衣替えシーズン。クローゼットの奥から昔着ていた服やバッグが出てくることもあるだろう。「古臭いし、もう価値なんてないよね」と捨ててしまう前に、リユース市場の現状をチェックしてほしい。実は、当時はタダ同然だったものが、今や数十万円というお宝に化けているケースが続出しているらしいのだ。

今回は、衣替えで見つけたい意外な高額査定アイテムについて、大手買取専門店「買取大吉」の鑑定士・木村健一さんに話を聞いた。

バッグが見つかればラッキー! 服は「ヴィンテージ」がキーワード

――衣替えの時期、クローゼットの整理で出てきたものの中で、特に高値がつきやすいものは何ですか?

やっぱり、バッグが比較的お値段はつきやすいですね。お母さんやおばあちゃんから譲り受けたような、奥にしまい込んでいたヴィンテージのバッグなどをお持ちの方もいると思います。これらは今、非常に需要が高いんです。

一方で、お洋服に関してはそれぞれサイズがある分、バッグに比べると買い手が限定されてしまうので、少し価格が落ちやすい傾向はあります。ただ、ここ1~2年で状況が大きく変わっていて、今はヴィンテージブームがとにかくすごい。今まではリーバイスのデニムみたいな“古着の定番”ばかりが注目されていましたが、最近はハイブランドの年代物のお洋服が再評価されているんです。

「デザイナー」が価値を決める? ハイブランドのアーカイブブーム

――ハイブランドの古い服……たとえば、どのようなブランドですか?

シャネル、エルメス、ヴィトン、あとはセリーヌなどが挙げられます。今は、それらのブランドを「誰がデザイナーだった頃のアイテムか」という視点で集めるコレクターが増えているんです。

たとえばシャネルなら、亡くなられたカール・ラガーフェルド時代のツイードジャケットが今でも安定して高い。エルメスであれば、数十年前にマルタン・マルジェラがデザインしていた頃のお洋服。この「マルジェラ期」のアイテムは高値で取引されるケースが多々あります。

かつては新しいアイテムが重視されていた洋服の世界でしたが、今は当時の定価と同等、もしくはそれ以上の金額がつくものまで出ています。これは本当に、ここ数年の大きな変化ですね。

「昔のゴミ」が100万円に!? 爆騰するヴィンテージTシャツの世界

――服の中でも、「意外な高値」がつくアイテムなどはありますか?

今一番は注目されているのはTシャツです。1980年代から90年代にかけての、ロックTやスケーター系。特にステューシーの古いスウェットやシャツは、今や10万~20万円になったりしています。

映画系やアニメ系も買取額が上がっています。例えば『パルプ・フィクション』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など、昔、映画を見に行ったときのお土産として買ったようなアイテムが、今ではプレミアがついて100万円近い値がつくものまであるんです。

――100万円……! 家で眠っていたらラッキーですね。

「記念に買ってそのまま放置されていたもの」にとんでもない価値がついているんです。ボロボロのTシャツでも、オリジナル(当時の正規品)であれば30万~40万円という世界。ちょっと理解できない世界観かもしれませんが(笑)、それだけ熱狂的なコレクターがいるということなんですよね。

売り時はいつ? シーズンとトレンドの見極め方

――秋物の衣替えですが、やはり時期によって買取価格は変わるのでしょうか?

一般的には「シーズン直前」が一番売りやすいとは言われています。ただ、今お話ししたようなレアアイテムやヴィンテージに関しては、シーズンは関係ありませんから、夏でも冬でも高値が付きます。

逆に、最近のトレンドを追いかけているブランドのダウンジャケットなどは、早めに売ったほうがいいですね。今はオーバーシルエットからジャストフィットにトレンドが戻りつつあるので、型落ちになる前に手放すのが賢い選択かもしれません。モンクレールのような超定番は別ですが、流行りに左右されやすいものは「着ない」と思ったらすぐ査定に出すのが一番だと思います。