西山朋佳白玲に福間香奈女流四冠が挑戦するヒューリック杯第6期白玲戦七番勝負は、西山白玲リードで迎えた第4局が9月26日(土)に京都府京都市の「ザ・ゲートホテル京都高瀬川」で行われました。対局の結果、両者得意の相振り飛車戦から抜け出した西山白玲が125手で勝利。防衛にあと1勝としてクイーン白玲の座に大きく近づきました。
あうんの呼吸で相振り飛車
西山白玲が防衛すれば白玲通算5期で棋士編入資格を得るということもあり注目の高まるシリーズ。第1・3局に続いて相振り飛車となった本局は序盤の角交換から乱戦へと突入します。西山白玲が横歩取りの要領で中央の歩をかすめ取ったのが波紋の一手。このまま一歩得で収めさせるわけにいかないと、後手の福間女流四冠は馬作りの積極策で応えました。
盤上中央で両者足を止めての打ち合いが続きます。▲銀桂△飛の二枚換えで駒割は互角ながら、後手は自陣に引きつけた馬の厚みが主張。落ち着かせては攻めどころがなくなると見た西山白玲は軽やかな桂跳ねで攻めに厚みを加えました。振り飛車党の指がしなるこの活用が物を言って形勢は徐々に先手ペースに。福間女流四冠は自陣のカベ銀の愚形が祟ります。
二枚桂が主役の一局
つかみどころが難しい中盤戦のなか西山白玲は小気味よい攻めでリードを拡げます。丁寧な垂れ歩で後手が持つ3枚の大駒すべての働きを弱めておき、一転してジッと自陣隅で遊んでいた右桂を活用したのがこちらも味わい深いさばきでした。駒効率の悪い後手に有効な手がないのを見越しており、先手からは次に後手玉急所のコビンに殺到する手が楽しみです。
攻守に憂いをなくした西山白玲は満を持してたまっていた力を爆発させます。飛車打ちの王手から金をボロっと取る手が実現してはさすがの福間女流四冠も粘りようがありません。終局時刻は18時4分、最後は自玉の詰みを認めた福間女流四冠の投了で熱戦に幕。形勢判断の難しい乱戦から玄人好みの二枚桂の活用で抜け出した西山白玲の快勝譜となりました。
3勝1敗とした西山白玲が勢いそのままに防衛を決めるか、注目の第5局は10月10日(土)に石川県金沢市の「ホテル日航金沢」で行われます。
水留啓(将棋情報局)
