
(左から)パーソナリティの小山薫堂、押尾コータローさん、宇賀なつみ
◆「女子にモテたい」不純な動機と挫折
押尾コータローさんは、1968年、大阪府吹田市生まれ。中学2年生でギターを始め、2002年にアルバム『STARTING POINT』でメジャーデビュー。同じ年に全米デビューも果たし、スイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルに3年連続で出演します。オープンチューニングやタッピング奏法を駆使した、1本で弾いているとは思えないギター演奏は世代を超えて多くの人々に支持されています。先月には、4年ぶりとなるオリジナルアルバム『LOVE is All Around』をリリース。来年メジャーデビュー20周年を迎えます。
小山薫堂とは長い親交があるという押尾さん。宇賀から「お2人はもうお付き合いが長いんですか?」と尋ねられると、小山も「もう15年くらいになりますかね」と笑顔を見せます。小山から「どうやったらそんなに上手くなれるんですか?」と問われると、ギターを始めた当時の意外な動機と挫折について言及します。
「大体ギターっていうのは『F』っていうコードがあって、それが鳴らせなくてみんな挫折してやめちゃうんですよ。当時はギターを弾けると女子にモテるっていう図式があったんですよ。僕もその1人で『不純な動機だけど、ギターを始めたい!』と思って始めてみたら、僕は『F』の前に『Em(イー・マイナー)』っていうコードで1日で挫折したんです。『もうこんなに指が痛くなるならやりたくない!』って」と押尾さんは振り返ります。
早々に諦めかけた押尾さんでしたが、スポーツ万能でモテる親友の存在が転機となったと言います。「バレー部のキャプテンで、男前で、その時点でモテているのにギターも弾ける奴がいたんですよ。そいつに『才能ないからやめようかな』って軽く言ったら、めっちゃ怒り出して。『お前、そんな中途半端に終わったら何をやっても中途半端になるぞ』『最後まで続けろ』と言われて。それから嫌々やるしかなくて」と押尾さん。
友人の喝を受けた押尾さんは、毎日5分間だけタイマーをセットして嫌々練習を継続。「こんなので上手くなるわけないやろ」と思いながらも地道に指を動かしているうちに、左手の指先がペンだこのように硬くなり、痛みを感じなくなってきたのだそうです。そこから練習時間は10分、15分と増えていき、「Emの次、Amっていうコードの移りがスッっていけたときに『おっ! これは面白い!』と思って。そこからはあっという間でしたね」と、ギターの魅力にハマっていった過程を語りました。
スタジオで生演奏中の押尾コータローさん
◆独自のスタイルを確立させた“ギターヒーロー”の存在
オープンチューニングやタッピング奏法を駆使し、たった1本のギターでバンドやパーカッションまで表現する独自のプレイスタイルで知られる押尾さん。スタジオで楽曲「GOLD RUSH」の生演奏が披露されると、小山は「初めて押尾さんのコンサートに行ったときに、『カラオケに合わせて弾いているんじゃないか』って思ったぐらいなんですよ(笑)。全部1人でやっていることに感激しました」と絶賛します。
このスタイルに行き着いた背景について、押尾さんは恩師の存在を挙げます。「僕のギターヒーローである中川イサトに出会ってからですね。イサトさんがギター教室をやられているときに、海外のギタリスト(マイケル・ヘッジス)のコンサートに連れて行ってくれたんです。ボディを叩いたり、座って弾くんじゃなくて立ってダンスをしながら演奏していたりして、かなり影響を受けました」と当時を振り返ります。
番組後半では、番組恒例の朗読コーナーで、押尾さんが亡き師匠・中川イサトさんへ宛てたお手紙を朗読しました。高校時代、イサトさんの楽曲「ミスター・ギターマン」に衝撃を受け、楽譜集がボロボロになるまで練習したこと。大阪の教室に通い詰め、憧れの眼差しを向け続けた日々。そして母に一生のお願いをして手に入れた愛機「グレーベン」との出会いなど、温かい思い出が溢れ出します。
心を込めて手紙を読み終えた押尾さんは、「イサトさんは気が短くてすぐガーッて怒っちゃう人だったんですけど(笑)、そこも今では懐かしくて。そうやって叱ってくれる人が段々いなくなって寂しいなって思っています」としみじみと語り、小山も「師匠と弟子の関係が目の前で繰り広げられているようなお手紙でした」と深く感銘を受けた様子でした。
番組の最後に、宇賀から「押尾さんにとって“いい音楽”とは何ですか?」と問われると、「『いい音楽』とは、涙が出る音楽です。そして、その時代に戻れる音楽。いい涙が出るような音楽をずっと大切にしていきたい、そんな思いにさせるのが『いい音楽』だと思いますね」と答えると、小山は「これからも泣かせ続けてください。多くの人を」と温かいエールを送り、トークを締めくくりました。
<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY'S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/post/
番組公式X:@sundayspost1