
米ロック・バンド、エアロスミス(Aerosmith)が、現地時間2026年10月29日と11月1日にロサンゼルスのハリウッド・ボウルで2夜限りのコンサート・イベント”California, Dream On: Aerosmith & Friends”を開催し、エアロスミスのメンバーがステージに復帰、それを祝すように豪華ミュージシャンもステージに立った。二日目の日本オフィシャルレポートが到着。
From the Permanent Vacation Tour in 1987 to the Hollywood Bowl in 2026...39 years later, and still making noise together @gunsnroses @HollywoodBowl
Photos: @RossHalfin https://t.co/Emb06D7Isk — Aerosmith (@Aerosmith) November 3, 2026
『野獣生誕(エアロスミスI)』から53年、ロックンロールを生き抜いた野獣エアロスミスが、11月1日(日)、ロサンゼルスの歴史的野外会場ハリウッド・ボウルで2夜限定の最高の祝賀を終えた。
振り返れば2023年、彼らは「ピース・アウト:フェアウェル」と銘打った引退ツアーに乗り出していた。しかし開始から3公演目でスティーヴン・タイラーが声帯を痛めて中止になり、最後の北米ツアーは消え去った。半世紀も君臨した野獣の最期としては、あまりにも悔しい筋書きだ。しかしここ数年間の間にスティーヴンは繰り返しステージに立ち、2025年7月にはブラック・サバスの「バック・トゥ・ザ・ビギニング」公演に出演、9月のMTVヴィデオ・ミュージック・アワードでは、ヤングブラッドと共にブラック・サバスの追悼パフォーマンスを披露した。
これらを目撃した世界中のファンが、エアロのツアー再開を願ったことと思う。そして10月7日、あまりにも突然に、ハリウッド・ボウルでの10月29日、11月1日の2公演が発表された。「カリフォルニア・ドリーム・オン:エアロスミス&フレンズ」という名目で、ガンズ&ローゼズ、ブラック・クロウズ、ハート、ビリー・アイドル等、豪華ミュージシャンが一堂に会するまさに歴史的なコンサートだ。ソールドアウト2日目の夜、17,500人を収容する同会場には老若男女が集い、カリフォルニア州外からもファンが訪れていた。
多数のゲストが参加していたため、開演時間は6時15分と通常のコンサートよりも2時間早く始まった。オープニングは、マーカス・キングがヴォーカルを取った「Same Old Song And Dance」。ハウスバンドはショウを通して同じメンバーで、その中にはこのショウのミュージカル・ディレクターを務めたプロデューサー、ドン・ワズの姿もあった。
ゲストは次々に入れ替わり、アリス・イン・チェインズのジェリー・カントレルとマイク・アイネズにリッチー・コッツェンがヴォーカルとして加わって「Draw The Line」と「Nobodys Fault」を披露した後、「Kings & Queens」でトム・モレロのグルーヴィーなリフにヘイルストームのリジー・ヘイルが美声を響かせた。
ビリー・アイドルとスティーヴン・スティーヴンスによる「Livin On The Edge」は、パンクのエッジと重厚感が加わっていた。トレインのパット・モナハンも味のあるヴォーカルを響かせ、グレイス・ポーターと「Cryin」のデュエットで盛り上げた。
ハートのアンとナンシーは、「Janies Got A Gun」に続けて「Barracuda」も熱唱。一旦休憩を挟み、ブラック・クロウズが「Let The Music Do The Talking」を含む5曲で見事で渋いパフォーマンスを披露、その後はガンズ・アンド・ローゼズが「Mama Kin」から始めて3曲で場内の熱狂を煽った。アクセルは「この間は4曲、今夜は3曲演奏した。それでも俺はまだ緊張してる。重大な意義があるステージだからな」とはにかんだ後、「Sweet Child O Mine」で合唱を促し、「Nightrain」で締めた。
エアロスミスは終わらない──55年目の咆哮
