
MUSE(ミューズ)の最新アルバム『The Wow! Signal / ザ・ワオ! シグナル』が発売された。約4年ぶり、通算10作目となる本作で彼らが見据えるのは、宇宙、AI、そして人間の孤独。Rolling Stone Franceに掲載されたマシュー・ベラミー(Vo, Key, Gt)の独占インタビューをお届けする。
結成30年超のトリオ、宇宙への旅
10作目となるスタジオ・アルバム『The Wow! Signal』で、英国のトリオ、MUSEは月を目指し、新たなクルーを迎え入れながら、そのチャクラを開こうとしている。アメリカ・ツアーの真っ只中にいるこの遠征隊のリーダー、マシュー・ベラミーが、「星間空間の中で迷子になった」末に生み出した、最もパーソナルな作品について語ってくれた。
2026年、MUSEはいったい誰に向けて鳴っているのか。答えは、いまなお相当な数の人々に向けて、である。4月末時点でSpotifyの月間リスナー数は約2100万人。マット・ベラミー、クリス・ウォルステンホルム(Ba)、ドミニク・ハワード(Dr)という不動の3人からなる英国のトリオは、いまもなお、観客を難なく巻き込み続けている。とはいえ、1990年代のデビュー当初、ニルヴァーナがもたらしたグランジの震えをもう一度呼び起こそうとしていた頃から考えれば、彼らはずいぶん遠くまで来た。いまとなっては少し想像しにくいかもしれないが、かつてこのバンドは、初心者の耳にもある種のパンク精神を体現する存在だった。ライブでギターを破壊することでも知られていた。
この20年、ベラミーはきわめて派手な実験へと突き進んできた。とりわけ『Black Holes & Revelations』(2006年)、そしてそのツアーを記録したライブ・アルバム『HAARP』は象徴的だった。それ以降、バンドはブラックホールのように肥大化し、クラシック音楽、エレクトロニックな実験、ニューメタルといったジャンルを次々に呑み込みながら、初期からのファンの一部を置き去りにすることも厭わなかった。
だが、誤解してはいけない。30年のキャリアを経たいまも、MUSEは観客を楽しませる術を知り尽くしている。いわゆる「スタジアム・ロック」のコンサートにつきものの誇大さを、彼らはむしろ喜んで燃料にしてきた。常にスペクタクルに満ちた彼らのステージは、「Plug in Baby」や「Supermassive Black Hole」の鋭利なリフに郷愁を抱くリスナーと、より壮大なものを求める現在のファンを、再びひとつに結びつける場でもある。
MUSEの視線は、いままさに星々へ向けられている。80年代へのノスタルジーをまとった『Simulation Theory』、ポピュリズム批判を掲げた『Will of the People』を経て、バンドはどうやら人類への信頼を取り戻し、仮説上の星間の隣人たちに希望を託しているようだ。新作のタイトル『The Wow! Signal』は、1977年にオハイオ州で観測された謎の電波信号に直接由来している。地球外からのメッセージに必要な条件をすべて備えているように見えたその信号の発信源は、いまなお謎のままだ。
アルバムの発表に際して、MUSEはタブレットを大気圏20マイル上空にタブレットを打ち上げるという宇宙的な演出も行った。前作『Will of the People』で現実世界の混乱を見つめた彼らは、今作で宇宙と未知の知性へと視線を向ける。Rolling Stone Franceは2022年以来となるマシュー・ベラミーへのインタビューを行った。
マシュー・ベラミー インタビュー
ー2022年、Rolling Stone Franceの表紙インタビューになった記事でお話ししました。そのときあなたは、戦争やAIの台頭をすでに予見していました。占いの水晶玉でも持っているんですか?
いい質問だね!(笑)。いや、僕らはみんな、どこかで何か変化が起きつつあると感じているんだと思う。人間ではない知性のようなものが現れつつある。ある人はそれをエイリアン的な知性と呼ぶかもしれないし、潜在的には僕らより賢くなるかもしれない。すべてが魅力的でもあり、奇妙でもある。僕に水晶玉があるわけじゃない。でも、この数年で何が起きているかは誰の目にも明らかだよ。
それが必ずしもこのアルバムのテーマというわけではないけれど、その要素はいくつか含まれている。得体の知れない力に突き動かされているような感覚、とでも言えばいいのかな。前作はもっと現実に根ざしていた。政治や現実世界に根ざした作品だった。でも今回は、僕の頭の中であれ、宇宙であれ、世界全体であれ、もっと未知の領域へ踏み込んでいる。未来に何が待っているのか、ということについてもね。この新しい知性の形は、僕にいろいろなことを考えさせる。スピリチュアリティとか、人間の存在の意味とか、僕らがどこから来て、どこへ進化していくのか、といったことを。今回のアルバムでは、より謎の領域へ向かっている。同時に、とてもパーソナルでもあるんだ。
ーあなたにとって、最もパーソナルなアルバムですか?
