
9月5日・6日、礼賛が結成5周年記念公演『5×5』をTOYOTA ARENA TOKYOで開催した。サーヤと川谷絵音の交流をきっかけに5人のメンバーが集まり、礼賛が結成されたのが2021年。そこから5年が経過し、昨年は日本武道館でのライブを成功させ、今やすっかりフェスにも引っ張りだこの人気バンドに。この日は「5人×5周年」による「25曲」をアンコールなしで一気に演奏することによって、5年で積み上げてきたバンドの地力とこれから先の未来を提示してみせた。本稿では9月5日の公演をレポートする。

ゲスト、カバー、即興アレンジ──5年間の進化を凝縮
場内に入ると、「開演まで飲み会中」という映像が流れていて、5人のメンバーがこれまでを振り返ったり、他愛もない話で盛り上がり、最後はテキーラのショットで乾杯をしてライブがスタート。メモリアルな公演の1曲目には、「5年間支えてくれたみなさんに、まずはBless U!」と「Bless U」が選ばれた。ライブ序盤は「PEAK TIME」や「鏡に恋して」のような人気曲を演奏しながら、GOTO、休日課長、木下哲、川谷、サーヤの順番で改めてメンバー一人ひとりをフィーチャー。昨年誕生した公式キャラクター「サイさん」もステージに初登場して、賑やかにライブを盛り上げる。



7月にリリースされた「高ぶるブルー」を6人のダンサーとともに披露すると、ここで最初のゲストとして土岐麻子が登場して、「美しい顔」をサーヤと一緒に歌い上げた。「美しい顔」はもともと2019年にリリースされた土岐のアルバム『PASSION BLUE』の収録曲で、2024年にベストアルバムを発表した際に、礼賛がアレンジをして、サーヤのラップが追加された新録版を制作。礼賛は過去のライブでも「美しい顔」を披露してはいるが、土岐との共演は今回が初めてで、曲の後半では土岐とサーヤがそれぞれフェイクで歌い、木下がギターソロを弾き、さらに音源ではフェイドアウトで終わっているラストでテンポを上げる派手なライブアレンジも加わって、この日最初のハイライトを作り上げた。

土岐麻子との共演
礼賛のライブではお馴染みになったカバーコーナーでは、まず最近の定番曲になっているジャミロクワイの「Virtual Insanity」を届けると、続いてこの日初披露となったのが久保田利伸の「LA・LA・LA・LOVE SONG」。礼賛のファンならば「take it easy」で〈La la la love songは 身の丈合わない〉と歌われているのを思い出した人も多いかもしれないが、この大ヒット曲を堂々と歌えるようになったのも、5年の進化と言えるかもしれない。それはマルーン5からアデル、宇多田ヒカルからいきものがかりまで、様々なヒット曲を高い歌唱力とアレンジ力で自分たちのものにしてきた、その積み重ねの先にあるものだと言えよう。なお、「Virtual Insanity」と「LA・LA・LA・LOVE SONG」はともに1996年のヒット曲で、30周年なのもニヤリとさせられる。
「Monet Magic」まで一気に10曲を演奏して、最初のMCでは「セットリストから外れてしまった曲からランダムに選ばれた曲を、即興で今日だけのバージョンにリアレンジして演奏する」という特別企画が設けられ、この日選ばれたのは「バイバイ」。原曲はしっとりしたバラードだが、サーヤの「今日しか聴けない感じにしましょう。メロコアみたいな」という一言から、その場でアレンジをガラリと変更して、ギターは歪み、リズムは2ビートで、サーヤが野太い声でシャウトをする「バイバイ(2度と会わないver)」は意外にもいい感じ。こうした遊び心も礼賛らしい。
「礼賛が初めて作った曲から始めたいと思います」と話したライブ後半は「愚弄」からスタート。2021年12月に発表されたこの曲のデモバージョンが、礼賛としての最初の音源だった。ここでは礼賛結成のきっかけとなった美的計画「ピーナッツバターシークレット(feat. CLR)」の制作風景や撮影風景、2022年1月に下北沢ERAで行われた礼賛の初ライブの日にちを決めるシーンといった秘蔵映像が流されて、「5年」という時間に改めて思いを馳せる1曲になった。
これまでも何度となくハイライトを作り出してきた「Chaos」からはまさにライブ映えのする曲が並べられ、ポストロックなイントロがつけられた「TRUMAN」、曲タイトル通りにサビを繰り返してオーディエンスをオーバーキルする「オーバーキル」、曲の後半で一気にテンポアップする「超BUSY」といった曲のライブアレンジは自身のツアーや数多くのフェス出演を経てブラッシュアップされてきたものであり、サーヤのステージングの成長を改めて感じさせるもの。「オーバーキル」と「超BUSY」の間に披露された新曲「化けて出る」もすでに貫禄十分のロックナンバーだったが、おそらく今後ライブで繰り返し披露される中で、さらにパワーアップしていくことだろう。


「向かい風」から「追い風」へ、5年間への感謝とその先
ここまででも十分にお腹いっぱいだが、5周年の記念公演はまだまだ終わらない。メランコリックな「つれない」や、ポップな「ホレタハレタ」などで様々な顔を見せつつ、トドメとばかりにRIP SLYMEのカバー「熱帯夜」を投下。昨年の武道館公演でRIP SLYMEのメンバーと一緒にこの曲を披露したのは5年の歴史の中でもとりわけメモリアルな瞬間の一つだが、RIP SLYMEの期間限定の再集結が幕を閉じた今となっては、もはやこの曲は礼賛のもの……とは言わないまでも、自分たちの曲のようにオーディエンスを盛り上げて、まだまだ暑い9月の熱帯夜を作り上げた。