9時20分、スティーヴンの娘、リヴ・タイラーの紹介でエアロスミスはステージに躍り出た。「Toys In The Attic」だ。彼らにしか出せない疾走感とグルーヴ、スティーヴンの艶やかで強力なヴォーカルが、一気に観客を沸騰させ、年配者の多い場内が総立ちとなった。フェアウェル・ツアーのドラマーだったジョン・ダグラスとトム・ハミルトンのリズムには強固な安定感があり、ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードのリフがキレまくっている。実に鮮やかだ。
高音の雄叫びとグルーヴィーなリフが炸裂する「Back In The Saddle」の後半はジャムに突入、スティーヴンがスカーフを垂らしたスタンドを振り回した。この夜、「この2公演は彼らの最後のショウなのか」という疑問は、誰の頭にもあったはずだ。しかしスティーヴンは、こう語り出した。「ロサンゼルス! 天使の街! 2夜目だな! 木曜日は最高に激しくこの会場を揺るがしてやったから、近所の住民がデカい地震だと思ったぜ。今夜は、信じてくれ、余震以上のデカいのを感じるはずだ」と持ち前のユーモアで観客を笑わせた後、「(司会の)ビル・バーが今回のショウが最後だって言ったらしいな。俺達を駆除なんかできやしないぜ。世界が終わる時、確実に生き残るのは、ゴキブリとエアロスミスだ。あとは、ビル・バーじゃねえか? どこ行った!」と喧嘩を売っていた。どうやら、まだまだ去る気はなかったらしい。
イントロで大歓声が挙がった「Sweet Emotion」で合唱を巻き起こした後は、ステージ中央に白いグランドピアノが登場した。「Dream On」だ。クライマックスでスティーヴンはピアノの上に飛び乗り、観客と共に熱唱してハイライトを作った。それから初日になかった唯一の曲、ザ・ビートルズの「Come Together」で再びシンガロングを起こした後、ジョーイ・クレイマーが登場。「俺たちは今でも、同じ5人のメンバーだ」とスティーヴンが誇らしげに言い、ジョーイの肩を抱いた。
彼のドラムで跳ねるように始まったのは、「Walk This Way」のイントロだ。熱狂的歓声を受けてスティーヴンが、「ちょっと待て。誰か足りない。ランD.M.C.だ!」とシャウトすると、ジャム・マスター・ジェイの立つターンテーブルの後ろからランとD.M.C.が躍り出た。ダブルのドラムに合わせてスティーヴンと彼らが掛け合いをする中、ジョーのギターが唸りをあげた。圧巻だ。
曲を終えて右手に持ったスティックを高く掲げて拍手喝采を浴びたジョーイが退場すると、スティーヴンがゲスト一人一人に感謝を述べ、ジョーが引き継いだ。そしてラストは「Train Kept A Rollin」で、至高のジャムへと雪崩れ込んだ。7曲の全てが80年代以前のクラシック曲で、彼らのケミストリーが如実に見える不朽の曲揃いだったことが、エアロスミスというレジェンドの生き様を物語っていたと思う。
最後の最後に、スティーヴンは「ステージを去る前に、言っておきたい。俺達はこの兄弟で55年間、歴史を書き続けてきた」、「2800公演以上を売り、15枚のアルバムを発表して、今でもケツを蹴り上げてる!」と言ってからジョーイ、トム、ブラッドとメンバー紹介をし、「ミスター、ジョー・ファッキン、ペリー!」と叫んだ。ジョーは、明らかに感極まっていた。「出演者全員に礼を言いたい。俺達の演奏よりずっと良かった。感嘆したよ。俺達は、音楽に語らせた。じゃあ、このリード・ヴォーカルを紹介しようか」。スティーヴンが満面の笑顔でジョーに近寄った。「改めて、今夜観に来てくれた皆、本当にありがとう、スティーヴン・タイラー!」。
「美しいベイビー達、ありがとうな」と言う最後のスティーヴンの挨拶で、ハリウッド・ボウルの名物でもある大量の花火が打ち上がり、ショウは幕を閉じた。この伝説的な野獣は、この先もまだまだ眠らなさそうである。
文:鈴木美穂
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エアロスミス アーティスト ページ https://www.universal-music.co.jp/aerosmith/
