裁かれたはずの罪だった――俳優の高橋文哉と田中泯が、12月に放送・配信スタートするWOWOW『連続ドラマW 告解』(全4話)でW主演を務める。2人は初共演で、ともにWOWOWオリジナルドラマ初主演となる。

原作は、『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞した薬丸岳氏による同名長編小説。飲酒運転の末にひき逃げ事件を起こした加害者と、愛する妻を奪われた被害者遺族、双方の人生を通して、消えることのない罪を背負う者の贖罪の在り方を問う社会派ヒューマンサスペンスとなっている。

  • (左から)高橋文哉、田中泯

    (左から)高橋文哉、田中泯

高橋文哉、罪悪感や後悔に苛まれる加害者役

高橋が演じるのは、大学生の籬翔太。恋人に会うため、飲酒していたにもかかわらず車を運転し、その道中で一人の女性をはね、その場から逃走する。

逮捕された翔太は4年10カ月の実刑判決を受け、25歳で出所。しかし、刑期を終えても罪そのものが消えるわけではなく、その重みを背負い続ける過酷な現実と向き合うことになる。

これまでさまざまな作品で瑞々しい表情を見せてきた高橋が、今回は罪悪感や後悔、孤独に苛まれる加害者という難役に挑戦。これまでの印象を一新する新境地となる。

高橋は、WOWOWドラマへの初出演について「WOWOWさんが描くドラマの雰囲気やテイストがすごく好きで、作品の世界に引き摺り込むお芝居の持つ力を改めて感じた瞬間がたくさんあります」とコメント。

翔太役については「籬翔太という役を今の自分に託していただけたことが本当に嬉しく、光栄でした」と喜び、「今作で籬翔太を演じる事ができて自分の中でも大きく成長し、向き合うきっかけをたくさんもらいました」と手応えを明かした。

田中泯、妻を奪った男の隣人に

一方、田中が演じる法輪二三久は、翔太の起こしたひき逃げ事件で愛する妻を失った被害者遺族。探偵を雇ってひそかに翔太の行方を追い、出所後の翔太が暮らすアパートへ、身元を隠したまま移り住む。

なぜ二三久は、自ら妻を死なせた男の隣人となったのか。その行動は復讐なのか。歳月を経ても消えることのない喪失と怒りを抱えた人物を、田中が演じる。

田中は出演を決める基準について「『その人』になってみたいかどうか...それだけが僕が出演を受け入れる要件」と明かし、二三久を演じることについて「大変だったけれど、こんなにありがたいことはないのです!」と振り返る。

二三久は、戦争体験も背負い、認知症の波にも揺れる人物。田中は「現在と過去の渦の中で翔太という若者が二三久のココロの中にカラダの内に一緒に生き続けることになるのです」と役柄を表現し、「期待に応えられるか! どうか楽しみにしておいてください」と呼びかけた。

薬丸岳作品、WOWOWで3度目の連続ドラマ化

薬丸作品がWOWOWで連続ドラマ化されるのは、2015年の『連続ドラマW 天使のナイフ』、2019年の『連続ドラマW 悪党 ~加害者追跡調査~』に続いて3作目。

監督は、WOWOW『コールドケース』シリーズや映画『サイレント・トーキョー』などを手掛けた波多野貴文。脚本には、『半沢直樹』『サンクチュアリ -聖域-』、映画『サバカン SABAKAN』などの金沢知樹と萩森淳が名を連ねる。

薬丸氏は、本作について「けっして楽しい話ではなく、むしろ重苦しい展開が続く物語なので、映像化には不向きではないかと心のどこかで感じていました」と告白。それだけに高橋と田中のW主演で映像化されることに「驚きとともに大きな喜びを感じています」と期待を寄せた。

「このドラマを通して、人が生きていくうえで大切な『何か』を感じ取っていただけたら原作者として何よりの幸せです」とメッセージを送っている。

監督「目や佇まい、沈黙で伝えられる俳優」

波多野監督は、高橋と田中について「世代も個性も異なるお二人ですが、共通しているのは、台詞では語りきれない感情を、目や佇まい、沈黙で伝えられる俳優であることです」と説明。

高橋には「罪を背負いながらも生きる青年の脆さと揺らぎ」、田中には「長い年月、抱えてきた痛みと深い孤独、亡くした家族に再び会いたいと願う思いを胸に、生き続けてきた人間の執念」を託したといい、「二人が向き合う瞬間、その間に流れる時間そのものを、ぜひ感じていただきたいです」と語る。

脚本の金沢氏も、人間の罪や後悔、赦しという原作の重いテーマを大切にしたといい、「登場人物それぞれの感情が簡単に割り切れないところも、この作品の大きな魅力」とコメントしている。

田中泯「君は、私の妻を殺したのか?」

あわせて公開されたティザービジュアルには、物語の重要な舞台となるアパートの前に翔太と二三久が並んで立つ姿を収録。互いに視線を交わさず正面を見つめる2人の間に、埋めることのできない隔たりが表現されている。

さらに、本編映像を初公開する特報も解禁。雨の夜に起きたひき逃げ事件を起点に、罪の重みに追い詰められていく翔太と、妻を失った喪失を抱えて生きる二三久の姿が描かれる。

その中で、二三久が翔太に投げかけるのは「君は、私の妻を殺したのか?」という問い。

刑期を終えた加害者と、加害者を追い続けてきた被害者遺族。ひとつのアパートで再び交錯した2人の人生は、どこへ向かうのか。「罪を犯した人間は、その罪とどう向き合い、その先の人生をどう生きるのか」という問いに迫っていく。

【編集部MEMO】
高橋文哉は2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。2019年に『仮面ライダーゼロワン』で主演を務め、その後『最愛』『君の花になる』『フェルマーの料理』、NHK連続テレビ小説『あんぱん』、映画『交換ウソ日記』『ブルーピリオド』『少年と犬』『ブルーロック』などに出演。
 
田中泯は1945年3月10日生まれ、東京都出身。1966年から独自の舞踊活動を展開し、78年にパリで海外デビュー。2002年の映画『たそがれ清兵衛』で映像作品に初出演し、以降、俳優としても国内外の映画・ドラマに出演。映画『国宝』では小野川万菊を演じた。