[連載]SUPER FILM presents|2026 F1 Rd.06 Monaco GP

「美しく儚い」を作画テーマとするRyoma Kashiwagi | SUPER FILM が切り取るモータースポーツの一瞬を、連載でお届けする。

05 - 07 Jun 2026

Circuit de Monaco - Monte Carlo, Monaco

Circuit length : 3.337 km / 78 Laps

Race distance : 260.286 km

Lap record : 1:12.909 / Lewis Hamilton ( 2021 )

新たな時代のモナコマイスター誕生への第一歩。2026年のF1はここまで5戦を終えて勝者はメルセデスの二人だけ。その内訳はニューカマーであるキミ・アントネッリの4勝というワンサイドゲームに終始している。しかしこの週末の始まり方はいつもとは違っていた。アントネッリはこれまでのレースウィークではセットアップの速さを武器にマシンの挙動をすぐに手懐け、いち早くアタックラップに入ることができる能力を披露してきた。これは去年のデビューイヤーから見られた彼の強みでもあった。ところがモナコではFP1~2を通して時計は最速を刻むことなく、またシケインでは進入角が他のレーサーとは若干異なっているという状況。

しかしながら土曜日のFP3では一人だけ12秒台に入れるという本来の速さを発揮する。また続く午後からの予選でも1番時計を刻む正確さを示す。まるで三味線をひいていたかのようにライバルたちの希望を打ち砕く。レッドブルのマックス・フェルスタッペンもその貫禄と気迫でマシンをコントロールするが、コンマ043秒届かない。ご存じの通りここモナコではその差は果てしなく大きな壁となり決勝グリッドへと導かれることとなる。

セカンドロウにはフェラーリの2台が付けたが、状況次第ではシャルル・ルクレール或いはルイス・ハミルトンが良いレースをするであろうという予測をする者も多かった。PPのメルセデスに注目の集まるスタート、今回は完璧に決めたアントネッリ。しかし隣に並ぶフェルスタッペンはほとんどマシンを動かすことができず、後続車輌は次々と追い抜いていく。それによってサンデボテに突入してくるトップのメルセデスは既にフェラーリ2台を2車身以上離して通過する。フェルスタッペンはレースを1周もできずにマシンをピットまで運んだだけでリタイア。フェルスタッペンのPUは既にフォーメーションラップ中に変調をきたしていたという。

序盤はいくつかのコーナーで中断グループが肉薄する展開が見られたが、30周を越える頃にはトップのアントネッリは2~3位のフェラーリ勢を15秒以上突き離す快走を続ける。先ずハミルトンがピットに入るも、ピットレーンの速度違反で5秒のペナルティを課されることに。同じくメルセデスのジョージ・ラッセル、マクラーレンのオスカー・ピアストリ、アルピーヌのフランコ・コラピントにも同様のタイムペナルティが課された。またピエール・ガスリーに至っては2度の速度超過を取られ10秒が課されてしまう。このような混乱の中で、37周目ハードタイヤに交換を終えたアントネッリがコースに戻ってもなお同等のアドバンテージは築かれたまま。45周目、ラッセルと6位争いをしていたノリスがリタイア。

60周目、アストンマーティンのランス・ストロールのクラッシュによりイエローからセーフティーカー導入へ。その間にピアストリとハミルトンがピットストップ、フェラーリはここで5秒のペナルティを消化した。同一周回に入ったルクレールはハミルトンの背後で自身のタイヤ交換を待つ状態に。

ストロールのマシンが最終コーナーから撤去されると65周目にはセーフティーカーが戻され再スタートとなった。それまで築いたアントネッリのアドバンテージは無くなり、2台のフェラーリが背後に迫った体制からレースは続く。アントネッリは多少マシンをスライドさせながらも、今日2度目のサンデボテへの突入を成功させる。後方にはぴったりとハミルトンが付けるもルクレールの姿はホームストレートに現れなかった。なんと最終コーナーでストロールと同じように突っ込んでしまいリタイア。再びセーフィティーカー導入を挟み、68周目には赤旗中断となった。全車ピットレーン上で待機。レーサーは一旦マシンから降りて再開の合図を待つ。その間にコース上のデブリも排除され、各マシンはピットレーンからスターティンググリッドへ移動。残り8周、決勝レースはスタンディングスタートで再開されることに。

グリーンシグナル、反応は若干ハミルトンの方が良かったかもしれないが、若き挑戦者も同じくらいに上手くスタートを決めた。この日、3度目のサンデボテへの緊張の突入。アントネッリは余裕を持って7度のワールドチャンピオンとの直接対決を制することに成功した。同周回、後方にいたウィリアムズのカルロス・サインツはアウディのニコ・ヒュルケンベルグとロウズヘアピンで接触し、その後コラピントにも当てられトンネル前でマシンを止める。73周目ラッセルがピットスルーペナルティ、大きく順位を落としポイント圏外に転落。オーダーはアントネッリ、ハミルトン、ガスリー、ハジャ、ピアストリ、ローソン。

モナコマイスターへの序章を開いたイタリア人は2位ハミルトンを6秒後方に保ち、圧倒的なレース展開で今季5勝目を挙げる。フィニッシュ後のパルクフェルメ、ハミルトンは結果を受け入れ、喜び、そしてキミ・アントネッリを大きく祝福した。

a Ryoma Kashiwagi film | 2026

RED KOMODO X | LEICA Apo-Summicron M50mm, Elmarit M90mm

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