フェラーリが創立40周年を記念し、1987年に制作したのがスーパースポーツカーの「F40」だ。創業者であるエンツォ・フェラーリが生前に承認した“最後の市販フェラーリ”としても知られている。開発コンセプトは「公道を走るレーシングカー」。パワステやABS、オーディオなどの快適装備を全て削ぎ落とし、過激かつ純粋な走りを追求した伝説の名車を実車確認してきた。

  • フェラーリ「F40」

    「Ferrari Festival Tokyo 2026」(9月26日~10月4日、東京ミッドタウンで開催)の会場には、1980年代~最新モデルまで計17台のフェラーリが集結。今回は、その中から「F40」を取り上げる(本稿の写真は撮影:原アキラ)

フェラーリの祭典! 「Ferrari Festival Tokyo 2026」に集ったクルマたちを一気に見る

軽量化を徹底! 乾燥重量はわずか1.1トン

F40はフェラーリ創立40周年記念の「スペチアーレ」(特別限定車)だ。

シャシーは鋼管スチールスペースフレームにケブラー/カーボンパネルを使用。ボディサイズは全長4,358mm、全幅1,970mm、全高1,124mm、ホイールベース2,450mmだ。内装のライニングを省いたり、アクリル製ウインドウ(初期モデル)を使用したりするなど軽量化を徹底した結果、乾燥重量はわずか1,100kgに抑えられていた。

  • フェラーリ「F40」

搭載するパワートレインは「288GTO」系を発展させた2.9LのV型8気筒に、IHI製のターボ2基とインタークーラーを組み合わせたDOHCツインターボ。最高出力は478PSとなっている。5速MTを介した最高速度は324km/hを記録。市販モデルとして、世界で初めて200マイル(322km/h)を突破した記念すべきクルマなのである。

その乗り味と言えば、低回転ではトルクが薄く、ツインターボのブーストが上がる4,000rpm以降は一気に過給圧が高まるといういわゆる「ドッカンターボ」であることが有名。コーナー出口などでのアクセルワークには、繊細なペダルワークが必要となる。

  • フェラーリ「F40」

パワーサポートのないステアリングや重いクラッチペダル、アシストがないブレーキペダルなどを操作するには、それ相応の筋力が必須。さらに、路面からの強烈なフィードバックを抑えつつ、正確なコントロールを行うためには、高い技術力が求められる。絶えず襲ってくる緊張感を抑え込むためには、強靭な精神力を備えていなければならない。乗る人を選ぶクルマであるだけに、乗りこなすことができれば喜びはこの上ないはずだ。

この過激なアナログレーシングモデルは約40万ドルで発売され、日本でもバブル期にはかなりのプレミアム価格がついたという。生産は当初400台を予定していたものの、最終的には1,311台が製造された。中古・オークション市場では落札価格が5億円を突破することもあるそうだ。

【フォトギャラリー】フェラーリ「F40」