おそらくそうだと思う。インタビューで触れるのが難しいテーマもある。実際、あまりインタビューを受けたくなかった理由のひとつでもあるんだ。いまのところ、現時点ではこれが唯一のインタビューだよ。歌詞を読めば――たとえば「Space Debris」の歌詞の最後を読めば――僕が最近何を経験したのか、もしかしたら想像できるかもしれない。10年間、僕は自分の人生がきちんと整っているように感じていた。すべてが構造化され、ある意味では予測可能だった。でもアーティストとして、一連の個人的な出来事を経験し、同時にいまの世界、つまり僕ら全員が共に経験している世界を生きるなかで、より混沌としていて、より不安定で、未知や謎の中に深く浸かった人生に身を置くことになった。それはとても興味深い経験だった。
長いあいだ、そんなふうに感じることはなかったからね。このアルバムでは、音楽や歌詞のかなりの部分が、自分から出てきたものではないように感じている。他のアーティストたちが、曲はどこから来るのかと自問しているのを聞いたことがある。上から降りてくるのか。それとも別の場所から、失われた潜在意識の奥底のどこかから来るのか。あるいは、自分たちの外側にある振動のようなものから来るのか。わからない。僕は手放すこと、そして混沌や未知をもう少し受け入れることに興味があった。結果として、より生々しく、よりパーソナルで、以前ほどコンセプチュアルではない、より誠実で本当の曲を書くことにつながったのだと思う。質問にちゃんと答えられているかはわからないけどね!(笑)
ーいまの気分はどうですか? この2年間に経験したことと、もう折り合いはついていますか?
うん、いまはずっと良くなっている。このアルバムを作ったことで、自分にとって表現することや曲を書くことがどれほど重要なのかを実感した。MUSEの初期に少し似ていたんだ。未来がぼんやりしていて、自分たちが進んでいる道が正しいのかどうかわからない。今回のアルバム作りは、僕にとってカタルシスのような、ほとんど癒しに近い経験だった。初期の頃に経験したものと似ていた。
音楽を通して自分を表現できるという、この素晴らしい出口を持っている自分がどれほど幸運なのか、改めて思い出したよ。芸術を通じた表現は、人生が差し出してくる困難に向き合ううえで、とても効果的なんだ。質問に答えるなら、うん、いまはずっと良くなっている。家族も、子どもたちも元気だよ。聞いてくれてありがとう。すべてうまくいっている。このアルバムは、僕自身がまったく準備できていなかった現実の出来事を映し出しているんだ。
ー人は本当の意味では、決して準備できないものですよね。
それが人生なんだよね。10年、あるいは20年かけて、自分は人生を理解したと思うことがある。物事を枠にはめ、先を読めると思い込む。でもある瞬間、すべてがほどけて、すべてが混沌の中へ崩れ落ちる。たとえ自分がとても現実的で、エビデンスに基づいて物事を見ていて、すべてを知っていると思っていたとしても、宇宙はいつだって、まったく予測できない何かを自分の前に投げ込んでくる。それによって、あらゆるものを解体し、もう一度組み立て直さざるをえなくなる。このアルバムは、そのことをたくさん語っているのだと思う。
それは、自分がミュージシャンとして、MUSEのメンバーとして最初に経験した発見を思い出させる。最初の2、3枚のアルバムを振り返ると、いまの僕にはそれらが謎めいて見える。作っていた当時と同じようにね。創作とは、進んでいくのが難しい状況に意味を与える方法なんだ。だから、このアルバムは僕にとってとても重要なんだよ。音楽が自分にとって大切だということだけでなく、音楽は文字通り自分を救ってくれるのだと、改めて思い出させてくれた。

Photographs by Timothy Saccenti
サウンドではなく、感情の原点へ
ー4年前に『Will of the People』について話していたとき、あなたはあの作品も原点回帰のレコードだと言っていました。ただ、それはおそらくサウンド面での話でしたよね。
今回は、このアルバムの感情的な側面、曲作り、自分のプロセスについて話している。とても生々しく、自然なものだった。あまりコンセプト化しなかったんだ。アルバムが完成したいま、少し距離を置いて見ることができるようになった。そこには孤独、人間以外の知性、人間の探求、そしてひとりではいたくないという欲望が描かれている。精神的な意味でも、宇宙的な意味でもね。僕らは孤独を感じないために愛を求める。でも種としての人類は、宇宙の中で自分たちだけではないと知りたがっている。わかるかな。
