コロナ禍の狂乱的な高騰から一転、ここ1~2年は落ち着きを見せていたロレックスの二次流通相場。しかし、ここ数カ月で再び上昇トレンドの兆しが見え始めているという。そこで今回は、今まさに値上がりしているモデルやその背景にある要因、そして買い時・売り時の見極め方を大手買取専門店「買取大吉」の鑑定士・木村健一さんにお聞きした。

前年比20%増! 一貫した上昇トレンドの背景

――ロレックスの中古相場が再び上昇しているというのは本当でしょうか。

そうですね。上昇トレンドに入っています。直近の市場を見てみると、全体的に相場は前年比で約20%ぐらい上がっていますね。一時的な動きではなく、一貫した上昇が今後も続くんじゃないかというゾーンに入っている印象です。

大きな理由のひとつは円安。そしてもうひとつ大きいのが、ブランド側による頻繁な値上げです。ロレックスはここ数年、年に2~3回という結構なペースで定価を上げているんですよ。中古相場は結局、定価の動向に影響を受けるので、定価が上がれば中古も引っ張られて上がるんです。

ここ1カ月で言うと今は安定期、横ばいという感じですが、動きは非常に早い。ポンと出てきたらポーンと売れる。以前のなかなか動かない時期に比べると、回転するスピードが早くなっています。

  • ロレックスの中古市場は、一貫した上昇が今後も続く見込み

    ロレックスの中古市場は、一貫した上昇が今後も続く見込み

――具体的に、どのモデルの値上がりが顕著ですか?

やっぱり「デイトナ」と「GMTマスターII」ですね。特にGMTマスターIIの通称「ペプシ(青赤ベゼル)」は今年廃盤になって、この数カ月で150万~200万円ぐらい高騰しました。もともと200万円台後半だったものが、今は450万~480万円ぐらいになっています。

デイトナも新作が発表されたことで、現行モデルや旧モデルが引っ張られて100万~150万円ぐらい上がっています。ロレックス以外ではパテック・フィリップもすごいですね。「ノーチラス」が800万~900万円から1300万円台に上がったり、「アクアノート」も直近半年~1年で1.6倍~1.7倍の価格になっています。

こうした高騰には、ブランド側の動きだけでなく、インフルエンサーの発信も大きく影響しています。芸能人のYouTubeなどで「買った時計がプラスいくらになった」といった発信を見て、時計に投資する動きが改めて出ている気がします。

ピークを逃さない。インフルエンサー効果による「利確」のすすめ

――「売るなら今」と言えるタイミングはあるのでしょうか?

実は私自身、去年の9月にヴィンテージのエクスプローラーを買ったのですが、この3カ月で急激に値段が上がったタイミングで委託販売に出したら、2日で売れました。買った金額よりだいぶ上がっていました。

なぜかと調べてみたら、ZOZO創業者の前澤友作さんが愛用時計として紹介するなど、著名人による発信も重なっていたようなんです。このような背景から需要が高まった瞬間は、急激に上がりますが、いつ落ちてもおかしくない一過性のものでもあります。それはデイトナもGMTも同じなので、売りたいと思っているなら、こうしたタイミングを逃さずに売るのが正解だと個人的には思っています。

――逆に、今買いたいという人へのアドバイスはありますか。

ロレックスに関して言えば、今は正規店価格も中古価格もめちゃくちゃ高いです。なので、もし買うのであれば、「メジャーなスポーツモデル」を狙えば大きく値崩れする可能性は低いと思いますね。

株や金も安定していませんし、何が正解かわかりにくい時代ですが、メジャーで安定的な人気モデルであれば、売るときに大きく値段が変わることはありません。多少割高だと思っても、売却時の差が出にくいものを選べば、資産としてのダメージは少なくて済むと思います。