
負傷者リスト入りしている村上宗隆が、メジャー復帰へ向けて動き出した。一方、5月にメジャーデビューを果たした西田陸浮は、3A降格後に打撃成績が低迷している。昇格前は高い出塁率と盗塁で存在感を示していたが、現在は本来のスタイルを発揮しきれていない。村上との“再共演”は実現するのか。西田の現状とメジャー再昇格への条件を探る。(文・八木遊)
[caption id="attachment_272864" align="aligncenter" width="1200"] シカゴ・ホワイトソックスの村上宗隆(写真:Getty Imsges)[/caption]
シカゴ・ホワイトソックスで再び日本人野手2人がメジャーの舞台に並び立つ日は来るのだろうか。
現在右ハムストリングを痛めて負傷者リスト入りしている村上宗隆は、現地7日に3Aシャーロットへ合流し、8日のナッシュビル戦でリハビリ出場を予定。順調ならオールスター前にもメジャー復帰が見込まれている。
一方、5月にメジャーデビューを果たした西田陸浮は6月上旬に3Aへ降格。再び村上と同じロースターに名を連ねるには、まずマイナーで結果を残さなければならない。
ただ、ここ1か月の成績を見る限り、再昇格はそう簡単な話ではなさそうだ。
期間 試合 打率 出塁率 長打率 OPS 盗塁
昇格前3A 35 .347 .454 .395 .849 15
MLB 12 .241 .241 .241 .482 0
降格後3A 17 .230 .323 .241 .564 2
3A降格後の6月11日から7月5日までの17試合で、西田は打率.230、出塁率.323、長打率.241、OPS.564と低迷。
特に7月は5試合で17打数1安打、打率.059と状態は下降線を辿っている。
西田の持ち味を考えれば、気になるのがやはり出塁率だろう。
メジャー昇格前の3Aでは35試合で打率.347、出塁率.454、OPS.849、15盗塁を記録していた。
降格後の出塁率との差は131ポイント。四球で出塁し、盗塁で相手にプレッシャーを与えるという西田本来のプレースタイルを考えると、この数字の変化は小さくない。
とはいえ、選球眼そのものが崩れたわけではない。降格後17試合でも12四球を選んでおり、四球を選ぶ力は維持している。
出塁率低下の原因は、単純に安打による出塁が減ったことだ。打率と出塁率は切り離して考えられるものではなく、西田の場合は両方がそろって初めて持ち味が生きる。
[caption id="attachment_266933" align="aligncenter" width="1200"] ホワイトソックス・西田陸浮写真:Getty Images)[/caption]
では、本来の数字を取り戻せばメジャー昇格は見えてくるのか。
ロースターを見ると、二塁はチェース・マイドロスが定位置をつかみとっており、西田が入り込む余地は大きくない。
一方、外野ではサム・アントナッチとトリスタン・ピーターズが存在感を示している。現状で最も不安材料を抱えているのは、球団トッププロスペクトのブレーデン・モンゴメリーだろう。
日本時間7月6日時点では24試合の出場で打率.233、2本塁打と存在感を発揮出来ていない。
もちろん、将来の主軸候補だけに、この程度の打撃不振で構想から外れることは考えにくい。それでも、結果が伴わなければ首脳陣も起用法を見直さざるを得ない。
西田が外野でチャンスを待つとすれば、このポジション争いは一つのポイントになりそうだ。
さらにベンチには内外野を守れるルイスアンヘル・アクーニャも控える。遊撃まで守れる点では西田より起用の幅が広いが、打撃成績で大きくリードしているわけではない。
西田にとってはアクーニャを含めたベンチ枠、さらに外野陣全体との競争になると考えるのが自然だ。
だからこそ、西田がアピールすべきポイントは変わらない。長打力で勝負する選手ではない以上、安打を積み重ねながら四球も選び、高い出塁率を維持することが求められる。メジャー昇格前の打率.347、出塁率.454という数字は、そのスタイルが機能していた証拠だった。
村上の復帰が近づき、日本人選手への注目は再びホワイトソックスへ集まろうとしている。西田もその輪に戻れるかどうかは、打率と出塁率をどこまで本来の水準へ戻せるかに懸かっている。
7月はまだ5試合を終えた段階であり、巻き返す時間は残されている。降格後も選球眼は維持しており、あとは安打が戻るかどうか。
打率が戻れば、出塁率もおのずと改善してくるだろう。昇格前に見せた「出塁して走る」西田本来のスタイルを取り戻せた時、メジャー再昇格も現実味を帯びてくる。
【著者プロフィール】
八木遊(やぎ・ゆう)
1976年生まれ。スポーツライター。米国で大学院を修了後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLなどの業務に携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬記事を執筆中。
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