2人組バンド・ヨルシカのボーカル・suisが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、16日・23日の2週にわたり放送される「花火師になりたくて~僕と私が打ち上げる夢~」。異業種から花火師の世界へ飛び込んだ若者たちの1年を追った作品だ。
もともと花火が好きで、機会があれば花火大会にも足を運ぶというsuis。しかし、その裏側については「全く未知の世界でした」といい、職人たちの仕事や人生を知ったことで「世界が広がりました」と振り返る。さらに、華やかな一発の向こうにいる一人一人の人生を見つめる中で、自身が音楽を続ける理由とも重なるものを感じたという――。
元YouTuber、元看護師…異業種から花火師の世界へ
茨城県つくば市にある明治36年創業の山崎煙火製造所(※「崎」は正しくは「立つ崎」)は、競技大会で数々の賞を獲得してきた名門。花火業界が深刻な人手不足に直面する中、この会社には花火師を夢見る若者が集まってくる。多くは、異業種から転職してきた未経験者たちだ。
入社2年目のよしきさん(30)は、元YouTuber。大切な彼女と出会い、手に職をつけて安定するために花火師の世界に飛び込んだ。やる気が空回りし失敗することも多いが、分からない作業はスマートフォンで撮影し、先輩に何度も教えを請いながら覚えていく。そのひたむきさを認められ、少しずつ仕事を任されるようになった。
一方、同期の飯野さん(26)は社内唯一の女性花火師。看護師として働いていたコロナ禍、病院の外から聞こえた花火の音に心を動かされ、「今度は自分が人を元気にする側へ」と転職した。毎朝一番に出社し、休憩も惜しんで働く努力家だが、男性がほとんどの職場で「ガツガツいけない」と思い悩む。
そんな中、よしきさんに大きな機会が巡ってくる。音楽と花火を組み合わせた花火大会で、初めて点火を任されたのだ。失敗の許されない一発勝負。大役を成功させることはできるのか…。
「人を喜ばせる仕事っていいよね」と共感
一瞬で夜空を彩る花火。その華やかさとは対照的に、番組では火薬を扱い、地道な作業を積み重ねる職人たちの日々が描かれる。その姿に、suisは「すごいパフォーマンスの花火を作っている人たちが、自分たちと同じようにそれぞれの人生があるんだなと、当たり前ですけど改めて目の当たりにして、つながっているんだなという喜びを感じました」と話す。
特に心に残った一人が、警備会社から転職してきた瀬戸嶋さん。闇バイトなど凶悪事件が社会問題になる中で、「人を喜ばせる仕事がしたい」と花火師を志した。その転機をsuisは「素敵だな」と受け止め、自らの仕事にも重ねる。
「“人を喜ばせる仕事っていいよね”と思いました。自分もこういう仕事をしているので、そのモチベーションは、結局誰かの笑顔が見たいとか、誰かが喜んでくれるからに尽きるじゃないですか」といい、花火師と歌い手という異なる仕事に共通する思いを感じた。