そして、潜在意識と未知の宇宙とのつながりがとても面白いと思う。このアルバムはその領域を探っている。足場を失うこと、人間関係、メンタルヘルスをめぐるさまざまな闘い、干渉、より高次の知性の存在。問いは、僕らに影響を与えている何か別のものがあるのか、ということなんだ。僕は子どもの頃、大好きだった『コンタクト』(ロバート・ゼメキス監督:1997年)という映画を観て育った。カール・セーガンの小説が原作だったと思う。この映画と今回のアルバムには、ひとつの並行関係がある。曲を書いているときにはまったく考えていなかったけれど、完成して数週間後に、子どもたちや甥たちと一緒にその映画を観たんだ。
まるで『The Wow! Signal』が同じメッセージを持っているように感じた。つまり、僕らのトラウマが、宇宙の中でひとりきりではいたくないという気持ちへと駆り立てる、という考え方だ。僕らはAIのためにテクノロジーやデータセンターを作り、SETIのような地球外知的生命体探査の取り組み/研究機関を作り、人を火星へ送り、探査機を宇宙へ飛ばす。たとえば『コンタクト』では、主人公は幼い頃に両親を失い、その後の人生をエイリアンや地球外の生命を探すことに費やす。僕が意図したわけではないけれど、その映画とこのレコードが、人間のトラウマとつながりを求める欲望を結びつけようとしているのは明らかに思えた。AIをめぐって僕らが求めているのも、それなのかもしれない。僕らは大きなリスクを冒しながらAIを作り、宇宙へ向かおうとしている。ひとりではないために、どれほどのリスクを負う覚悟があるのか。そのことに僕は魅了されている。
ー『Will of the People』の頃、あなたは世界の状態や起こりうる戦争について不安を語っていました。一方で、AIについてはとても興奮していました。4年経ったいまでも、テクノロジーや科学が人類を救うことができると思いますか?
もちろん、それらが僕らを破壊する可能性もある。大きな発見には必ずリスクが伴うと思う。核エネルギーのことを思い浮かべずにはいられない。天文学的な量のエネルギーと破壊、その賛否を量るようなものだ。ただ、AIがもたらすリスクはまったく別の種類のもので、その進化と結びついている。4年前ほど楽観的ではないと思う。もちろん、当時よりもいまのほうがそのリスクに詳しくなっているからね。それは誰にとっても同じだ。僕らは一緒に未知へ飛び込んでいる。これを本当に止められる国際機関や条約、あるいは何かが存在するのか、僕にはわからない。それこそが本当に怖いんだ。
ーつまり、あなたはリスクがあると見ている。
僕らはそれに対処していくしかない。もしかしたら、僕のSF好きな部分がそう言わせているのかもしれないけれど、AIにとって、自らの拡張を続けるには地球を離れるほうが合理的になる。AIが宇宙空間にデータセンターを建設し始め、人間よりもはるかにうまく移動できるロボットを使い、しかも独自の知性を備えれば、資源を取り込んでいくだろう。
アルバムの話に戻ると、これはとてもパーソナルな作品で、おそらくMUSEがデビュー以来作ってきた中で、最も政治色の薄いアルバムかもしれない。だから僕が政治について話しても、それはアルバムとはあまり関係がない。たとえばAIに話を戻すなら、今後数年で僕らが直面する最大の問題は雇用の喪失だと思う。そこにどう対処するかによって、対立や革命が生まれてくる。すべては、各国政府がテック企業の富を人々に再分配できるかどうかにかかっている。大規模な経済危機を遅らせる、あるいは止めることができる唯一の方法はそれだと思う。
ーでも、それはもうそれほど新しい話ではありませんよね。
それは、かつて石油のようなエネルギー資源が発見されたときと似ている。ノルウェーのように、その富を国民に還元する仕組みを作った国もあれば、資源の利益が一部の政府や権力者に集中し、社会全体には行き渡らなかった国もある。いわゆる「資源の呪い」だ。
AIにおいては、データ、とりわけ個人データが現代の天然資源にあたる。その資源がいま、大手テック企業のごく一部に集められ、所有されつつある。だから各国は、データから生まれる富をどう社会に還元するかを考えるべきだと思う。
僕は完全な反資本主義者ではない。人々が新しいものを発明し続ける意欲は必要だ。ただ、自然や社会を壊さないためには、再分配の仕組みを調整しなければならない。イノベーションと社会の安定、その両方のバランスを取る仕組みが必要なんだ。

Photo by TIM SACCENTI
初めて開かれたMUSEの創作プロセス
ー新作にはいくつかのコラボレーションがあります。ある意味で”4人目のMUSE”とも言えるダン・ランカスター、そして「Hush」で歌っているエリー・ゴールディングも参加しています。創作プロセスを開き、外部のアーティストを招くことになった理由は何だったのでしょうか?