礼賛の正式なデビュー曲である「take it easy」を終えると、サーヤは「一番最初に下北沢ERAに立ったその日から今日に至るまで、一回も活動が止まってなくて、5年間ノンストップで今日までやることができて、その中に武道館もあったり、フジロックも出たり、最初は向かい風だったバンドが、みんなのおかげで追い風に変わって、今こうやってTOYOTA ARENAに2デイズ立つことができてます。本当にありがとうございます」と感謝を伝える。そして、「私が礼賛で作った曲の中で、唯一両親のことを書いてる曲があって、今日2人で聴きに来てくれてます。色々ありましたけど、ここまで送り出していただいたのは感謝しかないので、感謝を込めて」という言葉には大きな拍手が送られた。
さらに「みんなにも大事な人がいると思うので、必ずしも恩返ししろとか、説教くさく言いたくはないんですけど、絶対自分の血となり肉となりの部分に影響してる人がいると思うので、そういう人たちのことを絶対に離さず、大切に」とメッセージを伝え、「こういう時間はたまにしか訪れないかもしれないですけど、大変な時間を乗り越えると今日みたいな楽しい時間を過ごすことができると思うので、今日の思い出を胸に、また明日からの普通の生活を一緒に頑張っていければと思います」と話して、サーヤが自らの半生を綴った「生活」を披露。〈ずっと黙ってた ”芸事は恥” そう思っては スーツケース転がし 生業と思えた27、8 これでいいやと 変え始めたものさし 小さい頃から出たがり 尚且つ手がかかり 気づけば揉めてばかり 唯一守ってる 教えられた挨拶と感謝 お説教だけはもう沢山〉。バンドの5周年に加えて、この日は昨年12月に30歳になったサーヤ自身の人生にとっても、とてもメモリアルな1日になったに違いない。

これでライブは終わりかと思いきや、「もう一曲だけやってもいいですか?」と新曲「VENUS feat. 清 竜人」を初披露。しかも、1番を終えるとゲストの清 竜人が登場して、この曲にフィーチャリング参加していることも発表された。礼賛と清 竜人は昨年6月に開催された清 竜人25によるツーマンライブ企画「LWP2025」で共演しており、そのときサーヤは学生時代から清 竜人のファンであることを語っていたが、そんなアーティストとの共演に「5周年のご褒美でございますね」と終始嬉しそうな姿もとても印象的だった。25曲全ての演奏を終え、最後にニューアルバムと全国ツアーの告知をしてライブが終了。5周年を通過点に、礼賛の活動はまだまだ加速していきそうだ。

清 竜人との共演

Photo by 藤井拓
〈セットリスト〉
1. Bless u
2. むちっ
3. ウラメシヤ
4. PEAK TIME
5. 鏡に恋して
6. 高ぶるブルー
7. 美しい顔(feat.土岐麻子)
8. Virtual insanity(カバー)
9. LA・LA・LA LOVE SONG(カバー)
10. Monet Magic
11. 愚弄
12. マシ
13. Chaos
14. TRUMAN
15. オーバーキル
16. 化けて出る(新曲)
17. 超BUSY
18. Mine
19. つれない
20. 不機嫌にキッチー
21. ホレタハレタ
22. 熱帯夜(カバー)
23. take it easy
24. 生活
25. 「VENUS feat. 清 竜人」(新曲)
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礼賛
DIGITAL SINGLE「VENUS feat. 清 竜人」
2026年9月30日(水)配信リリース

3rd Full Album『ブルーロワイヤル』
2027年2月3日(水)発売
予約:https://rai-san.lnk.to/20270203_PKG
購入者応募キャンペーン:https://www.sonymusic.co.jp/event/105943?utm_source=chatgpt.com

礼賛 ONEMAN TOUR 2027『ロワイヤル』
2027年3月7日(日)東京・Shibuya LOVEZ
2027年3月10日(水)大阪・Zepp Osaka Bayside
2027年3月11日(木)愛知・Zepp Nagoya
2027年3月13日(土)奈良・EVANS CASTLE HALL
2027年3月16日(火)北海道・PENNY LANE24
2027年3月17日(水)北海道・旭川 CASINO DRIVE
2027年3月19日(金)秋田・秋田 Club SWINDLE
2027年3月20日(土)宮城・SENDAI GIGS
2027年3月24日(水)高知・CARAVAN SARY
2027年3月25日(木)香川・高松 festhalle
2027年3月27日(土)広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
2027年3月28日(日)熊本・熊本 B.9 V1
2027年4月1日(木)大阪・フェスティバルホール
2027年4月3日(土)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
2027年4月6日(火)北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru
2027年4月9日(金)東京・東京ガーデンシアター(有明)
2027年4月10日(土)東京・東京ガーデンシアター(有明)
2027年4月14日(水)愛知・岡谷鋼機名古屋公会堂 大ホール
チケット:全席指定 7,600円(税込)
オフィシャル先行受付:https://eplus.jp/raisan-tour2027/
※2026年9月13日(日)23:59まで
