コロナ禍を機に自宅や出先でのリモートワークが定着した一方、昨今ではオフィス出社への回帰傾向も強まり、特に都心5区では、2025年9月時点のオフィス空室率が2.68%と低水準だ。。そうしたなか存在感を強めているのが、三井不動産の「ワークスタイリング」である。
ワークスタイリングは2017年4月に事業開始したシェアオフィス・レンタルオフィスのサービスで、約1,400社と会員約34万人に快適な仕事空間を提供している。その事業展開に関する記者説明会が7月14日、東京・八重洲で開催された。
「オフィス回帰」の流れにマッチするオフィス事業
リモートワークの急速な普及は、その反面「偶発的な会話から生まれるアイデアが減った」「組織文化や連帯感が薄まる」「管理職がマネジメントしづらい」など、リモートゆえの限界や課題も浮き彫りにした。このため、単なる仕事場ではなく社員同士の交流・創造・生産性を高める場として、オフィスの価値が見直されている。シェアオフィスやレンタルオフィスなどの市場規模はこの10年で約3.5倍となり、とりわけ家具付きで登記も可能なレンタルオフィスは、昨今の建設費高騰の中で重要度が高まっているという。
記者説明会では、こうしたオフィス需要の変化に対応するワークスタイリングの取り組みが紹介された。まず契約面では、シェアオフィス、専有スペース型のレンタルオフィス、1拠点の使い放題・登記プランまで、さまざまなプランを用意。事業の成長に合わせ、一貫してサポートできる。セキュリティ面も業界最高水準だ。
拠点内にはオープンスペースや個室、モニター設置席など、業務内容や好みに応じて選べる多彩なワークスペースを用意。他にも電話ブースやビジネスツールの貸し出し、無料カフェなど、快適かつ効率的に働ける設備が充実している。
ワークスタイリングは約120拠点を展開するほか、JR東日本の個室ブース型シェアオフィス「STATION WORK」とも提携し、計約600拠点を利用できる。今年度中には大手町や北海道・新千歳空港にも大規模拠点を開設予定で、将来的には欧米やアジアなど海外への展開も視野に入れている。
また、契約企業の経営層と社員側の双方に悩みや要望をヒアリングして、解決策を提案するサービスも提供。単に働く場所を提供するだけでなく、働き方そのものを見直すコンサルティングを通じて、企業を総合的に支援していく考えだ。
「東京のビル群」を眺めながらストレスフリーで働けるシェアオフィス
記者説明会の後は、「ワークスタイリング 東京ミッドタウン八重洲」の内部を見学した。
シェアオフィスは平日8時~21時まで利用でき、エントランスではQRコードで受付を行う。ゲストにも専用のQRコードが発行され、スマートフォンでスムーズに入室できる仕組みだ。室内は開放的で明るく、窓外には東京・八重洲に林立するビル群の眺め。とても爽やかな空間設計である。
座席はオープンスペース、半個室、個人ブース、セミナーやイベントも行える長テーブルなど多種多彩で、空室状況はサイネージで常に確認可能。電話ブースは内装の防音仕様に加え、外から会話内容を聞き取りづらくする「マスキングサウンド」が常に流れているなど、秘密保持もバッチリである。
無料使用可能なカフェスペースには専用コーヒーマシーンが設置され、ちょっとしたエネルギー補給に嬉しいお菓子類もセッティング。会議室には夕凪(ゆうなぎ)や山桜(やまざくら)など、百人一首をコンセプトとした流麗な室名が割り振られている。
なお、現在は出社回帰に伴うオフィス不足だけでなく、社外での「会議室不足」も顕在化しつつあるが、ここをフォローできるのもワークスタイリングの強みだという。本社の近隣や少し離れた場所にシェアオフィスを用意することで、会社の外部拠点としても利用可能なのだ。
レンタルオフィスは面積を自在にカスタマイズ可能
24時間利用できるレンタルオフィスエリアは、入居者用カードキーで管理されている。個室はガラス張りながら、すりガラスやカーテンを採用するなどプライバシーにも配慮。高いセキュリティ性が求められる官公庁や大学なども利用しているという。
個室はパーティションを外して隣室とつなげることも可能。企業の成長に合わせてオフィススペースを拡張できる点も、ワークスタイリングの特徴だ。最大では100席以上のオフィスとして利用できるという。
また、ワークスタイリングでは会員向けイベントも開催しており、テーマはビジネスから趣味までさまざま。利用者同士の交流を促し、コミュニティづくりにも力を入れているという。
オフィス回帰が進む一方で、働き方は企業ごとに多様化している。オフィスとリモートワーク、シェアオフィスを柔軟に組み合わせることも、これからの企業には欠かせない選択肢となるだろう。ワークスタイリングには、そのヒントとなる工夫が数多く盛り込まれていた。