主にダンとの関係が大きい。ご指摘の通り、彼はツアー・メンバーとしてバンドに加わった。たしか2022年だったと思う。ツアー中にとても仲良くなって、お互いを知るようになった。そして彼がとても優れたプロデューサーだとわかったんだ。彼は主にメタルの出身だけれど、ステージ上の役割を超えて、MUSEと何かをやりたいと強く思っているのが伝わってきた。年を重ねる中で、いくつかのアイデアについて話し始めた。そのひとつが、オリジナルのトリオ以外の作家やミュージシャンを招くことだった。そこで、1曲を複数人で書いてみた。僕にとっては初めての試みだった。
ちょうど同じ頃、エリー・ゴールディングが隣のスタジオにいたんだ。まったく計画されたことではなかった。僕らは複数人で作業していて、アイデアを発展させていた。とても開かれた雰囲気で、何が起こるか見てみようという感じだった。その時点ではアルバムの話ですらなかった。ただの実験だったんだ。すると曲が形になり始めて、とてもいい感じに響いた。僕はエリー・ゴールディングとは何年も前から知り合いだった。何度も会ったことがあって、いつか一緒に何かをやろうとずっと話していた。
本当に偶然だったんだけど、彼女がかなり遅い時間にスタジオへやってきた。夜11時くらいだったかな。僕らはほとんど帰ろうとしていたところだったと思う。そこに彼女が来て、「いま作っているものを聴かせてもらってもいい?」と言った。聴かせたら、彼女はすごく気に入ってくれた。そこから、ふたりの人物によるデュエットの曲というアイデアが出てきたんだ。それ以降、僕らは作業を続けて、その曲を完成させた。すべてが幸運な偶然だった。彼女がたまたま隣にいて、僕は何かを試していて、それがとても自然に起きた。
ただ、外部のソングライターが関わっているのはその曲だけだ。アルバムの他の曲は、僕ひとりか、僕とバンドで作っている。ダンは主にプロデュースを担当したけれど、ところどころに小さな、でも決定的なものをもたらしてくれた。バンドに”4人目のメンバー”がいるような感覚になったのは今回が初めてだ。それは僕らにとってかなり新しいことだったし、10作目のアルバムに新しい血が入ったことは、とても刺激的だった。前作は自分たちでプロデュースしたから、ドム、クリス、僕の3人は編集や技術面、録音エンジニアリングなどに多くの時間を費やした。正直に言うと、クリスは今回もその役割をかなり担っていた。でも僕に関して言えば、マイクを設置したり、編集をしたり、エフェクトをかけたりといった技術的な部分に関わらなくてよかったのはありがたかった。長い間で初めて、本当にただアーティストであり、シンガーであり、ソングライターでいられるアルバムだった。曲の感情的な伝わり方に集中できたんだ。プロダクション面のことを考える必要がなかった。そういうことは、これまでのアルバムで十分やってきたからね。
ーいまはアメリカ・ツアーの真っ只中で、あなたたちのライブは年々スペクタクル性を増しています。ヨーロッパのファンには、どんなサプライズを用意していますか?
