クリニックフォアグループは8月27日、「2026年秋花粉速報」を発表した。
2026年秋花粉のキーワードは「早い・長い・気づきにくい」
「早い」── すでに始まっている
ブタクサ花粉は早い年で8月下旬から飛散が始まり、9月上旬から本格的に症状を感じる人が出始める。一方、同クリニックの花粉症のオンライン診療では、新規受診者数が8月中旬(8月8~16日)に8月上旬比で約1.4倍に増加した。前年と比べても1~2週間ほど早い受診傾向がみられ、「まだ夏」のうちに今年の秋花粉シーズンが動き出している。
「長い」── 残暑ぶり返しで飛散長期化のおそれ
直近の報道では、気象各社は8月下旬以降、"ダブル高気圧"による厳しい残暑のぶり返しと、10月にかけて気温が平年並みか高い状態が続く見通しを示している。残暑が長引く年は花粉の飛散期間が後ろにずれ込み、例年より長く症状に悩まされるおそれがある。
「気づきにくい」── 2人に1人が"隠れ秋花粉症"の可能性
気温差の大きいこの時期の秋花粉症は、夏風邪や寒暖差による不調と症状が似ており、気づかれにくいのが特徴だ。同社が2025年に実施した調査(花粉症の自覚がある548名対象)では、咳・のどの違和感を秋花粉症の症状として認識している人は約1割にとどまり、秋の時期に長引く症状がありながら、秋花粉症と診断されていない人が約半数にのぼった。今年も「風邪だと思っていたら秋花粉症だった」という"隠れ秋花粉症"に注意が必要だ。
「涼しい=花粉が飛ばない」ではない
この8月の関東では、オホーツク海高気圧から涼しい北東風が流れ込み、暑さが一服する日もあった。こうした北東風は、季節が秋へ動き始めたサイン。秋花粉の主役であるブタクサは、この「夏から秋への切り替わり」の時期、早い年で8月下旬~9月上旬から花粉を飛ばし始める。春のスギ花粉のイメージから「花粉症=暖かい季節のもの」と思われがちだが、秋花粉はむしろ涼しくなり始めてからが本番となる。
さらに、暑さが和らぐ日には窓を開けたり、散歩・ジョギング・公園で過ごしたりと、屋外の空気に触れる時間が増える。ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの雑草は河川敷・公園・空き地・道端など身近な場所に生えており、飛散距離は数m~数十mと短いため、「生活圏でどれだけ花粉源に近づくか」が症状を左右する。過ごしやすい日ほど屋外時間が増え、花粉を浴びる機会の増加につながる。
一方、ウェザーニューズは8月4日更新の「猛暑見解2026」で、8月下旬から9月上旬は太平洋高気圧とチベット高気圧が重なる"ダブル高気圧"により厳しい残暑となり、10月以降も全国的に気温が平年より高い傾向が続くと予想している。気象庁の3か月予報(7月21日発表)でも、10月の気温は全国的に平年並みか高い見通しで、日本気象協会は「秋の訪れはゆっくり」になるとの見方を示している。7月までの高温・日照で雑草の生育はすでに進んでいると考えられ、残暑の長期化は飛散期間の長期化につながるおそれがある。
8月中旬から、花粉症のオンライン診療、新規受診が増加傾向
同クリニックの花粉症のオンライン診療の受診データでは、8月中旬から変化が表れているという。
花粉症での新規受診者数は、8月中旬(8/8〜8/16)は8月上旬(8/1〜8/7)と比較して約1.4倍に増加(1日あたり平均)。お盆期間(8/8〜8/16)の花粉症診察数は、前年同期比約1.3倍(2025年同期間比+32%) 。
例年、秋花粉による受診の本格的な増加は9月以降だが、今年はお盆期間からすでに新規の受診が増え始めており、ブタクサ花粉の飛散開始時期(例年8月中旬〜)と重なる動きとなっている。
秋花粉症の症状・特徴
秋花粉症で出やすい症状には、くしゃみ・鼻水・鼻づまり、目のかゆみ・充血、長引く咳、のどの違和感・イガイガ、肌のかゆみ・肌荒れなどがある。秋花粉は粒子が小さく気管まで入り込みやすいため、春より咳の症状が出やすいのが特徴となる。
また、症状が「晴れて風の強い日」「草の多い場所を通った後」に悪化することがある。草の花粉は地面近くから舞い上がるため、背の低い子どもも影響を受けやすいという。
秋花粉症セルフチェック
咳や鼻水が2週間以上続いている(風邪は通常1~2週間で軽快)、発熱がない、またはあっても微熱程度、目や皮膚のかゆみを伴う、晴れて風の強い日や草の多い場所を通った後に悪化する、毎年同じ時期(夏の終わり~秋)に同じような症状が出る、といった項目に複数当てはまる場合は、「風邪」ではなく秋花粉症の可能性があるという。
秋花粉症に関するQ&A
Q.8月でも花粉症になる?
A.ブタクサ花粉は例年8月中旬頃から飛散が始まり、イネ科花粉は夏の間も飛散している。8月の目のかゆみ・くしゃみが花粉によるものであるケースはある。
Q.春は花粉症ではないのに、秋だけ症状が出ることはある?
A.スギとブタクサではアレルゲンが異なるため、秋花粉だけに反応する人もいる。原因を特定したい場合はアレルギー検査が有効となる。
Q.秋の花粉症にも舌下免疫療法は使える?
A.現在国内で承認されている舌下免疫療法はスギ花粉とダニが対象で、ブタクサなど秋花粉には適応がない。秋花粉症は対症療法(内服薬・点眼薬・点鼻薬)が中心となる。
Q.今からできる対策は?
A.河川敷・空き地など雑草の多い場所をできるだけ避ける、外出時のマスク・メガネ、帰宅時のうがい・手洗いが基本となる。症状が出始めたら早めに医師に相談することで、症状が本格化する前から治療を開始できる場合がある。
