500円以下 ―――3.3%
500~1000円 ―――20.4%
1000~2000円 ―――34.6%
2000~4000円 ―――21.6%
4000~6000円 ―――4.5%
6000円以上 ―――2.6%
とくに決めていない ―――13.0%
オイルの価格で一番多かったのは1Lあたり1,000~2,000円。これは一番人気だったバイクメーカー純正オイルの標準グレードの価格帯です。大排気量車やスーパースポーツなどの高性能車になると、その上の2,000~4,000円クラスになりますね。4,000円以上になると、海外の有名ブランドや国内のプレミアムオイルを販売するメーカーでしょう。
■オイルで選びで大事なポイントや、参考にするものは?
Q.バイクのオイルで重視するポイントを教えてください(複数選択可)
1位: 潤滑性能 ―――65.4%
2位: 耐久性 ―――57.2%
3位: メーカーの知名度 ―――43.1%
4位: 価格 ―――42.85
5位: パッケージのデザインなど ―――7.8%
6位: 香り ―――7.4%
7位: あまり考えず、そのときの気分で決める ―――1.9%
Q.オイル選びの際、何を参考にしますか? (複数選択可)
1位: メーカーの評判 ―――48.7%
2位: 雑誌やWeb媒体のレビュー ―――47.6%
3位: 友達や知人、行きつけのバイクショップの評判 ―――39.0%
4位: 自分で確かめる ―――32.7%
5位: ブロガーなどのアマチュアのレビュー ―――29.0%
6位: 価格 ―――24.2%
7位: とくに決めていない ―――3.0%
重視するポイントは、やはり潤滑性能という方が6割以上を占めていました。ただ、いくら性能がよくても、現実的には耐久性や価格といったコスパも無視できませんね。参考にするのは、メーカーの評判やメディアのレビュー、知人や行きつけのバイクショップなどが多いようでした。『とりあえずオイルなら何でもよい』というわけにはいきませんね。
■オイルやフィルターの交換タイミングは?
Q.オイル交換するタイミングを教えてください
1位: 3,000~6,000km以内 ―――31.8%
2位: 1,000~3,000km以内 ―――18.6%
3位: 6,000~10,000km以内 ―――15.1%
4位: お金があるときや、その時の気分で決める ―――14.6%
5位: 走行距離ではなく、春や秋など時期で決めている ―――12.5%
6位: 10,000~15,000km以内 ―――3.8%
7位: 1,000km以内 ―――2.8%
8位: 15,000km以上 ―――0.7%
Q.オイルフィルターは替えますか?
1位: 2回に1回で替える ―――40.1%
2位: あまり替えない ―――17.5%
3位: 3回に1回で替える ―――15.3%
4位: オイル交換ごとに替えている ―――14.9%
5位: そのときの気分できめる ―――12.3%
オイル交換の推奨時期はエンジン形式で異なりますが、国産バイクメーカーの場合、多くは3,000~6,000km、251cc以上の水冷エンジンで10,000km、または1年毎とされるケースが多いようです。空冷はオイルに厳しく、小型車は常用エンジン回転数が高い上、オイル量も少ないためと考えられます。フィルター交換もその2~3倍の距離ですので、ほとんどの方がメーカーの推奨時期をしっかり守っているようでした。
■軟らかい? 硬い? 粘度はどうする?
Q.オイルの粘度にこだわりはありますか?
1位: 必ずメーカー推奨の粘度にしている ―――42.9%
2位: 夏や冬、個体差など、自分なりに考えて決めている ―――23.6%
3位: あまりこだわらない ―――33.5%
オイルの粘度は「10w-40」など、外気温の低温時と、高温時の粘度というマルチグレード表示が一般的です。一般的な使用状況ではバイクメーカーが推奨する粘度で問題ありませんが、冬は少し軟らかいものを入れ、夏は硬めにするなど、自分なりに粘度を変える方も少なくないようです。
■信頼性・コスト・性能のバランスがよい純正オイル
バイクはエンジンの音や鼓動を楽しむ乗物。だからこそエンジンはいつも絶好調であってほしいものですが、そのためにオイルの管理が重要だということはほとんどの方が理解されていました。
エンジンオイルは「液体パーツ」ともいわれ、さまざまなオイルメーカーが研究を進めてきました。有名ブランドの超高級オイルはメカノイズを減らし、フィーリングや耐久性も向上させるなど、エンジンにとってメリットは盛りだくさんですが、やはり値段も高くなります。
マニアックな方はこういったオイルを入れて楽しんだりしますが、一般ユーザーの場合、さすがにそこまではお金はかけられませんし、かといって聞いたこともない海外メーカーの格安オイルを入れるのも気が引けます。
やはり安心感を持てるのは国産品。バイクメーカーの純正ならさらに安心ですね。昔は「純正オイル」というと、何のひねりもなく安っぽいイメージもありましたが、今はスタンダードからプレミアムまでさまざまな種類が出ており、性能も一級品。信頼性・コスト・性能のバランスは一番よいといえるでしょう。
調査時期: 2022年11月10日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 1010人
調査方法: インターネットログイン式アンケート