埼玉西武ライオンズの滝澤夏央【写真:産経新聞社】


 



埼玉西武ライオンズの滝澤夏央内野手が飛躍のシーズンを迎えている。12日時点で打率.294(リーグ5位)、出塁率.389(リーグ2位)。9日には選手間投票でオールスターゲームにも選出されるなど、名実ともにリーグを代表する選手へと成長している。身長164センチの小兵として知られる滝澤だが、獲得当時GMだった渡辺久信氏は彼をどのように見ていたのか。渡辺氏の著書『獅子回顧録』(カンゼン刊)より獲得の舞台裏をお届けする。(滝澤夏央編)

 


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現地で見ることは一度もなかった滝澤
[caption id="attachment_273912" align="aligncenter" width="1200"] 入団当時の滝澤夏央【写真:産経新聞社】[/caption]
 

 

 


(2021年)育成ドラフトでは、前年の5人に続いて、4人を指名した。
 
 このうち、1位の徳島インディゴソックス・古市尊(現DeNA)、2位の関根学園高・滝澤夏央、3位の山本学園高・菅井信也が、入団3 年目までに支配下選手となり、着実に成長を遂げている。
 
 思い出深いのは滝澤だ。夏央を追いかけていた北信越地区の鈴木敬洋スカウトから、「GMは見に来ないでください。GMが来ると、他球団に本気度が伝わってしまいます」と言われた。私が行けば、他球団も警戒して、指名順位を上げてくるかもしれない。映像では何度かプレーを確認したが、現地で見ることは一度もなかった。
 
(中略)
 
 (2022年の)大きなトピックスは、高卒1年目の夏央が支配下登録されたことだろう。源田の自打球によるケガもあって、5月13日に支配下に上がると、その日の楽天戦では二番ショートでスタメンデビューを飾った。「源田の代わりに誰がショートを守るか」となったとき、一軍・二軍問わず、すべてのショートでもっともうまいのが夏央だった。守備に関しては、春季キャンプのときから際立っていた。
 
 ハンドリング、ボールへの入り方、体の寄せ方、ポジショニング、すべてにおいて高卒1年目とは思えぬ技術を持つ。ちょっと気になる点があるとしたら、ショートとしては肩が強くはないことだ。セカンドのほうが滝澤の良さが生きるような気がするが、どうだろうか。
 
 打つほうもタイミングを取るのがうまく、スイングもクセがない。あとは体に力がついてくれば面白い、という評価だったが、2025年あたりから強いストレートに振り負けないようになってきている。

 
 



もっと読みたい方へ


『獅子回顧録』渡辺久信 著



「ライオンズは強くなければいけない」
チームづくりに奔走
栄光と苦悩と激動の20年
 
本書は、選手、監督、フロントとしてライオンズに長く関わってきた私が『獅子回顧録』と題して、チームづくりを振り返る一冊となる。
幸せなことに、愛するライオンズで現場のトップとフロントのトップの両方を務めさせてもらった。選手時代を振り返る章もあるが、2004年に二軍の投手コーチとしてライオンズに復帰してから、GMを務めた2024年までが中心となる。


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