
(左から)パーソナリティの小山薫堂、渡辺周さん、宇賀なつみ
◆海軍からの要請で始まった地球儀作り
渡辺周さんは、埼玉県草加市に本社を置く地球儀メーカー「渡辺教具製作所」の代表を務めています。大学卒業後は商社に勤務し、香港、クアラルンプール、シンガポールで計5年間の海外生活を経験。2015年に家業へ入り、翌年、社長に就任。伝統的な手貼り製法を継承しながら、地球儀と学びの新たな可能性を広げています。
小山が「勝手にもっとご年配の方がいらっしゃるのかと思ったらお若いですね」と驚くと、渡辺さんは「私で5代目になります。創業は89年前の1937年です」といいます。もともとは星座早見盤や小型プラネタリウムなど、天文関係の教材を中心に手がけていました。創業者がシンガポール滞在時に見た美しい星空に感動したことが、創業のきっかけだったそうです。
地球儀の製造を始めた経緯について、渡辺さんは「創業の地が築地で、当時築地に海軍の水路部という地図や天文を管轄する部署がありました。当時はまだ日本製で正確な地球儀がなかったため、『協力するので作ってください』という要請から始まったと言われています」と語ります。小山は「日本製のちゃんとした地球儀ができて、100年の歴史がないんですね」と感心した様子を見せました。
スタジオには職人が手作業で仕上げた手貼りの地球儀が登場。小山が「紙が貼ってあるんですか?」と尋ねると、渡辺さんは「1枚1枚舟型の地図を職人が手貼りする製法で作っています。18分割になっていて、1枚の舟あたり3分以内に貼っていく作業になります」と、特殊なシートを舟型にカットし、1枚ずつ貼っていく伝統製法について解説しました。
宇賀が「1枚ペタってなっているのかと思っていました」と驚くと、小山も「1分1秒を争う作業ですね。一人前になるまでどれくらいの修業が必要なんですか?」と質問。渡辺さんは「5年はかかりますね」と答え、熟練の職人技の難しさを明かしました。
また、地球儀には「社会的地球儀(国別の色分け)」と「理科的地球儀(標高・地勢ごとの色分け)」の2種類があることも紹介。中国を例に挙げ、「行政的だと『大きい国だな』で終わりますが、地勢タイプで見ると国土の半分以上が山や砂漠で、都市化できる場所が限られていることが分かります」と、地球儀ならではの学びの面白さを語りました。
◆AR技術で進化する最新地球儀とは?
番組後半では、最新技術を取り入れた「ほぼ日のアースボール ジャーニー」をスタジオで体験。一見するとシンプルなデザインの地球儀ですが、無料の専用アプリを起動してスマートフォンやタブレットをかざすと、画面上の地球儀にリアルタイムの地球の様子が合成されて浮かび上がります。渡辺さんが「リアルタイムの今の気象などが分かるんです」とアプリをかざしてみせると、画面には世界中の雲の動きが立体的に映し出されました。
画面を覗き込んだ宇賀は「おー! 雲の位置とかもリアルってことですか? すごい!」と大興奮。雨が降っている地域が表示されたり、画面上の風マークをタップすることで風の流れがアニメーションで現れたりと、刻一刻と変化する地球の姿が目の前に再現されます。
さらに、太陽の光が当たっていない夜の地域にカメラを向けると、画面の中の地球も夜の装いに変化。「夜は都市部のところが電気の明かりで明るくなっています」と渡辺さんは説明します。地図上の都市をタップすることで都市名が表示される機能もあり、2人は「面白いですね、これ!」と夢中になって画面に見入っていました。
AR地球儀「ほぼ日のアースボール ジャーニー」
◆創業者・渡辺雲晴さんへ宛てた手紙
番組恒例の「手紙の朗読」コーナーでは、渡辺さんのひいおじい様であり創業者の渡辺雲晴さんへ宛てた手紙を披露しました。築地本願寺の住職でもあった雲晴さんが残した言葉について、渡辺さんは手紙の中でこう綴ります。
「雲晴様が舵を取られていた時代、地球儀作りは困難の連続だったはずです。しかし、その苦難を通して『地球儀の事業は平和のなかでしか育たない。だからこそ平和を祈ろう』という企業姿勢を築き上げられました。平和の基本は、まず世界を知ること。私はそう信じています」と読み上げます。
朗読を聞いた宇賀は「こうして見ていると、地球は1つの星で全部繋がっているのに、なぜ争いごとが続いてしまうんだろうと考えてしまいますね」と話し、地球儀を通して世界に目を向ける大切さを噛み締めました。
<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY'S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/post/
番組公式X:@sundayspost1