歌舞伎町のホスト80人が実際に詠んだ短歌を原作とするFODオリジナルドラマ『ホスト万葉集』が、12月18日20時から独占配信される。

  • 『ホスト万葉集』原作書影

    『ホスト万葉集』原作書影

「歌舞伎町の光源氏」が紡ぐ現代の短歌集として話題に

原作は、歌舞伎町のホストクラブ集団「Smappa!Group」の会長・手塚マキ氏と、同グループに所属するホスト80人が詠んだ短歌を、歌人の俵万智氏、野口あや子氏、小佐野彈氏が編んだ『ホスト万葉集 文庫スペシャル』(講談社文庫)。

ホストたちの本音や葛藤、恋愛、孤独を詠んだ短歌が共感を呼び、「歌舞伎町の光源氏」が紡ぐ現代の短歌集として話題を集めた。

ドラマでは、実在するホストたちの短歌をモチーフに、夢や欲望、恋愛、孤独など、様々な思いを抱えて生きるホストと客たちの姿を描く。歌舞伎町のネオンが照らす光と影の中で、傷だらけの愛や葛藤、成長を描く青春群像劇となる。

「顔以外がだいぶ残念」新人ホストが短歌で才能を開花

物語の舞台は、新宿・歌舞伎町のホストクラブ「Vivace」。

自分の顔に絶対的な自信を持つタケルは、有名ホストを目指して入店するものの、客の女性たちからは「顔以外がだいぶ残念」と言われ、3カ月が経っても本指名が取れずにいた。

そんなタケルが意識しているのは、圧倒的な人気を誇りながらも、決して本性を見せないホスト・レオ。「どうすればレオに追いつけるのか…」と悩むタケルを、会長の手嶋は店で開催されている“歌会”に誘う。

ホストたちが短歌を詠むその歌会には、「参加すると売れる」というジンクスがあった。

「千円を前借りにして口にする おにぎり一個の我の悔しさ」

心の叫びを素直にぶつけたタケルの短歌は、思いのほか好評で、いきなり入賞する。

「何者かになりたい」と歌舞伎町にやってきた新人ホストと、人気者でありながら孤独をまとうホスト、そして様々な傷や欲望を抱えて店を訪れる女性たち。短歌を通して自分の心と向き合う彼らが、夜の街でどのような答えにたどり着くのかが描かれる。

プロデューサー「誰もが隠している愛おしい孤独を描いている」

プロデュースを担当するフジテレビの田上向日葵氏は「本作の最大の魅力は、誰もが隠している愛おしい孤独を描いていることだと思っています」とコメント。

取材で触れたホストたちの短歌について、「決して遠い世界の出来事ではなく、息が詰まるような社会を生きる私たちの心の叫びそのものであるように感じます」と語り、「胸の奥に秘めた心の隙間と向き合いながら不器用に生きる登場人物の姿を通して、ふと心が疲れた夜に、そっと寄り添えるような作品になれると大変うれしいです」と願いを込めた。

共同テレビの貸川聡子プロデューサーは、原作と出会った当時を振り返り、「嘘や孤独、欲望が織りなす複雑さをそのままゴロンと出されたような、短歌でなければ表現できないものがそこにあって、その歪な美しさと面白さに夢中になりました」と説明。

「コロナ禍に出会った『ホスト万葉集』を、6年の時を経てドラマ化できたことを心から嬉しく思います」と喜び、「登場人物たちのある種の“青春”を描くとともに、短歌そのものの魅力もお届けできたら幸いです」と呼びかけた。

脚本はニシオカ・ト・ニール氏、演出は佐々木豪氏、松田祐輔氏、五十畑哉耶氏が担当する。

【編集部MEMO】
手塚マキ
1977年生まれ、埼玉県出身。1997年から新宿・歌舞伎町で働き始め、ナンバーワンホストを経て26歳で起業。ホストクラブや飲食店などを展開する「Smappa!Group」の会長を務める。ホストによる歌会など文化的な取り組みも推進し、歌舞伎町で働くホストたちと短歌集『ホスト万葉集』を出版。著書に『新宿・歌舞伎町 人はなぜ〈夜の街〉を求めるのか』など。

(C)手塚マキと歌舞伎町ホスト80人 from Smappa!Group/講談社