
2006年、ブリング・ミー・ザ・ホライズン(Bring Me The Horizon/以下BMTH)は、耳をつんざくようなデビュー・アルバム『Count Your Blessings』で、ヘヴィミュージックの潮流を大きく変えた。それから20年。英現地時間の7月10日、11日、マンチェスターのB.E.C. Arenaで開催されたアニバーサリーイベントは、バンドの歴史に刻まれる特別な2日間となった。
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今年初め、BMTHはOutbreak Festによる特別イベントで、『Count Your Blessings』を全曲披露すると発表した。大きな反響を受け、当初一夜限りだった開催は2日間に拡大。Static Dress、Rolo Tomassi、Dying Wish、Heriotら複数のアーティストが出演するなか、BMTHが両日のメインアクトを務めた。
そして迎えた当日。照りつける日差しの下、会場は、初期BMTHへの郷愁と、むき出しの熱気に包まれていた。
B.E.C. Arenaの巨大スクリーンには、2007年当時の『Count Your Blessings』の広告映像が流れ、会場をかつてのBMTHの時代へと引き戻していく。そこへシェフィールド出身のバンドが登場。すべてを吹き飛ばすような「Pray For Plagues」でステージの幕を開けた。
観客が前方へ押し寄せるなか、フロントマンのオリヴァー・サイクスは演奏を止め、「みんなが少し後ろに下がるまで、次には進めない」と呼びかける。そして安全が確認されると、客席に向かって声を上げた。
「準備はできてるか? あれから20年だ」
この特別な機会を前に、観客の興奮が最初から頂点に達していたのは言うまでもない。ステージ前にはバリケードが設けられておらず、ライブ中は次々とステージダイブが繰り返された。
なかでもひときわ目を引いたのは、足に医療用ブーツを着け、松葉杖を掲げながらクラウドサーフをしていた観客だ。その姿は何度も会場を沸かせ、この日の象徴的な光景のひとつとなった。周囲のファンもまた、怪我を恐れる様子などまるでなく、荒々しい音に身を任せながら激しく身体をぶつけ合っていた。
Photo by Eddy Maynard
ステージ上のメンバーも、申し分のない演奏を見せた。リー・マリアのギターは楽曲に鋭く重い質感を与え、マット・ニコルズのブラストビートは、容赦なく会場を揺さぶっていく。
そんな激しさの合間に、メランコリックなインストゥルメンタル曲「Fifteen Fathoms, Counting」が、束の間の穏やかな時間をもたらした。この夜、観客が立ち止まり、それぞれの記憶や感情に身を委ねた数少ない場面だったのかもしれない。涙を流し、隣にいる大切な人と抱き合うファンの姿も見られた。
サイクス自身もまた、この公演が持つ意味の大きさに圧倒されていた。「Off The Heazy」を元ギタリストのカーティス・ワードに捧げる場面では、バンドが歩んできた20年という年月の重みが伝わってきた。
今回のステージは、近年のBMTHが展開してきた大規模なショーとは大きく異なる。それでも途中、彼らのシェフィールドというルーツをたたえるように、客席から恒例の「ヨークシャー!」コールが巻き起こった。
サークルピットとステージダイブが絶え間なく続く一方で、会場を満たしていたのはバンドへの深い愛情だった。これは単なる初期作品の再現ではなく、BMTHの原点をファンとともに祝う場でもあったのだ。
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新曲「Dehumanized」をライブで初披露したあと、バンドはアンコールで再登場。「Suicide Season」「Reflections」「Blessed with a Curse」と、キャリアの別の時代を象徴する楽曲を次々と演奏した。
「もしかすると、これまでで最高のライブかもしれない。本当に」
目の前の光景が信じられないという表情を浮かべながら、感情を抑えきれない様子でサイクスはそう語った。
最後に披露されたのは「Diamonds Arent Forever」。紙吹雪が舞うなか、サイクスは自ら観客の中へと飛び込み、この特別なステージを締めくくった。
ハードコアやデスコアは、大規模な会場には向かない――そんな先入観はいまだに根強い。しかし、この週末のBMTHは、それが誤りであることを鮮やかに証明してみせた。彼らは広いステージの隅々まで、自分たちのものにしていた。
この48時間で、バンドは『Count Your Blessings』にまつわる、かつては複雑だった記憶を新たなものへと塗り替えた。彼ら自身が抱えてきた迷いも、周囲から向けられてきた反発も、もはや意味を持たない。
『Count Your Blessings』の楽曲が、ライブでこれほど力強く響いたことはなかった。そして新曲「Dehumanized」は、20年を経た今もなお、このバンドの根底にデスコアの衝動が脈打っていることを示していた。
Bring Me The Horizon | ブリング・ミー・ザ・ホライズン
アルバム『Count Your Blessings | Repented』
https://SonyMusicJapan.lnk.to/bmth_CYB
・Vinyl
・Picture Vinyl
・Deluxe CD ※Sony Music Shop限定商品
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・Cassette ※Sony Music Shop限定商品
・Unchained Box Set ※Sony Music Shop限定商品
9月4日(金)発売
・Standard CD
<収録内容>
1. Pray for Plagues - 2026 Repented
2. Tell Slater Not to Wash His Dick - 2026 Repented
3. For Stevie Wonders Eyes Only - 2026 Repented
4. A Lot Like Vegas - 2026 Repented
5. Black & Blue - 2026 Repented
6. Slow Dance - 2026 Repented
7. Liquor & Love Lost - 2026 Repented
8. (I Used to Make Out With) Medusa - 2026 Repented
9. Fifteen Fathoms, Counting - 2026 Repented
10. Off the Heezay - 2026 Repented
11. Dehumanized
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