大幸薬品は2026年8月17日、「災害時のトイレ防災に関する意識調査」の結果を発表した。本調査は2026年7月10日〜7月13日、全国の20歳〜69歳の男女1,095人を対象に、インターネット調査にて行われた。

災害時の不安1位は「トイレが使えないこと」66.1%

  • 地震や台風などの災害時を想定したときに不安に感じること

    地震や台風などの災害時を想定したときに不安に感じること

地震や台風などの災害時を想定したときに不安に感じることを聞いたところ、「トイレが使えないこと」(66.1%)が最多となった。次いで「飲料水の不足」(61.2%)、「食料の不足」(57.9%)が続いた。

  • 自宅に備えている防災用品

    自宅に備えている防災用品

一方、自宅に備えている防災用品では、「飲料水」(76.3%)、「非常食」(66.5%)、「懐中電灯・ランタン」(62.9%)が上位となった。基本的な防災用品の備蓄が進む一方、「非常用トイレ」を備えている人は41.3%にとどまった。災害時に「トイレが使えなくなること」を最も不安視している人が多いにもかかわらず、実際の備えは十分に進んでいないことが分かった。

約半数が安全確認前に「流してよい・わからない」と回答

  • 大きな地震が起きた直後、断水はしていないものの安全確認ができていない状態で、トイレの水を流してよいと思うか

    大きな地震が起きた直後、断水はしていないものの安全確認ができていない状態で、トイレの水を流してよいと思うか

大きな地震が起きた直後、断水はしていないものの排水設備などの安全確認ができていない状態で、トイレの水を流してよいと思うかを聞いたところ、「排水管などの安全が確認できるまで流さないほうがよいと思う」と回答した人は54.1%だった。一方、「汲み置きの水などがあれば流してよいと思う」(22.3%)、「問題なく流してよいと思う」(12.5%)、「わからない」(10.8%)となった。これらを合わせると、安全確認前にトイレを流してしまう可能性がある人は45.6%にのぼった。

  • 災害時にトイレの水を流すことで起こり得るリスクについて

    災害時にトイレの水を流すことで起こり得るリスクについて

災害時にトイレの水を流すことで起こり得るリスクについては、「排水管が破損していると汚水が逆流することがある」と知っていた人が50.4%、「建物の下の階に汚水漏れが広がることがある」と知っていた人が45.8%、「安全確認まで水を流さず携帯用トイレを使うべき」と知っていた人が38.4%となった。これらのリスクを「いずれも知らなかった」と回答した人も21.7%いた。

大地震の直後は、見た目には水を流せる状態でも、排水管などが破損している可能性がある。安全確認前に水を流すことで、汚水が逆流したり、集合住宅では下の階へ被害が広がったりするおそれがあるため、安全が確認できるまではトイレの水を流さず、非常用トイレなどを使用することが重要だという。

非常用トイレを備えていても56.5%が「20回分以下」

  • 非常用トイレを準備している個数

    非常用トイレを準備している個数

自宅に非常用トイレを備えている人に、準備している個数を聞いたところ、「5〜20回分程度」(36.6%)が最多となった。次いで「5回分未満」(19.9%)、「21〜50回分程度」(19.4%)と続いた。「20回分以下」の合計は56.5%となり、半数以上を占めた。また、「何回分あるか把握していない」も11.6%となった。

非常用トイレは、1人1日5回、7日分で1人あたり35回分が一つの目安とされている。家族の人数に応じて、家庭全体で必要な数を備えておく必要がある。あわせて、一度開封して使い方や使用後の処理方法を確認しておくことも、いざという時に落ち着いて対応するために重要だという。

備えが進まない理由は「必要だと思っているが未購入」が最多

  • 自宅に非常用トイレを備えていない理由

    自宅に非常用トイレを備えていない理由

自宅に非常用トイレを備えていない人に、その理由を聞いたところ、「必要だと思っているが、まだ購入できていないから」(24.1%)が最多となった。次いで「飲料水や非常食の備えを優先しており、トイレまで意識が向いていなかったから」(22.0%)、「災害時に自宅でトイレに困る状況を想定したことがなかったから」(20.3%)と続いた。

非常用トイレの必要性を認識しながらも、他の備蓄に比べて優先順位が下がってしまう「行動の先延ばし」が課題となっている。防災の日や防災週間は、家庭の備えを見直す機会でもある。まずは家庭の人数に応じて必要な回数分を確認し、不足分から準備を進めることが呼びかけられている。

外出時に「携帯用トイレ」を持ち歩く人は4.2%

  • 普段の外出時に持ち歩いているもの

    普段の外出時に持ち歩いているもの

普段の外出時に持ち歩いているものを聞いたところ、「現金」(50.6%)、「飲料水・水筒」(42.0%)、「モバイルバッテリー・充電器」(29.5%)が上位となった。一方、「携帯用トイレ」は4.2%にとどまった。

  • 携帯用トイレを持ち歩いていない理由

    携帯用トイレを持ち歩いていない理由

携帯用トイレを持ち歩いていない理由では、「外出中にトイレが使えなくなる状況を想定したことがなかったから」(35.6%)が最多となった。次いで「かさばりそうだから」(34.3%)、「外出時に持ち歩く必要性を感じていないから」(23.7%)と続いた。

自宅の備えに意識が向きやすい一方、外出中に災害が発生した場合、駅や商業施設などのトイレが使えなくなる可能性もある。携帯用トイレは小さく軽いものも多く、常備薬や胃腸薬などとともにポーチに入れておくことで、いざという時の不安を軽減できるという。

災害時のトイレ対策は「意識」と「行動」にギャップ

今回の調査から、災害時のトイレ対策への潜在的なニーズが高い一方、「意識」が「行動」に結びついていない実態が明らかになった。

大地震の直後は、断水していなくても排水設備が破損している可能性があるため、安全確認ができるまではトイレの水を流さず、非常用トイレを使用することが大切だという。自宅には必要回数分の非常用トイレを、外出時には携帯用トイレを防災ポーチなどに入れておくことで、日常の中で「トイレ防災」を始めることが提案されている。

大幸薬品はこれまで、ラッパのマークの「正露丸」をはじめとする常備薬を通じて、家庭での「備え」を支えてきた。おなかの健康に向き合ってきた企業として、トイレを我慢することのリスクにも目を向け、トイレの問題を設備だけの課題ではなく、暮らしの備えの一部として啓発していくとしている。