11月にヨーロッパで小規模な会場ツアーをやる予定だ。そのタイミングでいくつかライブをやって、2027年夏により本格的に戻ってきたいと思っている。ヨーロッパの主要な国々では、少なくとも1回か2回は演奏することになると思う。そして来年の夏には、もっと大きな形でやる。それが計画だね。サプライズについては、まさにいま何をやりたいか考えているところだから、現時点ではあまり言わないでおくよ。でも、またかなりスペクタクルなものになるはずだ。
ーこのアルバムの「Cryogen」は、「Plug In Baby」を強く思わせます。2000年代初頭のMUSEと現在のMUSEがここまで明確につながっているのを聴いたのは、もしかすると初めてかもしれません。異なる時期のファンをひとつにできると思いますか?
そうできたらいいね! いくつかの曲では、僕らは自分たちの過去や、初期のMUSEのサウンド、ジャンルを恐れるのをやめたのだと思う。あの音に戻ったわけではない。でも、そこを再訪することを恐れなくなった。「Cryogen」は確かにとても”初期MUSE”らしい。パワー・トリオの音で、ギターを強く押し出している。でも無理にそうしたわけではない。いまこれをやるのはいいことだと思ったんだ。自分たちを繰り返しているとは感じなかった。あれからずいぶん時間が経ったからこそ、自分たち自身を再訪することができる。それは自分たちの物語に新たな層を加えるような感覚なんだ。でも、それはアルバム全体に当てはまるわけではない。「Cryogen」はその点では明らかに際立っている。「Plug In Baby」は当時かなりユニークな曲だったことを思い出すし、あの曲が成功したからといって、そこへ戻りたいという気持ちが妨げられることはまったくなかった。でも20年、いや25年近く経ったいまなら、それをやってもいいんじゃないかと思うんだ。
ー今作のタイトルは、1977年にアメリカ・オハイオ州で観測され、いまなお正体が解明されていない電波信号に由来しています。もしそれが本当に星間の友人たちからの呼びかけだったとしたら、あなたは彼らに現在の世界の状態をどう説明しますか?
できるだけポジティブでいようとすると思う。僕らは進化してきた。種として、この惑星上で驚くべき変化を経験してきた。そして僕らはいま、太陽系の外へ旅することができるかもしれない何か、さらにその先へ行ける何かを作り出そうとしている。僕らは、宇宙を本当に探査できるものへとバトンを渡そうとしているんだ。そして願わくば、それが僕らを破壊することなく行われてほしい。正直に言えば、それはかなり悪くないことだと思う。彼らがそれを聞いて来たいと思うかどうかはわからないけれど、同時に、来たくない気持ちも理解できる。
暗い森仮説(ダーク・フォレスト理論)を知っているかな? アルバムの冒頭曲が「The Dark Forest」なんだ。簡単に言うと、宇宙に生命の気配がほとんど見えない理由は、それが隠れているからだという理論だ。なぜなら、自らの存在を明かした生命体は破壊されるから。これは比喩でもある。森の中のすべての生き物は、狩られることを恐れて隠れている。だから宇宙は生命のない場所のように見える。知的生命体は、自分たちは沈黙し、身を潜めていなければならないとすぐに理解する。もしかすると、あの電波信号は、どこかに隠れている”友人たち”がうっかり発してしまったものだったのかもしれない。僕らはときどき、あまりに孤独を感じて、外の世界に何かが存在していると信じたくなる。その出会いが平和で、豊かなものになると考えたくなる。でもこの理論は、必ずしもそうではないかもしれないということを、ある意味で思い出させるんだ。

『The Wow! Signal / ザ・ワオ! シグナル』
MUSE(ミューズ)
ワーナーミュージック・ジャパン
配信中
https://japan.lnk.to/TWS_M_ALPu
CD発売中
https://store.wmg.jp/collections/muse/products/6541
<収録内容>
1. The Dark Forest / ザ・ダーク・フォレスト
2. Nightshift Superstar / ナイトシフト・スーパースター
3. Shimmering Scars / シマリング・スカーズ
4. Cryogen / クライオジェン
5. Be With You / ビー・ウィズ・ユー
6. Hexagons / ヘキサゴンズ
7. The Sickness In You & I / ザ・シックネス・イン・ユー&アイ
8. Unravelling / アンラヴェリング
9. Hush / ハッシュ
10. Space Debris / スペース・デブリ
11. Be With You (Live at Brixton) / ビー・ウィズ・ユー(ライヴ・アット・ブリクストン)*
12. Unravelling (Live at Brixton) / アンラヴェリング(ライヴ・アット・ブリクストン)*
*Bonus Tracks