後編では花火の華やかさだけでなく、その裏側にある厳しさも描かれる。事故の危険と隣り合わせの仕事に向き合う職人たちの姿を見て、「改めて考えると、花火が安全に上がってること自体がすごいですよね」と、見えない部分の仕事を感じた。

さらに印象的だったのが、花火師たちが技術を競う大会。これまで花火大会を見ていても、「正直、どこが勝つとか負けるとか、そんなことは考えたこともなかったです」というだけに、職人たちが切磋琢磨する姿に興味が湧いた。

今回のナレーションを通して、「花火の見方が全然変わった気がするので、秋から冬の花火大会も見に行きたいです」と目を輝かせるsuis。 この番組を見た視聴者も「これから花火を見る時に、絶対一つ違う目線が入ると思います」と自信を見せた。

近年の花火大会は、プログラミングによって音楽と花火を融合させた演出が主流。suisは、ヨルシカのサポートメンバーであるキタニタツヤの「青のすみか」に合わせて花火が上がるのを見たことがある一方、自分が歌った曲で鑑賞したことは、まだないという。

ただ、「青のすみか」を見た日、別の会場の花火大会で、自身が歌う「若者のすべて」が使われていたことを後で聞いて「ぜひ見たかったです」と悔しい経験も。「どこかで自分の歌で花火を作っているところに自分が遭遇できたら、感動的だろうなと思います」と、いつか偶然その光景に出会える日を思い描いた。

ライブツアーが終わったら「何も予定がない”をやりたい」

suisは現在、「ヨルシカ LIVE TOUR 2026『一人称』」の最中。残るは9月の千葉2公演で、「お客さんの笑顔があふれるライブにしたい」と意気込む。

今回のライブは「今までとまた違う」ものになっているそうで、「みんなで楽しんだ体験を自分自身生涯忘れないものにできたらなと思います」と期待。それは自身にとっても、「新しい生き様の形として自分の中にも残るもの」になると感じているという。

では、そのライブを終えた後に何をしたいのか。suisは「“何も予定がない”をやりたいです」と回答。「花火があるんだ」と思ったらフラッと遠くまで見に行き、朝にコーヒーが飲みたくなったらカフェへ向かう――そんな「予定がない、スケジュールがない日々を謳歌したいです」とのことだ。

●suis
コンポーザーのn-bunaとともに、2017年から活動するバンド・ヨルシカのボーカル。アルバム『だから僕は音楽を辞めた』『エルマ』『盗作』、音楽画集『幻燈』などを発表し、透明感のある歌声と楽曲に応じて変化する表現力で支持を集める。ヨルシカ以外でも「suis from ヨルシカ」名義などで歌唱活動を展開。25年にはharuka nakamuraとの楽曲「灯星」で映画『この夏の星を見る』の主題歌を担当し、26年にはEve「風のアンセム feat. suis from ヨルシカ」に参加したほか、TVアニメ『猫と竜』オープニングテーマ「猫日」をリリースした。同年、ヨルシカは書簡型小説『二人称』とデジタルアルバム『二人称』を発表し、全国ツアー「LIVE TOUR 2026『一人称』」を開催している。